電子化の度合いが測れるか?

テレビでも取り上げていましたし、今朝の新聞各紙でも扱っていましたが、岩波書店の『広辞苑』が10年ぶりに改訂版刊行だそうです。

上は朝日新聞の今朝の紙面。見出しには「クラウド」や「赤塚不二夫」を出しています。基本的には、今回新収録となった新語にどんなものがあるかを見出しに出しているようで、各紙の違いを見るのも楽しいものです。

上は読売新聞。「婚活」「アプリ」「ブラック企業」を挙げています。記事の大きさも写真入りで、かなり大きな扱いです。

こちらは毎日新聞。挙がっているのは「がっつり」「ちゃらい」「自撮り」で、やや若い層が使う言葉ですね。

最後が日本経済新聞。こちらは特に見出しに言葉は挙げていませんが、写真入りです。手にしているのは束見本でしょうか?

ところで、『広辞苑』第7版、売れるのでしょうか?

いえ、別に否定的なことを書きたいのではありません。出版不況と言われるこの数十年。たとえ、他社の商品であろうと、売れる商材が出て、書店や業界が活気づくのはよいことだと思います。

なので、今回あたしが気になるのは、端的に言ってしまえば売り上げなのですが、スマホ全盛の昨今、『広辞苑』もネットで引くのが当たり前の時代、紙の『広辞苑』がどれくらい売れるのかということです。

岩波書店もかつてのような売り上げは見込んでいないと思いますが、それでも十年ぶり、辞典の中の辞典である『広辞苑』ですから、それなりの売り上げにはなると思います。かつては、事務所などには一冊は置いてある、家庭にも一冊は所蔵していると言われていたと思いますが、現在だとどの程度まで売れるのか。

あたしは、この売り上げが、スマホの普及率と言うよりも、スマホの利用率を測る目安になるのではないかな、と思っています。言葉を換えて言えば、「まだまだ紙の方がよい」と考える人の割合とでも言いましょうか。

もし岩波書店の予想を遙かに下回る売り上げに留まるようであれば、世の中のかなりの人はスマホなどで文字を読むことに抵抗を持たなくなっているんだなあ、今後は電子書籍も普及のスピードを加速させていくのだろう、と考えられます。

逆に、大ヒットすれば、「やはり、文字を読むのは紙だよ」という層の底堅さが感じられると思います。で、あたしは買おうか否か、考え中です。

今回、電子版、アプリ版はすぐには出ないんですよね? それがいくらなのかにもよりますね。昔のように、しょっちゅう引かなくたって、家にこのくらいのものは備えておくべきだ、という時代でもないでしょうし、懐具合も厳しいので……(汗)