南禅寺は湯豆腐で、永平寺は胡麻豆腐

北陸研修旅行。今回は書店だけでなく、それ以外のところを訪問したのも特徴的だと思います。ちなみに下の動画は新高岡駅を通過する、上りの北陸新幹線です。

閑話休題。

今回の特徴的な訪問先の一つが金沢海みらい図書館です。図書館として特徴的なところはその外観、そして個人的に非常に面白く見学したのは「日本海情報コーナー」です。その那の通り、日本海をキーワードとして本を集めているコーナーなので、本来なら通常の書架に並んでいそうな海外文学も、中国や韓国ロシアのものはここに並んでいました。その他、同様に中国史やロシア史などもあり、なんて言うのでしょう、書店に例えてみると、「環日本海フェア」を大々的に常設でやっているという感じです。

そして先のダイアリーにも書いた西田幾多郎記念哲学館。ウェブサイトでは立派に書いているけど実際に行ってみたらこじんまりとして見るところは何もない、というような施設もしばしばある中、ここは一見の価値はあると思います。特に西田哲学に興味がある人なら一日楽しめるのではないでしょうか?

さあ、そして、そして三日目の午前中に訪問したのが永平寺です。あたし的には、今回の研修旅行のハイライトです。写真はかなりの箇所で取り放題でしたので、以下にいくつかご紹介します。

下の写真は山門の内部(天井)、そして山門から見た鐘楼堂です。

 

下の写真は仏殿と仏殿前の庭です。

 

下の写真は、記憶が正しければ仏殿の内部です。釈迦牟尼が祀られているとのことです。

次は、法堂の内部です。これで「はっとう」と読むそうです。そして法堂前の紅葉。境内でもっとも高い位置ということで、山門付近よりも紅葉が進んでいました。グラデーションが美しかったです。

 

次の写真は傘松閣の天井です。

 

下の写真は参拝客入り口を出たところの脇、鐘楼堂の方へ向かう境内です。

 

下の写真は、最初の写真の少し離れたところにあったものです。

とまあ、駆け足で、ほんの一時間ほどの参拝でしたので、とてもあたしの煩悩が払えたとは思えませんが、それでも少しは心が洗われたような気がします。

幾多郎は幾太郎だったのです

今回の研修旅行の行程に石川県西田幾多郎記念哲学館の見学というのがありました。なんとなく今日とのイメージが強い西田幾多郎は、てっきり京都生まれかと思っていましたが、実は石川県の生まれなのです。その故郷にあるのがこの哲学館。記念館だけではなく、哲学の啓蒙普及活動もしている施設です。

西田幾多郎の生涯を振り返るような展示と哲学に親しんでもらおうというコーナーがあり、また上の写真のような図書室もあり、西田哲学以外、広く哲学・思想関係の書籍を置いてあります。

上の写真が建物全景です。安藤忠雄の作品だそうですが、それが西田哲学とマッチしているのか否か、あたしにはよくわかりません。

建物の入り口前に会った看板というか石碑です。館名と入園児館や料金が書いてあります。割と安いと思いますが、だからといってつまらない哲学館ではありませんでした。むしろ、こんなに安くていいの、と思えるくらい面白い展示が盛りだくさんでした。

敷地内には、上の写真のように京都から移築したという西田邸の書斎もあり、中には蔵書がそのまま置いてあるそうです。残念ながら、当日は燻蒸中で見学はできませんでした、残念。

で、ダイアリーのタイトルですが、西田には憑次郎という弟がいました。西田幾多郎は長年ですから、普通に考えると名前は「幾太郎」になるのだと思いますが、皆さんご存じのように「幾多郎」と書きます。

しかし、今回の展示を見ていて気づいたのですが、小学校の時の表彰状では確かに「幾太郎」と書いてありました。そして小学校の卒業証書になると「幾多郎」という表記に変わっているのです。「幾太郎」が正しかったのか、間違いなのか、あるいは小学生時代に表記を変更したのか。だとしたら、どういう理由で? 学芸員の方に聞きそびれてしまったのが残念ですが、特にその点に触れた展示や解説はなかったです。

まずはザッと振り返ります

今年も人文会の研修旅行が行なわれました。水曜日から昨日までの二泊三日。北陸三県を回ってきました。ザッと下の図のような感じです。

富山から高岡、金沢、福井という北陸の旅ならよくあるパターンの行程でした。

上の写真は富山駅前にある清明堂マリエ店の店先。一番のメインのコーナーになりますが、その一番下に『鉱山のビッグバンド』が並んでいます。やはりご当地もの。ありがたいことです。

上の写真は同じく富山の紀伊國屋書店。世界史コーナーの平台です。上下本が多いからでしょうか、あたしの勤務先の刊行物の占有率がかなり高めです(汗)。結果を残せているのであればよいのですが……

最後が、こちらも富山。富山大学生協です。ちょうど河出書房新社の創業130周年フェアを開催中でした。ふだんあまり置いてないものばかりなので、ちょこちょこ売れていっているとのことです。

と、写真は富山ばかりですが、金沢では香林坊へ移ったうつのみや、福井では昨年に引き続きのSuperKaBoS新二の宮店など、駆け足で回るとなかなか寄れないお店にも顔を出すことができました。昨年に続いてなので、顔を覚えている書店員さんも多く、なんとなくホームのような感じで巡ることができました。

最後に上の動画は金沢ビーンズ明文堂書店のガイブンの棚。ご覧のように、かなりの蔵書量を誇っています。個人的には、原著者名の五十音順に並んでいるのを、国別に並べてもらえたらなあ、と感じますが、日本作家は五十音順並びが普通なので、国内も海外もあまり考えない読者にはこれがスタンダードなのでしょうか?