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【 訓 読 】
五行相生第五十九
 天地の氣、合して一と爲り、分かれて陰陽と爲り、判れて四時と爲り、列して五行と爲る。行は行なり。その行は同じからず。故に之を五行と謂ふ。五行とは五官なり。比すれば相生じ、間すれば相勝つ。故に謂へらく、治は、之に逆へば則ち亂れ、之に順へば則ち治まる。
 東方は木、農の本なり。司農、仁を尚び、經術の士を進め、之を道くに帝王の路を以てし、その美を將順し、その惡を匡救す。規を執りて生じ、至て下に温潤なり。地形肥饒、美惡を知り、事を立て則を生じ、地の宜しきに因る。召公は是れなり。親ら南畝の中に入り、民の草を墾し?を發するを觀て、五穀を耕種す。積蓄して餘有り、家々給し人々足り、倉庫充實す。司馬穀を食す。司馬は本朝なり。本朝は火なり。故に曰く、木火を生ずと。
 南方は火なり。本朝司馬、智を尚び、賢聖の士を進む。上、天文を知り、その形兆未だ見はれず、その萌芽未だ生ぜざるに、昭然として獨り存亡の機、得失の要、治亂の源を見、豫め未然の前に禁ず。矩を執りて長じ、至忠厚仁にして、その君を輔翼す。周公は是れなり。成王幼弱にして周公相たり。管叔蔡叔を誅し以て天下を定む。天下既に寧らかにして以て君を安んず。官は司營なり。司營は土なり。故に曰く、火は土を生ずと。
 中央は土、君の官なり。司營信を尚び、身を卑くし體を賤しくして、夙に興き夜寢ぬ。往古を稱述し、以て主の意を獅ワし、明らかに成敗を見、微かに諫め善を納め、その惡を防滅し、原を絶ち?を塞ぐ。繩を執りて四方を制し、至忠厚信にして、以てその君に事へ、義に據りて恩を割く。太公は是れなり。天に應じ時の化に因り、威武強禦し以て成す。大理は司徒なり。司徒は金なり。故に曰く、土は金を生ずと。
 西方は金、大理司徒なり。司徒義を尚ぶ。臣君に死して衆人父に死す。親に尊卑有り、位に上下有り。各のその事に死し、事矩を踰えず。權を執りて伐つ。兵苟も克たず、取ること苟も得ず。義たりて後行ひ、至廉にして威あり、質直剛毅なり。子胥は是れなり。有罪を伐ち、不義を討つ。是を以て百姓附親し、邊境安寧、寇賊發せず、邑に訟獄無ければ則ち親安たり。執法は司寇なり。司寇は水なり。故に曰く、金は水を生ずと。
 北方は水、執法司寇なり。司寇禮を尚ぶ。君臣に位有り、長幼に序有り。朝廷に爵有り、郷黨は齒を以てす。升降するに揖讓し、般伏して拜謁す。折旋するに矩に中たり、立ちて?のごとく折り、拱すれば則ち鼓を抱くがごとくす。衡を執りて藏す。至清廉平にして、賂遺しても受けず、請謁しても聽かず。法に據りて訟を聽き、阿る所有る無し。孔子は是れなり。魯の司寇と爲り、獄を斷ずること屯屯たり。衆と之を共にし、敢へて自ら專らにせず。是れ死者は恨まず、生者は怨まざるなり。百工時を維(はか)り、以て器械を成す。器械既に成り以て司農に給す。司農は田官なり。田官は木なり。故に曰く、水は木を生ずと。

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