今日の配本(24/03/29)

別れを告げない

ハン・ガン 著/斎藤真理子 訳

済州島4.3事件を背景に、いま生きる力を取り戻そうとする女性の友人同士の再生の物語。待望の最新長篇。韓国で発売後1か月で10万部突破!

名前が語るお菓子の歴史 [新装版]

ニナ・バルビエ、エマニュエル・ペレ 著/北代美和子 訳

伝統と革新が織りなすフランス菓子に「名前の由来」からアプローチ。美しい名に隠された意味を知れば、お菓子がいっそう味わい豊かに。

今日の配本(24/03/28)

フランス知と戦後日本
対比思想史の試み

宇野重規、伊達聖伸、髙山裕二 編

なぜ読まれたのか?フランス文学に革命史研究、戦後知識人の輝き、そして68年の記憶。戦後をフランス知というレンズで捉え直す。

「喜劇」の誕生
評伝・曾我廼家五郎

日比野啓 著

松竹新喜劇の「伝統」を創った元祖・日本の喜劇王! 曾我廼家五郎の人生と作品を跡づける、初の本格評伝。「泣き笑い」の日本近代史。

ジャック・デリダ講義録 時を与えるⅡ

ジャック・デリダ 著/藤本一勇 訳

ハイデガーに帰ることで、時間と存在よりも根源的な、贈与そのものが追究される──。1978〜79年に行なわれた9つの講義を収録。

『穴持たずども』備忘メモ

売行き好調なロシア文学の翻訳『穴持たずども』ですが、ロシア文学は登場人物の名前が覚えきれないので、メモを取りながら読んでいました。本作は、たぶんロシア文学の中ではそれほど登場人物が多い作品ではないと思いますが、同じ人物でも異なる呼ばれ方をするので、それがわからなくならないようにメモしていたというのが正確なところです。

ソンノフ家
フョードル・ソンノフ(フェージャ):一応、主人公?
クラウディヤ(クラーワ):フョードルの妹

ソンノフ家の隣人(フォミチェフ家)
コーリャ爺さん:父親
リーダ(リードチカ):長女
ペーチャ(ペーチェニカ):長男
ミーラ(ミーロチカ):次女
パーヴェル・クラスノルコフ(パーシャ):リーダの夫

アンナ・パルスカヤ(アーニャ)
アナトーリ・パドフ(トーリャ)
プイリ
イオガン
イーゴリ(イゴリョーク)

サーシェニカ
ワジムシカ

アンナの友人
エヴゲーニー・イズヴィツキー(ジェーニャ)
アレクセイ・フリストフォロフ(アリョーシャ)
アンドレイ・ニキーチチ:アレクセイの父親

パドフの友人?
ゲンナジー・リョーミン(ゲーナ)
ターニャ:リョーミンの取り巻き
ユーラ:リョーミンの取り巻き
ヴィーチャ:リョーミンの取り巻き

イパチェヴナ婆さん:フョードルたちの遠い親戚

ミヘイ:フョードルの友人

今日の配本(24/03/27)

義とされた罪人の手記と告白

ジェイムズ・ホッグ 著/高橋和久 訳

17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える〝謎の友人〟の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の顚末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)

運び屋として生きる
モロッコ・スペイン領セウタの国家管理下の「密輸」

石灘早紀 著

モロッコ北部には、セウタととメリリャという二つのスペイン領(飛び地)がある。このうちセウタの国境地帯では、1990年代から2020年ごろまで、周辺に住むモロッコ人による「密輸」が行われていた。密輸というと違法薬物の取引や密漁、はたまた国境をまたいだ人身売買といったおどろおどろしいイメージを抱きがちだが、本書のテーマである「密輸」は、モロッコへの商業輸入に対して通常課される関税を逃れているものの、スペイン・モロッコ当局から容認・管理されている越境貿易の一種である。この「密輸」はセウタからモロッコに食料品や衣料品を運ぶものであり、最盛期にはおよそ40万人がかかわっていたとされる。

奴隷制廃止の世紀1793-1888

マルセル・ドリニー 著/山田芙美、山木周重 訳

欧州主要列強がアメリカ地域の植民地で展開した奴隷制はどのようなプロセスを経て廃止されたのか。論争や闘争をまとめた入門書。

こんなところに登場しているとは!

どれくらいの方が見たのかわかりませんが、先週木曜日の晩にNHKで放送された「完全なる問題作」に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が取り上げられまして、大木に反響を呼んでいます。注文がかなり殺到しています。

とても嬉しい悲鳴ですが、この番組は今回から始まったもので、次回が軼放送されるのか、取り上げられる問題作は何なのか、いまのところ全く明らかになっておりません。

それはさておき、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、年配の方には『ライ麦畑でつかまえて』の方が馴染みのある名称だと思いますが、ありがたいことに、この本はずーっと売れていますね。

そんなことを思っていたら、土曜の深夜に放送されているドラマ「セレブ男子は手に負えません」(テレビ朝日系)が先週最終回を迎えました。どんなドラマ化ということはおいておきまして、最終回に主要登場人物の一人、井手上漠が演じるモデルのルカがソファーに座って本を読んでいるシーンがありました。

上に引用したのは、同ドラマの監督さんのX(旧Twitter)ですが、そこに種明かしが書いてあります。「題名がわかるところをカットせざる負えなかった」とありますが、背の部分も表紙も映っていましたから、よく見れば『ライ麦畑でつかまえて』だとわかったはずです。

