願わくば花の下にて春死なん、その如月の望月の頃、なんてメランコリックな気持ちになりがち?

このところ華やかな衣裳をまとった女性を見かるようになりました。

はい、卒業式の着物です。振り袖の女性もいれば、袴姿の女性もいます。振り袖だと成人式っぽくもありますので、やはり袴姿が多いでしょうか?

で、そういう華やいだ女性に見とれるということもなくはないのですが、今年の場合、なぜか一緒にいる父母に目がいってしまいます。

少し前まで、大学を卒業するような子供を持つ人は明らかにあたしよりも年上でした。しかし、今年気づいたのは、そんな卒業生と一緒にいる父母がどうもあたしと同じような年齢になっているということです。

つまり、あたしが人並みの人生を送っていたとして、ごくごくフツーに恋愛をし、しかるべき伴侶を見つけていたとしたら、今ごろはあんな風に娘なり息子なりの卒業式、それも大学の卒業式に参加していたのかなあ、ということに改めて思い至ったというわけです。

もちろん晩婚化が進む昨今、どの親もあたしと同年輩とは言いません。やはりあたしより年上とおぼしき人の方が多いように感じられます。でも、明らかにあたしと同じくらい、いやもしかしたら若いかな、という人もチラホラ見受けられるのが今年の大きな特徴なのです。

これはちょっとショックです。どこであたしの人生狂ってしまったのでしょう?

ここまで来るにはいろいろあったかもしれないけれど、そんなことを乗り越えて、とりあえずは幸せそうな親子の図、というのを目にしてしまうと、少なくともあたしの人生にはそういう類の幸せはありえないんだなあとという現実を突きつけられている感じです。

そういう幸せが欲しかったのか、と問われると、あたしは昔から子供好きでしたので、子供は欲しいとずーっと思っていましたので、欲しかったという気持ちが少なからずあります。もちろん、ある程度大きく育った子供を可愛がれるのか、持ったことがないので自身はありませんが……