定期的なメンテナンスが大事

明日、配本予定の新刊『中国語検定対策2級問題集』で、とりあえず中国語の検定対策本3冊はすべて改訂版に切り替わります。

最初は、こんな装丁で4級から2級までを刊行しました。

その後最初に4級が改訂版になりました。

続いて3級も改訂版に切り替わりました。

そして、このたび2級が改訂版になって、ひとまず完了です。

この手の本は、どんなに売れていても定期的に改訂を行なわないと、すぐに売れ行きに響きます。次は数年後に「三訂版」でしょうか?

棚作りについて偉そうなことを言えた身分ではありませんが……

先週後半の研修旅行については、既にこのダイアリーに書きましたが、個人的に目に付いたところなどを、まだ書いていないことを反省を交えつつ書きたいと思います。

旅程に従って、まずは初日から。

朝、羽田を発ち、昼食の後に北海道立文学館で研修会。札幌南高校の司書、成田康子先生に講演をしていただきました。非常に新鮮かつ刺激的、いろいろと考えさせる内容を含んでいました。この研修についてはいずれ『人文会ニュース』に報告が載るのではないかと思います。

その後は書店訪問。最初に向かったのはコーチャンフォーのミュンヘン大橋店です。

 

ご覧のように、手前の平台がそれほど広くないので、目の高さから上の棚は面陳になっています。これがかなり壮観です。こういった専門書コーナーの場合、面陳を増やすとアイテム数が減ってしまうという問題がありますが、そもそもこちらのお店は広いので、アイテム数が決して少ないということはないでしょう。また市街中心部の紀伊國屋書店やMARUZEN&ジュンク堂書店に比べると客層も若いので、あまり堅い物を並べすぎるよりは、面陳を増やして手に取りやすくしているものと思われます。

上の写真は同店の語学書コーナーです。ここも面陳を増やしています。語学書の場合、表紙にその本の特徴などが書かれていることが多いので、こういう展示だと読者にも探しやすくなるのではないでしょうか? 全体として、このチェーンの特徴である白い什器がすっきりとした印象を与えてくれています。

続いては向かったのは大通にあるMARUZEN&ジュンク堂書店札幌店と紀伊國屋書店札幌本店で、初日は以上で終了です。晩は札幌の書店の方を招いての懇親会でした。

二日目は、紀伊國屋書店の営業所を訪ねた後、北海道大学生協クラーク店を訪問しました。あたしは新築なって以降初めての訪問となりました。お店の方の話では以前より少し小さくなったそうですが、以前の大きさが既に思い出せなくなっているので、広々としてきれいな店内にしっかり陳列された書籍に、北海道ナンバーワンの大学の矜持を感じました。それに、とにかく構内がきれいです。学ぶのに最高の環境ではないでしょうか?

さて、その後向かったのは三省堂書店です。人文系の棚などは前のダイアリーに書きましたので、ここではあたしの勤務先とも縁の深い語学書のコーナーをご紹介します。

ご覧のように、あたしの勤務先のナンバーワン学参にポップを付けていただいています。これはお店の方の手作りのようですね。こちらで作成した覚えがありませんから(笑)。

そして、このポップだけでなく、こちらの語学書コーナーには主要な語学書にはこのようなポップがたくさん貼られていました。上の写真はそんなポップのすべてを収められなかったので、韓国語のコーナーを撮ってみたものです。なかなかイラストの才能溢れる担当さんですね。これだけやっていただけると出版社としても嬉しいものです。

二日目は、この後、駅ビル内の弘栄堂書店を見学し、昼食を取った後またも空路で青森へ向かいました。青森空港からはバスで一路、二日目の宿泊地である浅虫温泉へ向かいました。浅虫温泉ではわれわれだけでの宴会、大いに盛り上がりました。

そして三日目、最終日です。浅虫温泉を発ち、バスに揺られること約2時間、八戸ブックセンターが最初の見学地です。

 

ここは図書館でもなく書店でもない、不思議な空間です。一見すると、提案型のセレクトブックストアです。いわゆる代官山蔦屋とか、かつての松丸本舗のようなものです。ただ規模がもっと小さいので、それがあたし的には功を奏していると思うのですが、非常に見やすい棚でした。上の写真は、左が海外文学、右が人文の棚です。

上の写真は八戸ブックセンターの方に、同センターについて説明をしていただいたときに見たスライドのひとこまです。メインのフェアコーナーは定期的にテーマを変えて入れ替えるので返品も発生するとのことですが、上掲の文脈棚は原則として返品はせず売りきりという方針だそうです。

また、客注は受けず、リクエストが合った場合は市内の書店に注文するように誘導しているそうです。このあたりが市が運営する施設の、微妙な立ち位置なのでしょう。それでも、われわれが見学をさせていただいているうちに開館時間が来ましたが、待っていたように入ってくる方が何名かいました。市街地に位置するとはいえ、知名度はまだまだとスタッフの方は言っていましたが、徐々に知られるようになってきたのではないでしょうか?

