イタリア推し?

真ん中は、先日刊行された『イタリア語のABC[改訂版]』、その左右は本日見本出しの新刊です。

なにやら、イタリア語の新刊が続いている感じです。

別にそういうわけではなく、他にもいろいろ出しているのですが、もしかすると書店の語学書担当の方からは「最近イタリア語が続くなあ」と思われてしまうかも知れません。

なんででしょう? たまたま刊行時期が重なっただけなのでしょうか?

ちなみに、『イタリア語のABC[改訂版]』は書名からもわかるとおり、定番ロングセラー文法書のリニューアル版、左右の新刊はグラマーとドリル、セットで学ぶ新刊となっております。

ASEANセット?

この数年の日本、外国の方が増えています。

観光客は言うに及ばず、日本で暮らしている方も多くなっていると感じます。

一時的なものか否かはともかく、最近は小中学校にも東南アジア出身の児童が増えているそうで、ある団地やマンションなど、日本人以外の方が過半を占めているところもあると聞きます。

そういう方々が一生懸命日本語を学んでコミュニケーションを取ろうと努力されているのはわかりますが、翻って日本人の方はどうでしょう? そういう方々の国の言葉を知っているでしょうか?

ペラペラ喋れるようになれるのであればそれに越したことはありませんが、せめて「こんにちは」「ありがとう」くらいの挨拶は相手の国の言葉でも言ってあげたいところです。

というわけで、東南アジア十カ国、いあゆるASEAN諸国の語学書、《エクスプレス》を集めてみました。細かな方言を除けば、これで一応は網羅できているはずです。

えっ、近所で一番多いのは中国人ですって?

もちろん、《エクスプレス》シリーズに中国語はあります。広東語、台湾語、上海語まで揃っています。ただ、中国語、それに韓国語は他にも選択肢がありますので、今回はあえてASEAN十カ国に絞ってみました。あとは世界の共通語、英語を揃えれば、「お隣の外国人」とも楽しく暮らせるためのツールが揃います。

こんなフェア、如何でしょうか?

本当に泥まみれ?

黄泥街が、原作者の故郷である湖南省長沙市に実在すると書きました。そのダイアリーでは地図上でその場所を示したわけですが、どんなところなのか見てみたいと思います。

そこでグーグルは諦めて、中国の検索サイト「百度」を使ってみました。グーグルと同じような使い勝手ですが、恐らく中国のことに関する限りグーグルよりも検索結果が豊富だと思われます。

すると、右のような写真がヒットしました。

地元の夕刊紙・長沙晩報に掲載された、1980年5月に撮られた写真のようです。キャプションには「書市」が無くなっているとありまして、その他にもいろいろ検索していると、かつての黄泥街は本屋が集まっていた通りだったようです。

また中国に「長沙社区通」というウェブサイトがあります。そこに「施工致泥浆泄漏 长沙黄泥街真成了“黄泥街”」という記事を見つけました。

2012年10月13日の記事ですが、黄泥街で工事があったらしいのですが、水が出て通り全体が水浸しになり、黄泥街の名前のとおり、泥まみれになってしまったという記事です。

ちょっと笑えますね。

黄泥街はここにある!

いま、売れに売れている『黄泥街』ですが、《あるかなしかの街》という印象を持たれている方も多いのではないでしょうか?

ちなみに、中国語で「街」とは「通り」のことなので、日本語の「まち」ではありません。まあ、それくらいは本書を読んでいただければわかっていただけると思いますが、それでも「そのあたり一帯」という雰囲気は漂っていますね。

その「黄泥街」ですが、ググってみますと上の図のように実在します。見づらいかも知れませんが、真ん中あたりの茶色で縁取りされている、左右に延びている短い部分、そこが「黄泥街」です。

別のサイトで、もう少し拡大してみたのが右の図です。

真ん中あたり、赤いマーカーの近くに「黄泥街」という文字が辛うじて見えるかと思います。ここが「黄泥街」です。それほど長いとおりではないようです。ストリートビューがないので、実際の様子はわかりませんが、確かに実在する通りの名前です。

