2006年2月23日

漢文の素養

漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?』読了。

漢文は漢字によって表現されるわけですので、少し前に読んだ『日本の漢字』と通じるところもあり、なかなか面白く読めました。記述の多くは、漢文読 解力の歴史と括ってしまうと間違っているかもしれませんが、日本の歴史と漢文との関わりについてで、簡単な日本漢文学史といった感じもします。

記述中には結構たくさんの引用が挟み込まれていて、実際の漢文に触れながら読み進めることができますが、漢文にあまり慣れていない人には、その部分 がちょっとしんどいかもしれません。でも、引用には必ず訳が添えてありますので、原文を飛ばして訳だけ読むことも可能です。(って、漢文だって日本語の一 種なので<訳>ってのもおかしな話なんですけど......) でも、たぶん著者は、この本を手に取った人には、このくらいの漢文は読んで欲しいという思いもある だと思います。ここは、ぜひとも漢文素読を味わってもらいたいものです。


個人的には、漢文の歴史をもう少し端折って、近代以降、現在までの漢文の衰退と現状、それに対する著者の意見部分をもっと読んでみたかったと思います。

著者の加藤氏は、以前あたしのサイトにリンクを張らしてください、と連絡をいただいたことがあり、著作だけでなくご自身のウェブサイトでも精力的に情報発信をされている方です。

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