八戸ブックセンターを見学した後は新幹線に乗り帰京と思いきや、仙台で途中下車して、丸善の仙台アエル店、ジュンク堂書店の仙台TR店、そして東北大学生協文系書籍店を見学し、研修旅行の全行程終了です。

東北大学生協から仙台駅へ戻ってきて、新幹線までの時間、小一時間ほどでしたが、おみやげ購入時間のようなものがあって、あたしは駅ビル内にあるくまざわ書店を訪問してきました。駅ビル、新幹線乗り口と同じフロアということもあり賑わっていましたし、コミックや雑誌ばかりではなく、堅めの本もあえて並べている書店でした。

さて最後は書店とも、今回の研修旅行とも関係ないのですが……

浅虫温泉で泊まったホテルのトイレに貼ってありました。実は、あたしの勤務先のトイレにも同じようなことが書かれているのですが、見るたびに思ってしまうんですよね。「トイレットペーパー以外」は流してはいけないってことは、大小便はどうなるのだろうか、って。もちろん揚げ足取りだということはわかっているのですが……。だったら、どう表現すればよいのだろうかと考えています(笑)。

職業柄、気になって気になって仕方がないのです

お陰様で、『日本の夜の公共圏』が絶好調です。だからというわけではありませんが、否、だからなんですが、やはりスナックという存在が気になります。

ご多分に漏れず、浅虫温泉で泊まったホテル館内にスナックがありました。もちろん宴会の後の二次会はそこが会場です。

さて、翌朝、ホテルの近所を散歩していましたら、ホテルからほど近いところにこんな建物が!

いかにも、という看板の掛かったスナックです。

別の角度から撮ったのが上の写真ですが、どうやらこちらが正面のようですね(汗)。しかし、周囲に民家はあまり見当たりませんから、浅虫温泉の旅館やホテルの宿泊客が主なお客なのではないかと思われます。

しかし、そうなると、地域コミュニティーの核としてのスナックの役割を説いた、あたしの勤務先の刊行物の立場はどうなってしまうのでしょう? ホテル内にせよ、これにせよ、地域コミュニティーがどの程度、この浅虫温泉にあるのか……

ただ、そこに集った人たちのコミュニティーの核としての機能は十二分に堪能できました(笑)。

ちなみに、八戸ブックセンターのすぐお隣にも、上の写真のようにスナックがありました。こちらなどは、街の比較的中心部、繁華な場所にあるので、地域社会のコミュニティーの核としての機能を担っているのではないかと思われます。

以上、上っ面をなめただけのレポートでした(汗)。

晶文社とふたたび、みたび?

晶文社の新刊『ギリシャ語の時間』、ほぼほぼ読み終わるところです。

タイトルだけですと、「語学エッセイ?」という感じの本ですがガイブンです、韓国文学です。晶文社がこのほどスタートさせた韓国文学のシリーズ《韓国文学のオクリモノ》の記念すべき第一冊目です。

主人公は、あることがきっかけで言葉を話せなくなった女性と、彼女が通う古典ギリシア語スクールの男性教師です。この教師は視力が徐々に失われていく病気を抱えていて、それがかなり進行していて失明寸前の状況です。

そんな二人の、これは大人のプラトニックラブなのでしょうか? あとちょっとで読み終わりますが、結末が楽しみです。

そんな本書には、ところどころギリシア語が引用されています。ギリシア語が読めなくてもストーリーに何ら問題はありませんが、読めた方がより味わえるのも確かです。そんな、本書をきっかけに古典ギリシア語に興味を持たれた方には『古典ギリシア語のしくみ』がお薦めです。

スラスラ読める、新書のような語学入門書《言葉のしくみ》シリーズの一冊です。本格的に古典ギリシア語を学ぼうというほどではないけれど、ちょっとはかじってみたいという方に、このシリーズは非常にピッタリです。

一見すると海外文芸らしくない文芸書と、語学書らしくない語学書の組み合わせ、なんかちょうどお似合いな気がします。

なお、『ギリシャ語の時間』には、主人公の女性と一緒に古典ギリシア語の授業を受けている生徒が何人か出て来ます。その中の一人、大学院生はギリシア語をマスターし、ギリシアへ留学して古代医学を勉強するのだそうです。

そのシーン(P.100-P.101)にガレノスの名が出てきます。ちょうど今月下旬に『ガレノス』という本が、あたしの勤務先から刊行されるところです。なにやら、妙なシンクロが晶文社と続いていますが、興味のある方はこちらも是非どうぞ!

