再び、手書きポップ効果

以前、紀伊國屋書店新宿本店の語学書売り場で担当の方が手書きのポップで盛り上げてくれているということを書きました(当時のダイアリー)。その後、いろいろと新刊が刊行されていますので、ポップも変遷を経ております。

いくつか、あたしの勤務先の商品を取り上げてくださっていたので、またご紹介いたします。

 

まずはドイツ語、『中級ドイツ語会話ハンドブック』です。

ご覧のようによく売れていて在庫が減り、かなり奥まってしまっています(笑)。

 

次にイタリア語の辞典。『プリーモ伊和辞典』です。「No.1」と謳われております!

ただ同書は現在品切れで、増刷は12月中旬出来予定です。しかし、同店はこのようにまだ在庫しています。早く入手したい方は新宿へ!

 

最後はスペイン語。『現代スペイン語辞典』です。なんと『クラウン西和辞典』との比較広告ならぬ、比較ポップです。こういうのは読者の立場に立った心遣いですね。

萬歳楽をようやく賞味!

少々時間がたってしまいましたが、先日の北陸研修旅行で購入した日本酒です。

金沢の萬歳楽というお酒です。小瓶のものが売っていたので二つほど買ってみました。左が「純米大吟醸」、右が「大吟醸古酒」です。どちらも飲みやすい、美味しいお酒でした。キリッとした味わいでした。

もう一つは金箔入りのお酒「金華」です。こちらはこれから賞味いたします(笑)。金箔もきれいですが、瓶もスタイリッシュですよね?

で、三つまとめて並べると、こんな感じです。

あたしの記憶が間違っていなければ、萬歳楽のラベル文字を恩師の小松茂美先生が書かれたことがあったとか。そんなこともあって、金沢に行ったからには是非とも萬歳楽を買ってみたいと思っていました。案外簡単に金沢駅のおみやげコーナーで買えたのでラッキーでした。

文学の魔術師!

この記事の閲覧にはパスワードが必要です。閲覧希望の方は「ナンシーへの伝言」からどうぞ。
ただしお会いしたことのない方、存じ上げない方は、お断わりいたしますのでご了承ください。



ビジュアル版ですよ!

紀伊國屋書店のTwitterにこんな記事がありました。

勉誠出版の『世界神話伝説大事典』が売れているようです。とはいえ、この本、本体価格25000円もする本ですよ! すごいですね。

となると、今月末刊行予定『カラー版 神のかたち図鑑』も期待できるのではないでしょうか? もちろん前著『神の文化史事典』もお忘れなく!

中国農民の生き様

出版社の特権、閻連科の新刊『年月日』を読みました。ゲラでは既に読んでいたのですが、今回本の形になり、初めて著者による「日本の読者へ」と「訳者あとがき」を読みました。

順序は逆になりますが、「訳者あとがき」によると、本書は同じく閻連科の『父を想う』と重なる部分が多いとのこと。

今年刊行された閻連科の散文集『父を想う』(飯塚容訳、河出書房新社、二〇一六年)には、農民だった彼の父親の姿が描かれています。…(中略)…この姿はまさに先じいです。またその少し前にこんな描写があります。…(中略)…この子どものころの閻連科は、まるで先じいのそばをついて回るメナシのようです。(本書150頁)

これまで閻連科というと「発禁作家」「反体制派」的な見方がほとんどだったと想いますが、本書に関して言えばそんなところは感じられず、素朴で温かさ溢れる作品に仕上がっています。そして、来る12日には、その閻連科氏と『父を想う』の訳者・飯塚容さんのトークイベントが予定されています。この「訳者あとがき」はトークイベントが決まる前に書かれていたはずですが、いみじくも、トークイベントに対する訳者・谷川氏からのエールというか、テーマ設定のようにも感じられます。

またこの「訳者あとがき」にも書いてありますが、この作品は『愉楽』とはまるで異なるテイストではあるのですが、舞台が同じ地区ということもあり、その後日談のようにも読めます。レーニンの遺体購入計画を巡る雑伎団で翻弄された村人たちが、もうあんなふうに金に踊らされるのはまっぴらだ、百姓は百姓らしく土にまみれて実直に働こうじゃないか、と決意して数年、ようやく平穏が訪れたと思った村を大飢饉が襲う。生き抜くために村を捨て町へ働き口を求めに行く村人たち。しかし、自分の畑にたった一本生えてきたトウモロコシを見つけ、村に残ることにした先じいさん。盲目の飼い犬と共に、このトウモロコシを無事に実らせ、来年村人たちが戻ってきたときに植える種とするために、食べるものも飲むものもなくなった村で必死のサバイバルを繰り広げます。しかし、わずかに見つけた食べ物をネズミに狙われ、ようやく見つけた泉には恐ろしいオオカミが待ち受けていて……

それでもなんとかトウモロコシを必死に守り育てる一人と一匹。いや、すでに先じいさんの気持ちとしては盲目の犬は犬ではなく息子です。表4オビの文小は思わず涙を誘われます。そんな先じいさんと盲目の犬、二人はトウモロコシを実らすことができるのか? そして村人たちが帰ってくるとき、二人は笑って村人を迎えることができたのか? それは本書をお読みください。

さて、閻連科氏による「日本の読者へ」には

「へえ、こんな小説も書く人だったんだ。こんな小説を書くことができたんだ!」と感嘆のため息を漏らしてくださることを願っています。たった一人でも、ほんの数人の読者のため息でも、私にとってはそれが最高で最大の褒賞です。(本書146頁)

とあります。今回、本書の刊行に合わせて閻連科氏が来日し、国内数か所でシンポジウムに参加されます。それだけではなく新宿と渋谷の書店でトークイベントも開催されます。書店イベントは閻連科氏が日本の読者と接する機会を持ちたいという強い意向で実現しましたが、閻連科氏の希望どおり、「こんな小説を書くことができたんだ」と直接伝えられる好機です。

 

ただ、これまで邦訳された作品を読んでいると、農民に対する温かい眼差しは共通しています。この『年月日』は決して「こんな小説」ではないと、あたしには思えます。あえて言うならば、本書は現代版『大地』ではないか、そんなふうにも感じられます。

2016年11月4日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー