1917年という年

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明治の思想家たち

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人と語り合う?

昨晩のトークイベント。

「大人の読書会」というのも話題の一つでした。

読んだ本について、好きな本について人と語り合うというのは自分にはない視点、着眼点が発見でき、とても愉しい場だと言います。果たして本当なのでしょうか?

あたしは昔から本が好きでしたけど、人と話しても意見が合いません。

いや、意見が合わないのは「自分にはない視点」として歓迎すべきことなのでしょうが、あたしの場合、ほぼ全員から「それはおかしい」とか、「そう思うのはおまえだけだ」と指摘され、愉しい思いを経験したことがありません。

所詮、他人に語っても理解してもらえない、だったら言うだけムダ、だと思います。

そんなことはない。おまえの伝え方はよくないのではないか、という考え方もあるでしょう。でも、一生懸命他人に伝えるための努力をする時間があるくらいなら、そんな手間をかけているのなら、一人で本を読んでいた方がよっぽどマシです。

そんな人、多いのではないでしょうか?

昨夜のように、人の話を聞いて面白く感じることはあります。でも、自分の考えを理解してもらえる自信もなければ、そんなことに時間をかけたいとも思いません。一方的に聞いているだけで、聴衆の一人で十分です。まさにネット世界のROMですね。

でも読書って、ある意味、著者の意見を一方的に聞くだけです。もちろんそこから自分でいろいろ考えることはあっても、それを著者にぶつける機会などほとんどありません。トークイベントや講演会を聞きに行くのも、行為としては同種なのではないか、そんな風に思います。

だから、あたしには読書会は無理です。

幸せな勘違い?

昨晩は神保町のチェッコリでトークイベントがありましたので行って来ました。イベントは《小さな本屋の先輩、大井実さんに聞く「小さな本屋だからできること」》で、福岡の書店、ブックスキューブリックの大井実さんを迎えて、最近上梓された『ローカルブックストアである』(晶文社)を中心としたお話でした。以下は、あたしなりのまとめです。

まずは枕として、聞き手であるチェッコリの佐々木さんが簡単にチェッコリというお店の紹介。

韓国専門の本屋としてオープンして一年半、イベントも精力的に開催してきて既に150本もこなしてきたそうです。韓国関連のイベントが中心ではあるものの、本に関するイベントも今回のようにやってきたし、やっていきたいとのこと。韓国では「本、本屋に関する本」への関心が高く、大井さんの著書も既に韓国版の出版オファーが数社から来ているとのこと。

韓国は日本以上の受験戦争、競争社会であり、そこからドロップアウトしてしまう若者が多く、彼らが独立系の小さな商売を起業することが多いそうで、そんな業種の一つとして本屋も増えていて、そういうことから「本、本屋に関する本」の需要があるのだとか。既に何冊も日本のそういった本が韓国語訳されて出版されているそうです。

続いて大井さんの簡単な自己紹介と経歴を紹介。親が転勤族で各地を転々としたことが、人とコミュニケーションを取る能力とか、初めてのところにも怯むことなく飛び込んでいける性格を培ったのではないかとの自己分析。奥様との出会いをきっかけに多感な時期を過ごした福岡に戻って本屋を始めることになったそうです。ちなみに、奥様はインテリアデザイナーで、本屋の内装を担当されたとか。その大井さん曰く、

結婚は勘違い、それも幸せな勘違い

なんだそうです。

店作りのこだわりとして、聞き手の佐々木さんが3点ほど挙げていましたが、その一つめが奥様の職業とも関連する内装だったそうです。居心地のよい店を作りたい、蛍光とは使わない(白熱灯にする)、床は木、棚もスチールはイヤ、といった点にこだわって業者とさまざまなやりとりをして作り上げたそうです。

こだわりの二つめは選書。

開店まで4年くらいの準備期間があったので、本を特集した雑誌を読みあさって、いろいろな人のいろいろな事例を頭にたたき込んだそうです。お店の場所という土地の制約、つまりどんなお客さんがいるのか、ということを考えないと独りよがりの店になってしまう、かといって、お店としての提案がないと他にもあるようなつまらない書店になってしまう、というジレンマの中、ちょこちょことプレゼン(提案)をし、客の反応があったらそこを掘り下げるということをしながら品揃えを作っていったそうです。

仕入は命、新刊の仕入と売れた本の補充は必ず自分でやる

ということだけは譲らないそうです。棚詰めはスタッフに任せているそうですが、そこまで手が回らないというやむを得ぬ事情もあるものの、あまりきっちりと理詰めで並べるよりも、少しアバウトな方がよい、という考えだそうです。

三つめのこだわりはイベントの開催。

2006年からスタートしたブックオカや自店の二階にブックカフェを作ってイベントを開催しているのは、お客さんと強くつながれる場になるから、やはり体験することが大事というお考えからだそうです。ただし、書店と違ってカフェの運営は大変だそうです。

さて、今回イベントが行なわれたチェッコリは最初にも書いたように韓国がメインの書店です。韓国とも近い福岡は団体と言うよりも日常的な買い物で訪れる韓国の方も多いそうです。(そういえば、何年も前に、福岡の主婦がキムチを買いにフェリーで釜山へ買い物に行っているとテレビで報じているのを見たのを思い出しました。)

最後に、ブックオカなどイベントについて。

古本市からスタートしたイベントで、福岡のメディアが好意的に取り上げてくれたという幸先のよいスタートだったそうです。福岡は各種メディアの西日本支社とか西部支社などが集まっているところでもあり、それらの多くが地元発のイベントとして積極的に取り上げたそうです。

このイベントを通じ街にコミュニケーションを生みだし、本は人をつなぐ力を持っていることが示せたのではないか、とのこと。出版業界は不況だとか、スマホなどのメディアに喰われているとか言わているけれど、本自身がダメになっているわけではないとのこと。大井さんが学生のころは本を読むってカッコイイ、読まなくても持っているだけでもカッコイイと思われる風潮があったが、最近の若者にはそういう感覚はない。しかし、地方都市なら東京のような大都市とは違って「本を読むってカッコイイ」というブームを作り出せるのではないか、と信じて続けているそうです。この気持ちが伝わったのか、ブックオカは各地に飛び火して、各地で似たようなイベントが行なわれるようになっています。

書店員ナイトについては、書店で働いていても同僚はいるけど、同じジャンルを担当する人と話す機会が意外と少ないという現実を受け、そのような場を作ったとのこと。ふだんはおとなしめの書店員がそこでは生き生きと話をするそうです。大井さんご自身が大手チェーンの書店員ではないので、どこの本屋、書店員に対してもしがらみがない、そういう立場がよかったのではないかとも。こういうイベントは敷居を低くすること、入りやすさが大切だとのこと。

また大井さんご自身が最近、ビブリオバトルの審査員をやり、若者もかなり本を読んでいるし、本好きから勧められると読みたくなるもので、世代を超えてよいものはよいと勧めたいとも。そんな街作りに本屋は貢献できるし、場を作ることができる。そこに住む人が街を愛する共通アイコンとして劇場とかサッカー場とか、あるいは郷土料理とかいろいろある中に本屋があってもよいのでは、という思いのようです。

以上、雑駁かつ主観の混じったまとめでした。たぶん聞き間違いや理解不足が多々あると思いますので、必ずしも大井さんの発言やお考えとは限りませんことご承知ください。