晶文社と? 藤原書店と?

晶文社のこんな新刊を目睹。

 

モラルハラスメント』です。実はあたしの勤務先にも同じタイトルの本があります。文庫クセジュの『モラル・ハラスメント』です。前者は「あなたを縛る見えない鎖」というサブタイトルからもわかるように「脱出法」を説くのが主のようです。ウェブサイトには

互いに親密だった関係が、恐るべき支配・被支配の関係に転化する。監視、脅迫、ストーカー行為、セックスの強要、虐待など、アメリカにおけるモラルハラスメントの事例を紹介するとともに、そこからの脱出方法を詳しく解説。LGBTカップル間のモラハラや、ティーンエイジャーにおけるモラハラ、ネットを使ったハラスメントの実態も! なぜモラハラは起きるのか? どうして関係を続けてしまうのか? どうしたら関係を終わらせることができるのか? モラルハラスメントの罠から自由になるための決定版指南書!

とあります。一方の後者は「職場におけるみえない暴力」がサブタイトル。職場でのモラハラを主としている本です。同じくウェブサイトでは

職場でのいじめ問題は、当事者間の問題として位置づけられ、社会的な規制が等閑視されている。コミュニケーションやメンタルヘルスの問題として扱うことが、労働条件の問題や労使関係の問題に位置づける視点を曖昧にし、職場のいじめ行為自体が労働者の人格権や自由への侵害であることを見逃してしまう。その背景には、この問題が正しい処方を欠き、有効な規制制度と救済制度を社会的に確立しないまま、個人の心がけや個人的責務の問題にすり替わっているからである。本書では、職場のいじめをモラル・ハラスメントとして位置づけ、実効的な規制制度と救済制度の確立を提唱する。諸外国での取り組みを紹介しつつ、職場のいじめ問題について解説。日本の現状についても言及している。

と紹介されています。どちらも「見えない」という言葉がサブタイトルに使われているところにモラル・ハラスメントの鍵があるように思えます。

続いて書店で目に付いた新刊は、藤原書店の『改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』』です。こちらも間もなくですが、あたしの勤務先から『サミュエル・ベケット』という本が出ます。ベケット入門という感じのもので、Uブックスですから大きさもお値段も手に取りやすいと思います。

ただ、あたしの勤務先はそれ以外にもベケット関連書は少なからず出しています。が、ここは同じUブックスの『ゴドーを待ちながら』をお薦めするのに留めておきましょう。