ちょっとずつ顔を出しています

書店へ行くと、その書店独自のフェアだったり、他の出版社のフェアだったり、いろいろと趣向を凝らしてやっているのを見るのは楽しいものです。あたしの勤務先とはまるっきり関係のないフェアもありますが、ふと見ると、あたしの勤務先の本も何気なく並んでいたりすることがあるので、「あら?」と驚かされたりしてしまいます。

今回は、最近見かけたものからいくつか……

まずは紀伊國屋書店新宿本店でやっていた河出書房新社の『ダーク・ドゥルーズ』を中心とした関連書フェアの小冊子。その選書リストに『演劇とその分身』が掲載されていました。

 

続いては、未來社の『キンダートランスポートの少女』が原作の映画「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」をベースとした「戦争と子どもたち」フェアの小冊子です。

この冊子には『ムシェ 小さな英雄の物語』と『死の都の風景』が載っていました。

  

戦争と子どもと聞くと、ベタですが、あたしは『火垂るの墓』を思い出してしまいますし、ヨーロッパ限定であれば『サラの鍵』などが思い出されます。

 

次の写真は中央公論新社が他社とコラボしているフェアの冊子で、これはあたしの勤務先は関係ありません。左は創業130周年どうしということで、河出書房新社との文庫フェアです。右は読書の秋だからでしょう、筑摩書房との新書フェアです。かつてはこの手のフェアって一社単独でやっていたものですが、いまではこのような大手出版社も他社とのコラボを積極的にやっているんですね。多分に書店側からの希望、要望もあるのでしょうが。

最後に写真はありませんが、ブックファースト新宿店「スタッフ22人が選ぶ2016年の172冊」フェアに『翻訳のダイナミズム』『アメリカの資本主義』『イーヴリン・ウォー傑作短篇集』の3冊を選んでいただきました。

  

数多ある出版社の、数多ある刊行物の中から172冊を選んだときに、3冊がエントリーしているというのは、なかなかの高確率ではないでしょうか? このフェアは11月28日から12月31日までです。

これは誤解を招く表現では? と密かに思ってしまうあたしでした

神保町交差点にほど近い、専門書の充実した本屋さん、信山社。

その信山社が破産したというニュース、昨日の朝の朝日新聞で知りました。お休みしているとは聞いていましたが、周辺からも今回の件については何の情報も、噂話も入ってこなかったので、あたしにとってはまさしく青天の霹靂、驚き以外の何ものでもありません。

で、各種ニュースでも伝えられていますが、多くの人が見ていそうなYahoo!のキャプチャーが上の画像です。

岩波の書籍扱い 信山社が破産

このように書いてあります。どうでしょう? 一般の方はそれほどこのニュースに興味を示さないのかも知れませんが、ここだけを見ると、まるで「岩波書店の本を取り扱っていたから倒産した」みたいな印象を与えませんでしょうか?

いや、信山社と言えば岩波の本、岩波の本と言えば信山社、というのはあたしなどからすると常識に近いものがありますから、そういう多少なりとも知っている人なら「岩波書店の本を多数取り扱っていることで知られた信山社が破産した」と解釈できるでしょうが、上に書いたような誤解を多くの人に与えてしまいそうな表現ですね。