手にしていたのは、Uブックス版ですが、表紙カバーにイラストがある、ずいぶん前の版になります。ちょっと懐かしかったです。

ちなみに、このシーンは、ちょっと切ないシーンでもあります。

週末のスイーツ

時にはそこそこ有名ショップだったり、お値段もそこそこ高いスイーツを買うこともありますが、最近のコンビニスイーツもバカにできません。テレビCMで宣伝されているのを見ると食べたくなるものです。

このダイアリーに何度も登場しているように、わが家の近所にはセブンイレブンがあるので、休日のお弁当やお惣菜をよく買いますし、セブンネットショッピングの受け取りにも利用しています。

その一方、ローソンファミリーマートは近所にはありません。いや、15分から20分ほど歩けばあることはあるのですが、そんなに歩くのではとてもコンビニエンスとは呼べません。というわけで、マイカーで買い物に出かけたスーパーの近所にファミマがあったので、念願のファミマ・スイーツを買ってきました。

ファミリーマートのテレビCMで最近よく流れているのはプリンのスイーツです。それが食べたくて食べたくて仕方ないのです。これだけCMで流れていると売り切れてしまっているかなと、若干の不安も頭をよぎりましたが、訪れたファミマの棚にはたくさんのスイーツが並んでいました。

そして選んだのが写真の二つです。スフレ・プリンは以前にも食べたことがあったと記憶していますが、今回リニューアルされているそうです。そしてもう一つは新発売のプリンサンドです。プリンが挟まったスポンジケーキとはどんな味なのか、非常に興味深いです。

以上、この週末のあたしのおやつでした。

メタバースは必要だったのでしょうか?

WOWOWで放送された映画「忌怪島」を鑑賞。この作品って、「村」三部作に続くJホラーの作品らしいです。ということは、この後も「○○島」というの作品が続くのでしょうか? 「村」も三つとも見ていますが、もうそろそろ打ち止めにした方がよいのではないか、という気がします。

で、本作です。ネット上に数々の考察と感想が上がっています。あたしはもちろん小説を読んではいませんので、小説版と映画版の違いなどを語っているものはとても興味深く読みました。ただこの作品の最大のウリであると思われる仮想空間、これって必要だったのかなあ、という思いが残ります。

イマジョの呪いということで全編を作っても、それなりに成立したのではなかったかと思います。小説ではどうなっていたのかわかりませんが、仮想空間実験に参加している登場人物たちが全員、イマジョやこの島と何らかの関係があることが徐々に明らかにされていく、という伏線を回収しつつ仮想空間などは持ち出さなくともホラーとして面白いものが作れたのではないかと思うのです。

もちろん多くの考察でも触れられているように、どの場面が現実で、どの場面が仮想空間の中なのかわからなくして見るものを混乱させるというテクニックはあると思いますが、むしろそのせいで呪いの怖さがパワーダウンしているようにも思います。主人公たちが現実世界に戻ってこられない、というよりも現実では死んでいて仮想空間の中で生き続けている、というっすとーリーの方が今の若い方たちにはむしろリアルなのでしょうか。

最終的な感想としては、主人公たちのキャラがいまひとつ立っていないなあという残念感はおくとして、當真あみがとても可愛かったです。ただ、彼女が何故シゲじいにやさしく接していたのか、そのあたりの背景もわからずじまいでしたね。エンディングの入水も含めて。

全プレは応募しがちなタイプです

出版不況と言いながら、出版社はしばしば読者プレゼントを行ないます。書店店頭に置いてあって「ご自由にお持ちください」というものもあれば、本を買わないともらえないものもあります。そして今回、あたしが応募するのはこちらです。

はい、ご覧の通り、岩波新書のプレゼントです。岩波新書の新赤版が2000点を超えたので、それに伴うキャンペーン「新赤版2000点突破記念 読者プレゼント」です。

キャンペーンのページには【応募者全員プレゼント!!】として

2024年1~3月刊行の岩波新書を三冊以上ご購入の方に〈岩波新書風 読書ノート〉を進呈いたします。

と書いてあります。そこで、あたしも三冊購入しました。同ページに「1~3月の新刊帯の内袖に付いている「応募券」3枚をはがきに貼り」と書いてあるので、応募券を貼りました。

それがこちらの三枚です。全プレなので景品が届くのが楽しみです。なお今回のキャンペーンは

さらに、ご応募いただいたなかから抽選で50名の方に〈新書から始まる。マグカップ〉もプレゼントいたします。

ともあります。たったの50名なのでとても当たるとは思いませんが、もし当たったら今年の運はすべて使い切ってしまうことになりそうです。

ところで「読書ノート」は出版社ですから、ふだんの仕事の延長線上で製作できるものだと思いますが、マグカップというのは若干の飛躍が感じられませんか。でも紅茶やコーヒーを飲みながら読書するという人も多いでしょうから、出版社の読者プレゼントとしてマグカップは実は相性がよいのかも知れません。

その証拠に、というわけではありませんが、あたしの勤務先もご覧のように,読者プレゼントにマグカップを作ったことがあります。いくらくらい費用がかかって、いくつ作ったのかはわかりませんが、なかなかの重さでしっかりしたマグカップです。岩波新書マグカップは果たしてどんな感じなのでしょうか。是非、キャンペーンを当てて実物を手にしたいものです。

まずははがきを投函しなくては!