この黄泥街が何処にあるかと言いますと、中国の湖南省の省都・長沙市です。長沙と聞けば、中国史好きな人にはいろいろと縁のある都市です。湖南省自体も毛沢東の故郷として有名ですから、古代から近現代まで、歴史的な文物には事欠かない土地です。

というわけで、上の二つの画像は長沙市のものです。ググる時も「長沙 黄泥街」でググらないと、他にも中国全土には「黄泥」という地名があるようなので、いろいろとヒットしてしまいます。

で、その長沙市、もう少し広域を表示したのが左の図です。訪れたことがないので、どんな街なのか、街の中心街はどのあたりなのかよくわかりませんが、黄泥街はそれほど町外れという感じではないですね。東西と南北に延びる地下鉄が交差する「五一広場駅」からも近いようですから、それなりに繁華な場所なのではないかと予想しています。

ただ、そんなことよりも長沙市は、『黄泥街』の著者、残雪の故郷です。このあたりに住んでいたのでしょうか? 少なくとも長沙生まれの残雪であれば『黄泥街』という作品を創作するに当たって、その通りが自分の生まれ故郷の街に実在するとおりの名前であることはわかっていたはずです。

そのあたりのこと、何か書いてあるものはあるのでしょうか?

やはりスペイン語は接続法が肝心?

語学書の棚で見つけた一冊。

NHK出版の『スペイン語接続法 超入門』です。

これがなにか? と思われる方も多いと思いますが、あたしの勤務先手には重要です。

なぜなら、あたしの勤務先のベストセラー『極める!スペイン語の接続法ドリル』と見事にバッティングするからです。

この数年、諸外国語の棚ではスペイン語の伸びが著しいのですが、その中でも本書はその牽引役の一冊で、2016年の刊行以来、順調に版を重ねているのです。

そんなドル箱の学参に強力なライバル出現、といったところですから、心穏やかならずという感じです。しかしまあ、類書が刊行されて選択肢が増えるということはそのジャンルが伸びている証拠でもあります。そう考えれば、この二冊でますます市場を拡大できれば願ったり叶ったりでもあります。

とりあえず両書を比較しますと、『超入門』はA5判で160頁、本体価格は1800円です。一方の『ドリル』は同じくA5判で243頁、本体価格は2400円です。出版社としては無意味と思いつつも購入する方は意外とそういうところを重視してしまう頁単価で比べると『ドリル』の方がお得感はあります。

それぞれのウェブサイトに掲載の内容紹介を比べますと、『超入門』は

接続法は読んで習得! 学習者がつまずきやすい接続法を、「名詞節」「形容詞節」「副詞節」「独立文」の4つの機能に分別。40年以上大学でスペイン語を教える著者が、やさしい言葉で「接続法の考え方」を徹底解説する。基礎固めにも、ワンランク上を目指す方にも最適の一冊! 音声ダウンロード付き。

とあります。一方の『ドリル』は

まるごと一冊、接続法だけの問題集。まずは活用形を確実にマスター、続いて独立文・名詞節・形容詞節・副詞節・命令文まで用法を網羅した練習問題を解いていきます。接続法の使われるシチュエーションが身近な例で具体的に設定されているので、一見難しそうな接続法がどんどん親しいものに。用法ごとにまとまった解説や、巻末の「独立文、副詞節で使われる表現一覧」も便利。初めて触れる人も、勉強したけど苦手な人も、この一冊で接続法はあなたのもの!

