これもオタ活!

少し前に、これもオタ活だと自分なりに見なして、乃木坂46が田植えに行った奥出雲の仁多米を購入したと、このダイアリーに書きました。あまり米の味がわかっていないあたしとしては、可もなく不可もなくいただいたのですが、その仁多米を使った日本酒が近所のスーパーで売られていたので買ってみました。

そして昨日は父の命日だったので、お酒が大好きだった父に献杯しつつ、あたしもいただきました。ふだん飲むことの多い新潟のお酒のような、ピリッとした辛さはありませんが、いかにも日本酒だなあ、という味わいでとても飲みやすかったです。これは純米酒ですが、吟醸や大吟醸もあるのでしょうか。あるのであれば、こんど飲んでみたいと思います。

乃木坂46のメンバーが植えた稲は、まだまだこれから収穫でしょうから、先日買ったお米にしても、この日本酒にしても乃木坂46のメンバーとの関わりはないはずです。それでも、乃木坂46が関わったからという理由で、仁多米やそのお酒を購入するというのは、やはりこれは立派なオタ活でしょう。

たぶん乃木坂46に声をかけた地元としても、そういう効果を見越して乃木坂46に声をかけたわけでしょうし、乃木坂46に限らず著名人を引っ張り出すというのは、そういう経済効果を期待しているのでしょう。あたしはまんまとハマってしまっているわけですね。

「ぎぶ」とは「GIVE」ではなく「魏武」のことです

講談社学術文庫から『魏武注孫子』が刊行されたので、当然のことながら購入しました。学術文庫では既に『孫子』が刊行されていますが、あえて「魏武注」にスポットをあてて一冊出すなんて、すごいです。

ちなみに『孫子』は、中国古典の中では『論語』『老子』に次いで知名度が高い作品だと思うので邦訳も何種類か刊行されています。そこで、架蔵している文庫版の邦訳を並べてみたのが一枚目の写真です。ちなみにこれらの邦訳、いまも版元在庫があるのかわかりません。

左上が中公文庫、その右の二冊はどちらも岩波文庫です。右下は講談社文庫、その左の二冊が今回話題にしている講談社学術文庫の二点です。単行本も加えたら『孫子』の邦訳はあと何種類かあると思いますが、さすがにすべては追い切れないので、架蔵しているのはこんなところです。

ところで、このダイアリーを読んでくださっている方の大部分には説明不要かと思いますが、ここまで何回か登場している「魏武」とは魏の武帝、つまり三国志の曹操のことです。長い長い中国史の中でもトップクラスの戦術家・戦略家でもある曹操は『孫子』を常に傍らに置いていたそうで、自身の体験に基づいて『孫子』に注を付けたものが『魏武注孫子』です。

曹操以外にも『孫子』に注を付けた人物は中国史上に何人もいまして、その主要な十一種類を修正したものが「十一家注孫子」で、『孫子』を読む場合にはこれがベースになっています。現代中国でも「十一家注孫子」は刊行されていまして、二枚目の写真にあるように、あたしは二種類を架蔵しています。

ところで「三国志」ファンなら、「曹操が孫子に注を付けたくらいなら、諸葛孔明だって孫子に注を付けていなかったのかしら?」と思うのではないでしょうか。あたしもそう思ったことがありました。劉備と出会う前にいくらでも時間はあったと思います。でも、劉備軍に加わってからはそんな時間は取れなかったでしょう。実践を踏まえて若いころに書いた孫子注を修正しようと考えていたとしても、それは果たせなかったでしょうね。

2023年9月10日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー