デカルトです

ちくま学芸文庫から『デカルト入門講義』という新刊が出ました。同文庫書き下ろしのようです。デカルト哲学の全体像を俯瞰するための一冊のようです。

となると思い出されるのが、文庫クセジュの『デカルト』です。同書は

本書は、省察的熟考という隘路の向こうに遠望される〈無限なもの〉すなわち〈神〉の人間による知解可能性に依拠して、哲学史の産物である〈カルテジアニズム〉という従来のデカルト理解を破砕し、その多面的な哲学の全体像を豊富な引用文とともに新たに鳥瞰かつ虫瞰する。懇切丁寧な訳注を付す。

という内容です。是非併せて読んでいただきたいペアです。ついでにUブックスの『方法叙説』もどうぞ!

翻訳が異なります!

海外文学のシリーズ《エクス・リブリス》の最新刊は『郝景芳短篇集』です。

郝景芳て誰? という方がほとんどかもしれませんが、早川書房のヒット商品『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』の表題作「折りたたみ北京」の著者です。

『折りたたみ北京』はさまざまな中華SF作品のオムニバスで、ケン・リュウの英訳から翻訳したものですが、今回の『郝景芳短篇集』は郝景芳の短篇のみで構成されていて、なおかつ中国語原文からの邦訳になります。収録作品は「北京折りたたみの都市」「弦の調べ」「繁華を慕って」「生死のはざま」「山奥の廃療院」「孤独な病室」「先延ばし症候群」の7作です。

ちなみに、カバー装画はきたしまたくや、郝景芳はハオ・ジンファンと読みます。

是非是非お隣に……

集英社新書から『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』が刊行になります。今日が発売日だったと思います。

で、著者の名前に注目です。

はい、中川裕さんです。『ゴールデンカムイ』の監修もされている斯界の第一人者です。

そんな中川さんの著作が、上の写真の『ニューエクスプレス アイヌ語』です。コミックやTVアニメの影響で「アイヌ語に触れてみたい」という需要が高まっていまして、本書も売れに売れています。

コミックの隣に語学書? 新書と語学書を一緒に並べるの? と疑問に思われる方も多いかと思いますが、騙されたと思って、一冊だけでもよいですから並べてみてもらえませんか?

この春、都会へ上京してくる女性たちへ

 

《エクス・リブリス》シリーズの中に『ブルックリン』という作品があります。映画にもなりました。映画の方は、アカデミー賞にノミネートもされていたはずです。

ストーリーは、アイルランドの片田舎から大都会ニューヨークのブルックリンにやって来た少女が、そこで働き、恋をし、都会に揉まれながら、少しずつ大人へと成長していくという、こんな風にまとめてしまうとありきたりと思われてしまいそうですが、それでもとてもよい作品です。

この時季は田舎から東京や大阪などへ出て来た女性も多いと思いますので、こんな作品は如何でしょうか?

「翻訳」三姉妹?

新刊『翻訳 訳すことのストラテジー』が店頭に並び始めたところだと思います。で、翻訳に関する書籍って他にもあったのでご紹介します。

まずは文庫クセジュの『翻訳 その歴史・理論・展望』、もう一点は単行本ですが、『翻訳のダイナミズム 時代と文化を貫く知の運動』です。

翻訳という仕事に携わる人だけでなく、外国語に興味がある方にもお勧めの三冊です。

例文で覚えてください!

例文で覚える フランス基本単語2600』が本日、見本出しです。

既に『例文で覚えるフランス語熟語集』を刊行していますので、これで単語と熟語が揃ったことになります。

別に姉妹篇を意識したわけではありませんので、装丁は揃えたりしていませんが、できることなら2冊セットでご愛顧いただければ幸いです。

関東編3巻、関西編2巻!

本日見本出しの『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関西2』で、このシリーズもひとまず完結です。

関東編が3冊、関西編が2冊です。

読者からは当然のことながら、「他の地域も出して!」という声があるのは承知しています。名古屋の名鉄や福岡の西鉄なども大きな私鉄ですし、地方ごとにそれぞれ特色や風情のある、地元で愛されている鉄道があるのも知っています。

いつかまた、そのあたりをまとめて出せる日が来ることを信じて……

今年は百周年

日本とフィンランドの外交関係樹立から今年で百年なんだそうです。

あたしの勤務先、海外文学はたくさん出しているのですが、フィンランドの作品はないんです。ただ、フィンランド語の参考書はご覧のように何冊か出しておりまして、いずれも好評なんです。

フィンランド語、そしてフィンランドって日本では思いほのか人気なんですね。やはりムーミンの影響でしょうか?

フランス人ではない?

中公新書『ナポレオン四代 二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち』を読み始めました。ナポレオンに関する本というのは、それこそ掃いて捨てるほどありますが、それに引き換えナポレオン三世に関する本は思いのほか少ないものです。かなり興味深い人物のようなのですが……

しかし、世界史などでナポレオン三世が出て来たときに、「あれ、二世は?」と思ったことはないでしょうか? あたしは思いました。そして調べたりはしなかったのですが、なんとなく「二世はどこへ行っちゃったんだろう?」とは思っていました。

そんなことを思っていたら本書が出たので、すぐに買ってみたというわけです。ちなみに本場フランスの文庫クセジュでは『ナポレオン三世』『ナポレオンの生涯(現在品切)』『ナポレオン』といったところが刊行されています。やはりナポレオンですから、フランスではどう描かれているのかが気になるところではないでしょうか?

そんなナポレオンですが、フランス人ではないんですね。イタリア系でコルシカ島からフランス本国へ渡ってきた人なんです。ですから、若いころは訛りをバカにされていたようです。日本ではフランスを代表する歴史上の人物と言えば真っ先に名前が挙がるナポレオンですが、生粋のフランス人ではなかったというのが意外です。

ミニチュアの次は!

先程のダイアリーで、3月2日がミニチュアの日だから『ミニチュアの妻』は如何でしょうか、と書きましたが、今秋の金曜日、3月8日は国際女性デーだそうです。

ということで、こんどはこちら、『ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集』をお薦めします。ただ、女性デーだからと言ってあまりフェミニズム寄りになってしまうと、ちょっと引かれてしまう面もあるようなので、女性が主人公であるとか、女性の悩みを扱ったような作品を並べてみるのもよいかもしれません。

となると、『ここにいる』『冬将軍が来た夏』『海峡を渡る幽霊 李昂短篇集』といったアジアもの、欧米の作品なら『不機嫌な女たち キャサリン・マンスフィールド傑作短篇集』『生まれるためのガイドブック』『女がいる (エクス・リブリス)』『ブルックリン』『悲しみを聴く石』なども並べてみるのも一興です。

個人的には、これらの作品も面白いと思いますが、『おだまり、ローズ 子爵夫人付きメイドの回想』は言うまでもなく大ヒット作品ですので外せないでしょう。そして『木に登る王 三つの中篇小説』の中の最初の作品「復讐」がとても怖くて、でも読まずにはいられない作品だと思っています。

というわけで、単行本に絞りましたが、新書判のUブックスなどから選ぶなら、ジャネット・ウィンターソンの『さくらんぼの性は』『オレンジだけが果物じゃない』『灯台守の話』などは如何でしょう?