晶文社と? 藤原書店と?

晶文社のこんな新刊を目睹。

 

モラルハラスメント』です。実はあたしの勤務先にも同じタイトルの本があります。文庫クセジュの『モラル・ハラスメント』です。前者は「あなたを縛る見えない鎖」というサブタイトルからもわかるように「脱出法」を説くのが主のようです。ウェブサイトには

互いに親密だった関係が、恐るべき支配・被支配の関係に転化する。監視、脅迫、ストーカー行為、セックスの強要、虐待など、アメリカにおけるモラルハラスメントの事例を紹介するとともに、そこからの脱出方法を詳しく解説。LGBTカップル間のモラハラや、ティーンエイジャーにおけるモラハラ、ネットを使ったハラスメントの実態も! なぜモラハラは起きるのか? どうして関係を続けてしまうのか? どうしたら関係を終わらせることができるのか? モラルハラスメントの罠から自由になるための決定版指南書!

とあります。一方の後者は「職場におけるみえない暴力」がサブタイトル。職場でのモラハラを主としている本です。同じくウェブサイトでは

職場でのいじめ問題は、当事者間の問題として位置づけられ、社会的な規制が等閑視されている。コミュニケーションやメンタルヘルスの問題として扱うことが、労働条件の問題や労使関係の問題に位置づける視点を曖昧にし、職場のいじめ行為自体が労働者の人格権や自由への侵害であることを見逃してしまう。その背景には、この問題が正しい処方を欠き、有効な規制制度と救済制度を社会的に確立しないまま、個人の心がけや個人的責務の問題にすり替わっているからである。本書では、職場のいじめをモラル・ハラスメントとして位置づけ、実効的な規制制度と救済制度の確立を提唱する。諸外国での取り組みを紹介しつつ、職場のいじめ問題について解説。日本の現状についても言及している。

と紹介されています。どちらも「見えない」という言葉がサブタイトルに使われているところにモラル・ハラスメントの鍵があるように思えます。

続いて書店で目に付いた新刊は、藤原書店の『改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』』です。こちらも間もなくですが、あたしの勤務先から『サミュエル・ベケット』という本が出ます。ベケット入門という感じのもので、Uブックスですから大きさもお値段も手に取りやすいと思います。

ただ、あたしの勤務先はそれ以外にもベケット関連書は少なからず出しています。が、ここは同じUブックスの『ゴドーを待ちながら』をお薦めするのに留めておきましょう。

お笑いやるならこれを読め?

先頃放送された「キングオブコント」の勝者のネタが面白かったのか否か、ネット上で話題になっているようです。

あたしは最近のお笑いはサッパリで、何が面白いのかわからないことの方が多く、かつての漫才ブームのころもテレビでよくやっていたので笑いながら見てはいましたが、決してお笑いが好きだったというわけではなかったです。

で、最近のお笑いコンビですが、こういう本を読んでいるのでしょうか?

別役実のコント教室』です。「笑い」は瞬発力なのかも知れませんが、やはりこういう理屈も大事だと思います。

存在感が足りない? なら、どうする?

下の写真はご存じ、諸外国語の入門書シリーズ、《ニューエクスプレス》です。

数十年前に《エクスプレス》を刊行したころは四六判、音源は別売りのカセットテープでした。その後、別売りのCDが発売されるようになりましたが、あっという間に、はじめからCDが付属の《CDエクスプレス》シリーズに取って代わられました。

《CDエクスプレス》はCD付きになったので、《エクスプレス》の四六判からA5判に少し大きくなりました。《エクスプレス》が順次《CDエクスプレス》に切り替わっていく中で、そろそろシリーズ自体もリニューアルしようということになり、数年前、いや、もう十年は経つでしょうか、とにかくリニューアルされて刊行をスタートしたのが、この《ニューエクスプレス》です。

お陰様でこんなに揃いました、最近も「インドネシア語」が刊行になり、年内には「アイスランド語」も刊行予定です。CD付きの語学入門書シリーズとして、その歴史、ラインナップしている言語の幅広さから、語学学習者のみならず、語学マニアの方にまで広く支持をいただいているシリーズです。

一応、フランス語やドイツ語、中国語といったメジャーな言語もラインナップされてはいますが、マイナーになればなるほどコアな読者、学習者の支持が高いのもこのシリーズの特徴です。「●●語はまだですか?」といった問い合わせや、読者カードに「●●語の刊行希望」といったリクエストまで、正直なところ「いったい地球上のどこで話されている言葉なんだろう?」という言葉の需要、希望が寄せられます。

ところで刊行している言語でははるかに負けていますが、《ニューエクスプレス》には、こんな姉妹シリーズがあるのをご存じでしょうか?

