晩年に枯れていない?

このところ通勤電車の中で読んでいるのがこちら、『晩年のカント 』です。

著者も書いているように、カントと聞くと道学者然とした、非常に几帳面な人物をイメージしてしまいますが、どうもそうではなく、もっと人間臭いところがたくさんあるようなのです。それでも、毎日時間通りに散歩していたといった、几帳面なところはその通りだったようです。とはいえ、喜怒哀楽もかなりあって、本当に興味深い人です。

で、読み始めてみまして、非常に面白いです。グイグイ読んでいけます。カント哲学の小難しい世界に入っていくわけではないので、スラスラ読めます。半分ほど読んだところなのですが、後半も楽しみです。

そんな晩年のカントを読んでいて思い出したのがこちらの本、『純粋理性批判殺人事件』です。角川文庫の上下本です。

この本は、推理ものはあまり好んで読むわけではないあたしがタイトルに惹かれてつい買ってしまったものです。基本的には哲学が好きなんですよね、別に詳しいわけでも特異なわけでもないのですが……。

タイトルや帯の惹句を読むと、さもカントが名探偵として難事件を解決するのかと思いきや、カントはほとんど出て来なかったはずです、もう記憶がやや曖昧なのですが(汗)。謎解きをするのもカントではなく、別の登場人物だったはずです。カントの言葉が事件解決のヒントになっていたかな、くらいの記憶はありますが、「名探偵カント」は登場しませんので悪しからず。

なおかつ、本書は既に品切れになっているようですね。興味を持たれた方は図書館で借りるか、古本屋を探してみてください。