となっています。あたしはスペイン語はまるっきりわかりませんが、名詞節などに分けて解説するのは基本のようですね。この紹介文だけでは、あたしには両書の特徴と違いを巧いこと説明することはできません。申し訳ないです。

ただ、どちらのサイトも目次や本文の数ページ分が閲覧可能です。『超入門』の方がすっきりとしたレイアウトで簡単そうに見えます。『ドリル』はとにかく例文がビッシリで、用例をこなして使い方をマスターしていく、まさにドリルな一冊です。あくまで、あたしの印象ですけど……

ほぼ3分の1です

このところ店頭でもよく見かける『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』、ものすごく売れているようですが、一日一つずつというのがウケているのでしょうか?

 

で、なんか似たタイトルの本があったなあと思ったら、文庫クセジュの『100の神話で身につく一般教養』でした。こちらは「100の神話」ですから、前者のほぼ3分の1の分量です。お手軽ではないでしょうか?

もう一つポイントなのは、前者が原著はアメリカの本、つまりアメリカ流の教養なのに対し、後者の原著はフランス、つまりおフランスの一般教養という視点の違いがあります。多くは共通するのでしょうが、思わぬところで違いが見えると、それはそれで面白いのではないでしょうか?

 

ちなみに、こういった読んで楽しめ、教養も身につけられるものとして、文庫クセジュからは『ギリシア神話シンボル事典』と『キリスト教シンボル事典』もお薦めです。どちらもベストセラー、ロングセラーの商品です。

結局、一度も訪れることのないまま……

大阪の心斎橋にある本屋さん、アセンスが閉店になりました。

閉店を記念して、という表現はおかしいと思いますが、こんな冊子を恵贈いただきました。

『私とアセンス』

多くの方に愛されていた書店だったことがわかります。

そして、あたしの勤務先の書籍も大事にしていただきました。

と、しんみりとした感じで書いていますが、実はあたし、大阪の営業担当ではありますが、結局一度も訪れたことがありませんでした。

年に数回も大阪へ行っていたというのに、ちょっと暗い時間を作って立ち寄れなかったのと言われれば返す言葉もありません。行ってないことは事実です。

冊子に載っている写真を眺めていると、せめて一度くらいは訪ねておくべきだったと悔やまれます。

いつものお店、プラスα

先週後半の研修旅行。改めてごくごく簡単に振り返ってみます。

初日は梅田界隈の書店を回りました。回った書店はいつもの営業で回っている店舗ばかりでしたが、最後に訪れた紀伊國屋書店の大阪営業部は初訪問の場所でした。

宿泊した新阪急ホテルアネックスにはそういう場所がないので、懇親会は駅直結の新阪急ホテルで行なわれました。立食パーティー形式で、楽しいひとときでした。

二日目は、旭屋書店の外商部を訪問しましたが、ここも初の訪問先でした。その後は一気に南下して、未来屋書店のりんくう泉南店、そして難波に帰ってきて旭屋書店とジュンク堂という、普段も回っている書店を訪問しました。りんくう泉南は遠いので初訪問のメンバーもいたようですね。

以上を回った後、二日目の宿泊先は琵琶湖グランドホテル。名前のとおり琵琶湖湖畔にある、とても大きな温泉旅館でした。おごと温泉が有名な風俗街だとは知りませんでしたが、同ホテルには非常に多くのお年寄りが泊まっていました。

昨今のホテルは、どこへ行っても外国人を多く見かけますが、ここはほとんどが日本人のようでした。言葉遣いから関西の方ばかりのようです。老人会や敬老会、町内会の慰安旅行のような雰囲気が漂っていました。だからでしょう。朝食のバイキングはメニューの9割方が和食でした。朝がパン派のあたしにはちょっと物足りないものでした。

三日目にして最終日はおごと温泉を出発して鉄路京都へ。

大垣書店の外商部は場所が移ってから初の訪問。その後の同志社生協、京大生協、丸善、ジュンク堂、大垣書店はすべていつも回っている書店でした。

昼食で入った京極かねよはこの旅行の一番の思い出になったかも知れません。今年は夏前のグループ訪問で東海地区を回り、浜松で鰻を賞味いたしましたが、秋の研修旅行でも鰻を賞味できるとは、非常についている一年でした!