《ニューエクスプレス単語集》です。辞書を作るのはこの時代なかなか大変ですが、やはりちょっとしたものは欲しい、という声に応え、ミニ辞典的な要素を持たせた単語集のシリーズです。《ニューエクスプレス》には、どれも巻末に単語集が付いていますが、それをもう少し拡充し、なおかつ新書サイズのコンパクトな判型にしたものです。

ご覧のようにと言っても背だけではわかりにくいかも知れませんが、《ニューエクスプレス》と装丁も揃えてあります。ですから、書店語の語学の棚で《ニューエクスプレス》の近くに並んでいるはずなのですが、判型が小さいためかあまり目立っていないようです。

目立たなければ売れません。せっかく《ニューエクスプレス》というヒットシリーズの名を冠しているのに、これはもったいない限りです。目立たないだけではなく、あまりその存在が知られていないようでもあります。知られていなければ売れませんし、書店の方も置いてみようと思いつくはずがありません。

うーん、これはやはりわれわれの営業力の問題でしょうか? 《ニューエクスプレス》並にラインナップが増えてくればよいのでしょうか? 確かにそうなれば、書店の棚でも一定の存在感を示せますよね。ただ、それだけの問題なのかどうか……

個人的には書名を「単語集」ではなく「ミニ辞典」とした方がよかったかな、という気もしています。やはり語学の世界では単語集は辞典よりも一段低く見られがちです。「単語集なら買わないけど、辞典なら買っておくか」という方も一定数はいると思います。

とはいえ、こればっかりはやってみないとわかりませんし、いまさら書名を変えて出し直すというわけにもいきませんし、とにかくこれを売っていくしかない、否、それ以前に世間に存在をアピールして浸透させなければ!

出荷間違いではなく受注間違いだった、かもしれない?

ちょっと前のことです。

書店から客注品の、こんな電話がありました。

えーっと、ローズベルなんとかって本、出てませんか?

あっ、『ローズ・ベルタン』ですね。はい、弊社で出しております。

では、それを一冊お願いします。

ありがとうございます。では番線をお願いします。

というようなやりとりをし、無事に受注して、もうとっくに出荷されているはず。あるいは今ごろ、お店に入荷しているのかも知れません。

が、最近になって、ハタと思ったのです。

あの電話でお客さんが欲しかったのは『ローズ・ベルタン』ではなく、新刊の『ローズヴェルトとスターリン(上)』『ローズヴェルトとスターリン(下)』ではなかったのか、と。

お店の人もお客さんから聞いた書名を正確に覚えて電話をくれたのかわかりません。最初の電話の言い方からすると「ローズなんとか」くらいの記憶だったのかも知れません。

となると、少し前の本である『ローズ・ベルタン』を注文したのではなく、最近出たばかりの『ローズヴェルトとスターリン』を注文した可能性が高いなあと思うのです。前者が、メディアで最近になって改めて紹介されたという情報は入ってきていませんが、後者なら新聞などの広告で見た、という可能性が高いからです。

うーん、どっちだったのでしょう? 今のところ、書店から「間違った商品が入荷しました」という連絡は来ていないようですが……

どちらも読みたくなる?

幻戯書房の新刊『ことばだけでは伝わらない』は西江雅之さんのエッセイ。サブタイトルは「コミュニケーションの文化人類学」です。

 

同社のサイトには

「見た目」や「伝え方」だけではない7つの要素。「伝え合い」という考え方で、言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)の働きを総合的に捉える。世界各地の言語に親しんだ文化人類学者による、本質的なコミュニケーション論。

とあります。一方、あたしの勤務先から出ている『新「ことば」の課外授業』は

身近すぎて本当はよく知らない「ことば」の世界。言語の数やバイリンガル、動物のことばや翻訳など、さまざまな言語や文化に触れた著者がことばについてやさしく愉快に語りかける。

とあります。どちらも四六判の並製、言葉にこだわったエッセイです。一方を読んだらもう一方が読みたくなること必至。書店店頭でもぜひ併売をお願いします。

性と食? 食と性?

先日も朝日新聞の読書欄で取り上げられていた『性食考』、あたしも寝床で読んでいます。

で、今朝の朝日新聞に著者インタビューかと思いきや、これはこれで別の方。

しかし、食と性というのは、現在のトレンドなのでしょうか?

となると、あたしの勤務先から出ている『食べてはいけない!』も再び脚光を浴びるでしょうか?

世界は食べものであふれている。でも、ひとによって食べてはいけないものもある。食にまつわる世界のタブーを、写真家として多くの味に触れた著者が語る、空腹感いっぱいの一冊。

ウェブサイトによる内容紹介は上掲のようなもの。一緒に並べてもおかしくはないのではないか、そんな気がしてきました。