
『春秋繁露』は、版本としては一系統が伝わっているのみで、版本間に大きな差異はなく、せいぜい文字の異同や段落を他の篇へ移動させた程度の違いがほとんどです。
最も古い版本は中国の北京図書館が所蔵する宋本です。これは現在、影印本が出版されていて気軽に見ることができます。
明代・清代にもいくつかの版本が出ていますが、清のロ・ブンショウ(←JISでは漢字が出ないのでカタカナ)が校訂したものが一つのターニングポイントとなります。
その後、ロブンショウの校訂本を元に、凌曙の『春秋繁露注』、蘇輿の『春秋繁露義証』という二大注釈が清末に刊行されます。現在でも『春秋繁露』を扱う者は、まずこの二種の注釈書を備えます。
民国以来、長らく頼炎元『春秋繁露今註今訳』しか現代語訳が存在しない状況でしたが、この数年、注釈書としては『春秋繁露校釈』が刊行になり、また二種類の現代中国語訳が刊行になりました。
邦訳は明徳出版社から日原利国氏が最初の数篇を訳したものが刊行されている以外ありませんでしたが、本研究会の他に、佐賀大学、高松高等専門学校でそれぞれ『春秋繁露』の訳注作業が行なわれています。