最近ちょっとガイブンがイイネ!

黄泥街』の受注、止まりません。

大型店などでは10冊単位で追加注文が舞い込みます。

でも、この作品、お涙頂戴の感動作でもなければ、勇気や希望がもらえるような作品でもありません。

でも、かえってそんなところがコアな海外文学ファンには喜ばれているのかも知れません。

その一方、ジャック・ロンドンの『マーティン・イーデン』も売れています。

これだって、いわゆる感動ストーリーというタイプの作品ではありません。ただ、底辺から自分の腕一本、いやペン一本でスターダムにのし上がったマーティンの生き様は勇気や希望を与えてくれるところはあります。その点で言えば、感動作と言えなくもないですし、結末は、あたしにはとても切ないものに感じられました。

こういったガイブンの影に隠れるどころか、堂々と四つに組んで売れているのが温又柔さんのエッセイ『台湾生まれ 日本語育ち』です。

日本人なのか台湾人なのか、そんなアイデンティティーの揺らぎがよく描かれた、エッセイストクラブ賞受賞作。単行本が大ヒットして、その後、在庫僅少、そしてほぼ品切れ状態となり、それでも書店や読者からのリクエストや問い合わせは続き、先頃、その後の三篇を追加してUブックスとして再登場した作品です。

案の定、待ちかねていた読者、単行本を手に入れられなかった方々が殺到しているようです。また三篇追加というのも、単行本を持っている人に対しても「こっちも買っておこう」という気持ちが働いているようです。

こんな風に、ここへ来てちょっと文芸ジャンルに勢いが出て来ました。上に紹介した三作は十人十色ならぬ三冊三色、それぞれ同じ文芸ジャンルとはいえ、かなり傾向の異なる作品です。

それぞれがそれぞれに読者を獲得していて、こちらとしてはとても嬉しい限りです。

そしてまもなく『西欧の東』という新刊が発売になります。

これはブルガリア出身の作家の短篇集ですが、『黄泥街』や『マーティン・イーデン』のような、尖ったところはなく、実に読みやすい作品集です。

両書を読んだ後には、ホッと一息つけると言ったら誤解を招くかも知れませんが、ほのぼのするような作品が読みたいなあという方にはお薦めです。

いや、決してほのぼのという作品というわけではなく、ヨーロッパにおける東西分断だとか、そういった社会に翻弄される人々のささやかな営み、幸せが描かれているのです。

よくもまあ、これだけ短い期間に、バラエティー豊かな海外文学作品が連続して出ているものだと、自分の勤務先ながら感心してしまいます。

ひとまず完結?

対訳 フランス語で読む「カルメン」』は昨日が見本出しでしたので店頭に並ぶのは来週後半になると思います。

ところで「カルメン」と聞くと、薔薇を加えて「オーレー」と踊るイメージがあって、フランスではなくスペインの作品だと思っていました。

でも原作はフランスの作品なんですね。作品の舞台がスペインなのでそういうイメージが持たれやすいのでしょうか? って、ほとんどの人はフランスの作品だってご存じだったのでしょうか? あたしと同じようにスペインの作品だと思っていた人って多いのではないでしょうか?

というわけで、《対訳 フランス語で読む》シリーズはひとまずこの6冊で出揃ったことになります。すべてご購入いただいた方はいらっしゃいますでしょうか? ラインナップをおさらいしておきますと上の写真のようになります。

赤と黒』『ゴリオ爺さん』『レ・ミゼラブル』『恐るべき子どもたち』『ルパンの告白』そして『カルメン』です。フランス文学がお好きな方であれば、「あれはシリーズに入れないの?」「なんであれが入っていないんだ!」という意見もあるかと思いますが、ご寛恕ください。

なお、本シリーズはCD付の語学教材として刊行しているものですが、書店によっては海外文学の棚にあえて置いていただいているところもあります。それもアリですね!