営業マンはコートを脱ぐべきなのか?

寒くなってきましたね。昼間は、晴れているとポカポカして気持ちもよいのですが、夕方になると途端に冷えてくる季節です。太陽が弱々しく、ましてや曇っていたりすると本当に寒いです。たぶん、これからは晴れていても寒い日が多くなるのでしょう。

そんな寒い日、必需品は防寒具です。ヒートテックはユニクロ以外からも類似の商品が発売されていますが、試してみた限り、あたしはそれほど温かさ、保温性を感じられません。これは夏のエアリズムについても言えます。とにかく冬の寒さには厚着、重ね着が一番ではないでしょうか?

で、防寒具と言えばコートです。朝は6時ころに家を出るので、夏はまだ暑くなる前でよいのですが、冬のこの時季は暗くて寒くてイヤになります。だったらもっと遅く出ればいいじゃない、と言われそうですが、中央線の混雑がもっとイヤで、それにもともと朝型人間なので、この生活のリズムが身についてしまっています。

そんな時間の外気温、ちょうど一日で一番気温が下がる時間帯です。一日の最低気温が計測されるのは決まってそんな時間だったりします。ですからとても寒いです。コートが手放せません。

しかし、コートって営業マンには邪魔なものの一番手、最右翼です。ただ単に、訪問先の会議室などに通されて商談をするような営業であれば、コートを脱いで小脇に抱え、席に着いたら背もたれに掛けるなり、コート掛けを借りるなりできます。しかし、あたしのように書店店頭を次から次へと回る営業ですと、そういうわけにもいきません。

書店に入る前に脱ぎ、書店を出るときに着る、そんな面倒なことを繰り返すことになります。いや、コートの脱ぎ着は面倒ではありません。店内は暑かったり、外は寒かったりするので、コートを脱いだり着たりするのは構いません。問題は書店で、脱いだコートをどうするかです。

われわれの営業は、バックルームなどで行なわれることは稀です。ましてや書店には会議室なんて、ほとんどのお店にないでしょう。結局、店頭で、棚の前で立ち話を数分から数十分繰り広げるのがいつものパターンです。それだけならよいのですが、重いカバンから注文書などを出したり仕舞ったり。棚のチェックを頼まれたりした場合には、重いカバンと小脇のコートを抱えて作業をしなければなりません。それが面倒というか、コートが邪魔で仕方ありません。

いっそのことコートを着たままではいけないものか、と思います。店内は暖房がそれなりに効いていて、ましてや棚チェックのような作業をする場合には、こちらも暑くなりますからコートを脱ぎたくなることもありますが、それでも汗だくになるほどではないですし、脱いだコートを持っていなくてはならない方がイヤです。だから、コートを着たままでも許してもらえないかと思うのです。

しかし、営業たるもの、相手のところへ行ったら外套は脱ぐ、というのがサラリーマン世界の不文律です。こちらだって、上に書いたようにそれなりの部屋に通される営業であればもちろん脱ぎますが、半分外のような書店店頭なら着たままでもいいのではないか、と思うのです。

なので、かなり状況が異なるとはいえ、テレビの刑事ドラマで刑事たちが聞き込みをするときにどこへ行ってもコートを脱がずにいるのを見ると羨ましくなります。ああいう刑事たちも、ドラマの中だけかも知れませんが、被害者の家に上がるときはコートは脱いでいたと思いますので、営業マンもそのくらいでよいのではないかと思うのです。

しかし、コートも脱がずに店頭で仕事をしたりしたら、書店の人からは「この営業マンは社会人の常識もないやつだ、マナーってものをわかってない」と思われてしまうのでしょうか? だからでしょうか? 知り合いの営業マンを見ていると冬でもコートを着ていない人っていますね。その代わり、ヒートテックだったり、背広の上着の下にカーディガンやベストなどを着込んでいるようです。背広の上着は脱がなくてもよいので(逆に暑い夏場でも上着を脱いではいけないという逆のマナーも依然根強かったりします)、少なくともコートを小脇に抱えて、という面倒はなくなります。

しかし、カーディガンやベストは脱いだり着たりがしづらくなりますので、こんどは昼下がりの電車の中が異常に暑く感じられたりするものです。汗をかいたり寒かったり、風邪も引きやすくなるわけです。結局、コートもできるだけコンパクトにたためる、丸められる素材、形のものを選ぶようになります。間違っても、上の写真のようなコートを着て営業なんてできません。

いえ、あたしはしたことあるのですが……(汗)