ポリス・ストーリー/レジェンド

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これまでジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」は何作か見てますけど、ほとんどがカンフーを主体としつつも派手なアクションシーン満載の作品だったと思います。それに対して本作では、ジャッキーのアクションはあるものの、親子の情愛とか、たとえ号悪人の犯人でも無闇に人を殺さないといったヒューマン・ドラマの面が強く出ています。

娘との葛藤はありがちで、危機一髪の中で和解するというのもよくある流れです。むしろ、人質を集めた真の理由、そして犯人と人質たちとの悲しい過去の因縁。そのあたりがなかなか見せます。なおかつ、その後にさらにもう一つ、どんでん返しとまでは行きませんし、真犯人登場というのでもありませんが、灯台下暗し的なエンディング。

それでも、この作品は本当の悪人がいない作品になっています。全員が全員、決して善人ではないにせよ悪人でもない、ただ単に弱い一個の人間です。その悲しみを一身に背負ったかのような老境のジャッキーの哀愁。なかなか渋い、涸れた演技です。そして最後のお約束、スタッフロールにかぶせるメーキング映像がジャッキー映画ですね。

それにしても香港っぽくないなあと思っていたら、舞台は北京だったのですね。クレジットにも北京の公安とかが表記されていましたが、この数年、共産党シンパになってしまったジャッキーだからなのでしょうか?