今週は2点@朝日新聞

土曜日恒例、朝日新聞の読書欄です。

今週は、いわゆる書評欄での紹介はなかったのですが、よーく見ますと次の2点が紹介されていました。

まずは、桜庭一樹さんがJ.D.サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を紹介してくださいました。『ライ麦畑でつかまえて』ではなく、あえて村上訳の方を紹介しているのは、桜庭さんが読まれたのがこちらだったからなのでしょうね。

書店でも「どっちの方が売れているのですか?」と時々聞かれます。正直なところ、拮抗しています。お店によっても違いがありますし、月によって売り上げ順位も入れ替わったりしています。ただ、村上訳が出ても売れ続けている野崎訳もスゴいものだと思います。

続いてはもう一点、新書紹介コーナーで見つけた『社会主義リアリズム』です。文庫クセジュの一冊です。

こちらは文庫クセジュの棚だけでなく、人文の棚、芸術の棚にも置いていただいている書店がいくつかありまして、お陰様でよく売れています。日本の新書ではなかなか見かけないテーマで、いかにもクセジュらしい一冊ではないでしょうか?

朝っぱらから夜のこと

今朝の朝日新聞です。

日本の夜の公共圏 スナック研究序説』の谷口功一さんが登場です。

朝刊に夜のオーソリティーが登場するというのも面白い趣向ではないでしょうか?

しかし、本書が出て以来、主張などで地方へ行くと、まだまだスナックってたくさんあるんだなあということを実感します。実際には後継者不足で大変らしいですけど。

突然、売れた?

新刊でもなく、類書が刊行されたわけでもないのに、突然ある本の注文が続く時があります。

今の時代、そのほとんどはネットで何かしら情報が巡っているので、FacebookやTwitterで検索をかけてみると、理由が判明します。

今日もそんな書籍がありました。『アンリ・バルダ 神秘のピアニスト』、2013年に刊行した書籍です。

なんでこの本の注文が続いたのか、検索してみたところ、たぶんこれが原因ではないかと思われるものが一つ見つかりました。

NHK-BSの「クラシック倶楽部」という番組です。その12月4日の放送がアンリ・バルダのリサイタルだったのです。

それ以外では注文に繋がりそうな情報はヒットしなかったので、たぶん、この番組を見た方の中で、アンリ・バルダの本を読んでみようと思われた方が本屋へ足を運んだのでしょう。

しかし、この番組の中で同書が紹介されたのでしょうか? 紹介されもしないのに番組だけで本書にたどりつくなんて、どれほど熱心な方なのでしょう? ありがたいことです。

一面に登場!

今朝の朝日新聞です。

一面に登場と言っても、サンヤツ広告ではありません。それよりももうちょっと上になります。

はい、「折々のことば」欄です。引かれているのは、この夏に刊行された『風の演劇 評伝別役実』です。

各紙誌でも紹介された本書、読書欄に掲載されるのも売り上げに効果がありますが、こういうところの紹介もそれに負けず劣らず反応があります。

別役ファンなら既に買った、読んだという方も多いのでしょうが、こういう記事をきっかけにそれ以外の人にも広がる可能性がありますし、こちらとしてもそれを期待しています。

麻薬とかスパイとか

本日の朝日新聞別刷「GLOBE」は麻薬特集です。GLOBEというタイトルどおり、世界各地の状況がレポートされています。ミャンマーの「黄金の三角地帯」のことも書かれています。それで思い出すのが『辺境中国 新疆、チベット、雲南、東北部を行く』です。

同書の第三部「雲南」では、国境を越えて麻薬や人身売買が行なわれている地区のありさまが描かれます。読みながら、「著者の人、こんなことしちゃって大丈夫なんだろうか?」と少し心配になりました。

それにしても、あのあたりの国境地帯、本当に無法地帯であり、無国境地帯のようです。まあ、中国(漢民族)から見たら蛮族の居住地であり、自分たちには関係ない、という感覚なのかも知れません。

同じくGLOBEの書籍紹介コーナー。

あたしの勤務先でもお世話になっている園部哲さんが紹介しているのはベン・マッキンタイアーのスパイもの。

マッキンタイアーと言えば、あたしの勤務先でも『ナチが愛した二重スパイ』を刊行しております。マッキンタイアーは一貫してこの手の作品を書いているんですね。

少し前にも、イギリスでロシア人の父と娘が暗殺されかかった事件がありましたが、英国では「007シリーズ」ではありませんが、日本よりもスパイが身近な存在なのでしょう。だから、こうして新刊が次々に発表されているんですね。

