タイトルや作者名は不要?

今朝の朝日新聞の多摩版に載っていた記事です。府中市立図書館で行なわれる取り組みの紹介です。

読んだ人の感想をいくつかのテーマに分けて、新たな読者に提供するということらしいです。展示される本には新聞紙でカバーがかけられて何の本なのかわからないようになっているそうです。

うーん、この取り組み、どこかで見覚え、聞き覚えてがありますね。

今の時代、「こんな本ですよ」というメッセージさえ伝われば(伝えれば)、本を選ぶ時にタイトルとか作者が誰かなどは気にせずに手に取ってくれるものなのでしょうか?

しかし、これが成立するのもお金を払って買うわけではない図書館だからでしょう。本屋での似たような取り組みも文庫という廉価なものだからこそ成り立っていたと思うのです。

それに出版社からすると、インパクトがありすぎてもダメだし、かといって埋もれてしまっては元も子もないし、奇を衒いすぎても引かれてしまうし、といった試行錯誤を繰り返して付けたタイトルが隠されているというのは忸怩たるものがあります。

同じように、文字の大きさや書体にもいろいろ気を遣って作り上げた装丁・デザインが見えないというのもいかがなものかと思ってしまうところがあります。だって、本にだってジャケ買いってありますよね?

という愚痴はともかく、そういった出版社側の言い分は抜きにして、「こういう本ですよ」というのをわかりやすく伝えるというのは大事なんでしょうね。書店店頭に飾ってあるポップなどがある意味、その典型かも知れません。ただし細かい字でビッシリと書いてあるポップも捨てがたい魅力がありますけど。

話は戻って府中の図書館。

こういった「テーマで分ける」で思い出したのが、ヤングアダルト出版会の「YA朝の読書ブックガイド」です。こちらも「ハマる」「考える」「チャレンジ」といったそのときどきの気分に合わせて本を探せるように編集されています。本を選ぶ時のヒント、手引きに是非どうぞ!