知ってか知らずか?

本日の朝日新聞の『風の演劇』の評の中で、保阪正康さんは別役作品について次のように述べています。

別役氏の作品には、不条理劇、あるいは前衛劇の方向が明確に示され、日本の演劇界の先駆たる役割を担う意気込みがあった。しかも早稲田の自由舞台を知る者には、社会主義リアリズムとの訣別も感じられた。

『風の演劇』の刊行は8月ですが、この保坂さんの評を先取りしたかのように、10月には文庫クセジュの『社会主義リアリズム』が刊行されています。

 

本日の読者欄の記事を切り取って、書店店頭でそれを挟むようにこの二冊を並べたら、ちょっと面白い趣向ではないでしょうか?

それにしても、これは偶然なのか必然なのか。なかなか面白い

今日の紹介は2点でした

朝日新聞の読書欄です。

一番大きな枠で『風の演劇 評伝別役実』を紹介いただきました。

この枠であたしの勤務先の書籍が紹介されるのは久しぶりかも知れません。

同書は少し前に読売新聞でも紹介いただき、別役さんご自身のインタビューも掲載されていましたが、売り上げもこれでまたひと伸びしそうです。ありがたいことです。

今朝の朝日新聞は、これだけで喜んでいてはいけません。

この枠の真下に「情報フォルダー」という欄がありまして、そこにもう一点出ています。

プラハ、二〇世紀の首都』です。

本体価格13,500円もする大著です。

本書は、比較的大きな書店では歴史の他に、芸術、文芸評論などのコーナーにも置かれています。どこの棚からよく売れるのかはお店によって異なるようですが、さまざまな角度からアプローチできる本です。

ちなみに、訳者の一人、阿部賢一さんの講演会がチェコ大使館で行なわれますので、こちらもどうぞ。

フランスと言ったら……

いきなりピンボケの写真で申し訳ありません。お客様が写り込まないようにと気にしていたらブレてしまいました(汗)。

紀伊國屋書店新宿本店の2階です。

「フランス語翻訳書籍フェア」と題して大々的に展開中です。紀伊國屋書店アンスティチュ・フランセの主催のようです。全国の紀伊國屋書店(とは言っても一部?)でフェア開催中のようです。

新宿本店のTwitterを見ますと、駐日フランス大使を迎えてのセレモニーも店頭で行なわれたようです。

店頭では、上掲のピンボケ写真のようにフランスに関する本がずらりと並んでいますし、右の写真のような小冊子、パンフレットも配布されています。関連するトークイベントも今後行なわれるようですので、フランス好きの方には大注目のフェアだと思います。

で、フランスと言ったらあたしの勤務先だと思って、棚を見回したところ、並んでいなくはないのですが、思ったほどは並んでいませんでした。

うーん、もう「フランスの」といった看板は効力を失っているのでしょうか?

いや、たぶん、今回の選書のテーマに沿った書籍が、あたしの勤務先からは思いのほか刊行されていなかったというだけなのではないでしょうか?

そう思いたいです。

そうでないと、ちょっと悲しいです。

でもね、考えてみますと、フランス語の学習書こそコンスタントに出していますが、フランス文学、それもいまフランスで売れている作家のものとか、フランス史、フランス思想などの本は、このところ思ったほど出していないかも知れません。

うーん、由々しき問題?

なにはともあれ、新宿は各地の紀伊國屋書店にお立ち寄りの際は、フェアもご覧ください。