よくも悪くもライ麦なんだなと思います

朝日新聞の日曜版に入っている別刷GLOBEの映画評のコーナーです。

取り上げられているのは「ライ麦畑で出会ったら」です。先週末から公開中の映画です。

お二人がコメント寄せていますが、クラウディア・プイグさんの評がなかなか辛口です。

映画に限らず、芸術作品の評価って人それぞれだと思うので、褒めるものがあれば貶すものがあってもよいと思います。ただ、今回の評を読んでみますと、逆に改めてサリンジャー、『ライ麦』の影響力の強さというものを思い知らされたように感じます。

あまりにも人気があったり、影響力があったりすると、その反動でアンチが現われるものです。村上春樹の新刊が出るたびにケチをつける人、ジブリの作品をクソミソに貶す人などなど。それって、それだけ村上春樹やジブリ作品が影響を及ぼしているってことの裏返しなわけで、プイグさんの評もアメリカにおけるサリンジャーのすごさというのを逆に見せつけているような気がするのはあたしだけでしょうか?

知ってか知らずか?

本日の朝日新聞の『風の演劇』の評の中で、保阪正康さんは別役作品について次のように述べています。

別役氏の作品には、不条理劇、あるいは前衛劇の方向が明確に示され、日本の演劇界の先駆たる役割を担う意気込みがあった。しかも早稲田の自由舞台を知る者には、社会主義リアリズムとの訣別も感じられた。

『風の演劇』の刊行は8月ですが、この保坂さんの評を先取りしたかのように、10月には文庫クセジュの『社会主義リアリズム』が刊行されています。

 

本日の読者欄の記事を切り取って、書店店頭でそれを挟むようにこの二冊を並べたら、ちょっと面白い趣向ではないでしょうか?

それにしても、これは偶然なのか必然なのか。なかなか面白い

今日の紹介は2点でした

朝日新聞の読書欄です。

一番大きな枠で『風の演劇 評伝別役実』を紹介いただきました。

この枠であたしの勤務先の書籍が紹介されるのは久しぶりかも知れません。

同書は少し前に読売新聞でも紹介いただき、別役さんご自身のインタビューも掲載されていましたが、売り上げもこれでまたひと伸びしそうです。ありがたいことです。

今朝の朝日新聞は、これだけで喜んでいてはいけません。

この枠の真下に「情報フォルダー」という欄がありまして、そこにもう一点出ています。

プラハ、二〇世紀の首都』です。

本体価格13,500円もする大著です。

本書は、比較的大きな書店では歴史の他に、芸術、文芸評論などのコーナーにも置かれています。どこの棚からよく売れるのかはお店によって異なるようですが、さまざまな角度からアプローチできる本です。

ちなみに、訳者の一人、阿部賢一さんの講演会がチェコ大使館で行なわれますので、こちらもどうぞ。

予告された出版!

朝日新聞の夕刊です。

ふーん、またどこからか兜太さんの本が出るんだと思って読んだら、なんと、あたしの勤務先の話!

もちろん、こういう企画があるのは知っています。

それにしても、こうまで具体的に刊行予定が発表されてしまいますと、編集部には予定どおり仕上げてもらわないと!

予価とはいえ価格まで書かれているので、営業も受注に励まなければなりませんね。

早速明日から問い合わせの電話が鳴るのでしょうか? 内容見本くらい作らないとならないでしょうね。

3分の1の紹介!

朝日新聞の読書欄です。

池内紀さんが『ぼくの兄の場合』を、川上弘美さんが『供述によるとペレイラは…』を、それぞれ紹介してくださいました。

今回の全体テーマは『遠い人たちを近くに感じて』だそうで、となると訪れたことない異国の地を体感するのに海外文学はうってつけというわけなのでしょう。

もちろん、日本人作家の作品にも海外を舞台としたものはありますが、やはりそこに生まれ育った人が描く作品世界は違うのではないでしょうか?

ただ「遠い人たち」というのであれば、別に海外に限りませんよね。たとえば、最近よくマスコミでも取り上げられますが、本州に住む人たちは沖縄の人の気持ちを理解できているのか……。

うーん、やはり文学は面白いです。