2005年12月 2日

中国農民の反乱

『中国農民の反乱―隠された反日の温床』

読了。


沿海部の大都市の繁栄ぶりとは裏腹に、中国の農村は今後の中国の発展の最大のアキレス腱になるという話は、既に聞き及んでいましたが、著者自らの体験によるそのリポートです。

原書が出て、数年後の今年、文庫化されたわけですが、著者曰く、問題は少しも解決していないと。本当に深刻な問題です。

昨今の日本では中国人の増加が治安の悪化を招いているという言説が聞かれますが、中国でも農村からの流入者が増えることで北京や上海では治安が悪化しているとのこと。田舎者を馬鹿にし差別する北京や上海の人は、中国人を差別する日本人と、どことなく重なって見えました。

2005年8月23日

偽満州国論

『偽満州国論』読了。

満州国の通史とか裏面史のようなものを期待して読み始めましたが、むしろ本書は「近代国家論-満州国を素材として-」といった感が強いものでした。 なので、いわゆる中国史専攻の人には、なかなか歯ごたえのある一冊ではないでしょうか。満州の「州」を「洲」にしないのは何故なのか、というのはおくとし て解説で永江朗氏が言うように「近代国家や共同体について考察する試み」というのが本書の狙いなのでしょう。

吉本隆明などを引き、ほとんど満州国とは関係ない部分が紙幅の半分以上を占めていて、結局のところ満州国ってどんな国なのということが見えてこなかったのは、あたしの読解力に問題があるのでしょうか。

2005年1月17日

中国人民に告ぐ

祥伝社黄金文庫の『中国人民に告ぐ』(金文学著)を読みました。

かつて大ヒットした『醜い中国人』な どと同系統の作品です。ですから、そういったものを数多く読んでいる人には、それほど新味もないかなと思います。取り立てて、最近の中国事情を反映したと 思えるような記事もないですし、これを読んだからといって中国ビジネスにすぐ益するような部分があるわけでもないですし。

著者の金文学氏は在日朝鮮系中国人とのことですが、朝鮮・韓国との比較というのも、本文中では目立っては出てきません。また日本の風俗・習慣などについての考察も、ちょっと違うんじゃない、と首をかしげてしまうところもあります。

ただ、このような社会現象などの考察は、自分が普段接している社会や友人関係、見ているテレビ、読んでいる書物に影響されること大でしょうから、一 概に金氏が間違っていると決めつけることは慎まなければならないでしょう。個人的には、もう少し今の中国、今の日本の断面を描いてくれるとうれしかったと 思います。

先頭頁前頁頁/2頁