そろそろラ・フランスの季節かな? となるとこの曲

今宵の文化放送系「乃木坂46のの」はMC梅沢美波と4期生の矢久保美緒と北川悠理がゲスト。

30分の番組中に必ず曲が2曲かかるのですが、1曲目は北川セレクトの「自由の彼方」、これは夏の全国ツアーで北川参加したユニットで歌った曲だからという理由による選曲。そして2曲目が矢久保選曲の「やさしさとは」でした。

「秋になると聞きたくなる」と語っていましたが、確かに冒頭のラ・フランスって秋が深まると店頭に並ぶフルーツですよね。

それにしても、矢久保、よい選曲じゃないですか、見直しました。この曲は乃木坂46の全曲中でも隠れた名曲としてファンの人気も高い一曲ですし、なによりななみんの数少ないセンター曲、あたしも大好きです。歌唱メンバーも非常にバランスがよいですね。

久しぶりに聴きましたが、やはり佳曲です。「自由の彼方」もさゆの卒業発表を受けて聞くと泣けてきます。

H&M、きのこ祭?

タイトル、H&Mと言っても、某北欧系のアパレルメーカーのことではありません(笑)。そもそもアパレルメーカーがきのこっておかしいですよね?

で、閑話休題。

書店店頭でこんな本を見かけました。みすず書房の『きのこのなぐさめ』です。海外文学作品のようですが、著者は文化人類学者でもあるのですね。非常に気になる一冊です。

愛する伴侶を失った主人公が、きのこを通して再生する物語なんだそうですが、内容紹介を読む限り、ちょっとした「きのこ百科図鑑」のような趣が感じられます。それにしても、愛する人を失った人が何かをきっかけに再び活力を取り戻すというストーリーはよくある話ですが、その「何か」というのは動物だったり趣味だったりすることが多いと思います。今回のようなきのこというのは寡聞にして他には知らないのですが、何かしら趣味を持つ、情熱を捧げられるものが見つかれば人は生きていけるのですね。

ところで、きのこと言えばあたしの勤務先でも『昼の家、夜の家』という海外小説を出しています。ノーベル文学賞の有力候補の一人、 オルガ トカルチュクの長篇で、タイトルからはわからないでしょうが、こちらもきのこ小説なんです。

本書が刊行された当時、日本の書店ではちょっとしたきのこブームが起きていまして、本書もそんな「きのこフェア」の時にラインナップの一つとして並べていただいた記憶がありますし、そのお陰もあってよく売れました。きのこブームはその後落ち着きましたが、相変わらず根強い人気を誇っているのは事実ですから、何かの弾みでまたブーム到来となるかも知れませんね。

それはともかく、ひとまず『きのこのなぐさめ』と『昼の家、夜の家』で「きのこ祭」は如何でしょうか? はい、H&Mとは両出版社の頭文字のことです。

ところで、かつての「きのこブーム」時に書店店頭でフェアをやっていたころ、並んでいたのはきれいなきのこの写真集や図録のようなものがメインでした。読み物も並んではいましたが、やはり読者も極彩色のきのこの図版に惹かれているようでした。

そんな中、たまたまあたしが読んでいた岩波文庫の『和辻哲郎随筆集』の一節に「茸狩り」という一篇がありました。京都近郊へきのこ狩りに出かけたことを綴った味わい深い一篇です。「これも並べればよいのに」と思いましたが、さすがに書店の方のアンテナに引っかかってこなかったと見えまして、並んでいる書店は皆無でした。

ちなみに、みすず書房ではほぼ同時に『マツタケ 不確定な時代を生きる術』なんて本も刊行しています。こちらは海外文学ではなく、「マルチスピーシーズ民族誌の成果」だそうです。あくまでマツタケは話の導入のようです。