カテゴリーアーカイブ: 営業部だより
サキなのか? ゴーリーなのか?
サキの『クローヴィス物語』の注文が好調です。第2刷が出来たばかりなのですが、それがほぼ完売。いま第3刷に入っています。
刊行前、「サキだからそれなりには売れるだろう」という予想は社内でもしていましたが、ここまでの動きになるとは、個人的には予想外でした。では、なんでこんなに売れているのでしょう? やはりサキ自身の根強い人気でしょうか?
確かに風濤社から「サキ・コレクション」の第一巻『レジナルド』が刊行になりました。
その他、これまでもサキの作品は文庫でたくさん紹介されていますよね。
いまどれが品切れでどれが在庫ありなのか調べていませんが、これら以外にも「英米文学選」的なものにもサキは取り上げられていることが多いと思います。
が、うちの『クローヴィス物語』が売れているのは果たしてそれだけなのか、という気もします。何故かと言えば、『クローヴィス物語』にはエドワード・ゴーリーの挿し絵が収録されているのです。
エドワード・ゴーリーと言えば、少し前に「MOE 2015年03月号」がゴーリーの特集をしていました。
サキだけじゃなく、ゴーリーもブームなのでしょうか?
いや、ブームもなにも、ゴーリーはずっと人気ですよね? 別にいま突然にどうというわけではないでしょう。つまり、サキとゴーリーというどちらも根強い人気を持った二人のタッグが『クローヴィス物語』の売り上げを押し上げているのだと思います。
さて、いまのところは「海外文学」のコーナーに置かれている『クローヴィス物語』ですが、ゴーリーの主戦場である絵本とか児童文学のコーナーに置いてもらっても売れるでしょうか? ちょっと毒のあるサキ作品ですから子供に勧めるのはちょっと躊躇われますが……(汗)
今日の配本(15/04/27)
北京と東京と
オオカミの季節、ふたたび!
今日の配本(15/04/23)
イメージ喚起
いよいよ明日配本の『歩道橋の魔術師』は台湾の呉明益の作品です。
「アジアものはちょっとなあ」と思いの方、確かに欧米のものとは異なったタイプの作品ではあります。大して読んでいないド素人のあたしの感覚では、欧米の作品はカラッとしていて、アジアの作品はジトッとしている、そんな印象があります。何て言うのでしょう、アジアって一部の国を除くと独立を果たしてまだ100年もたっていない国が多く、それはつまり「苦難の道のり」が各国それぞれにまだ生々しく残っていて、文学もそれを抜きには語れない、という面があるからではないか、そんな風に思います。
そういう意味では東欧もそういった感じを受けなくもないですし、共産主義の苦難の道のりがあった国々が多いですよね。ただ、アジアと東欧はやはりちょっと違っていて、これもド素人感覚ですが、東欧の場合はジトッとではなく、ジメッとしていると言えばよいのか、うまく言えませんが、アジアは熱帯や亜熱帯のスコールのような湿度、東欧は霧に覆われたような大気の湿度の高さ、といった感じです。わかっていただけましたでしょうか?
さて『歩道橋の魔術師』です。
この作品は取り立てて「台湾苦難の近現代史」を描いている作品ではありません。描かれている時代は1970年代、80年代の台北ですのでちょっと前の時代です。強引に日本に置き換えるとするなら、昭和30年代、40年代くらい、いわゆる「三丁目の夕日」的な、ちょっとノスタルジーを感じさせる時代です。著者もそんな少年のころの追憶をもって本作を描いていると思われます。ですので、これは既に書きましたが、あたしが読んだ本で言えば、『花まんま』などの朱川湊人の一連の作品に通じるなあ、と感じました。彼の作品が好きな人には面白く読めると思います。
そして、もう少し作品に親しんでもらいたいと思い、舞台になっている中華商場(既に取り壊され、現在の台北には残っていません)をググってみますと、画像などが結構ヒットするものです。動画もあり、既に以下のようなものを紹介しました。
しかし、これ以外にも中華商場の動画ってあるようなので、以下に並べてみます。
下の動画は中華商場取り壊しの時のものでしょうか?
著者・呉明益の動画もありました。
注文殺到!
昨晩の日本翻訳大賞を受け、『エウロペアナ』が好調です。注文が殺到しています。
それまで百をもって数えるほどあった在庫があっという間になくなってしまいました。書店からの注文が好調なだけではなく、書店でも実際に売れているようです。やはり日本翻訳大賞というお墨付きが、「海外文学は何を読んだらいいかわからない」という人たちに一つの道しるべになったようです。
で、「在庫はありません。書店店頭にはまだ残っているところもありますので」というのでは、これだけ「読みたい」と思ってくださっている読者のニーズに対応できません。重版決定しました。出来上がりはゴールデンウイーク明けになってしまいますが、ご勘弁ください。
ただ、待たせた価値は十分ある作品です。これが文学なのか? 小説じゃないよね? だったらエッセイ? それとも評論? そんな読後感が聞こえてきそうですが、どれもが正解で、それがこの作品です。
