画竜点睛を欠く、と言ってしまうとあまりにも偉そうではありますが、でも、ちょこっと触れて欲しかったなあ、というのが正直な気持ちです

昨日の朝日新聞読書欄には、残念ながら、あたしの勤務先の書籍の紹介はありませんでしたが、その読書欄のトップページを、皆さまご覧になりましたでしょうか?

そこで紹介されていたのかって? いえいえ、そんなことはありません。ただ、米ソ両大国の核廃絶への取り組みなどの記事でしたので、思わずこんな本を思い出しました。

ピュリツァー賞受賞作、『死神の報復(上)』『死神の報復(下)』です。どうしてこの本がそこで紹介されていないのか、ちょっぴり不満を持ちながら読みました。

 

本書の副題は「レーガンとゴルバチョフの軍拡競争」ではありますが、実は両首脳がなんとか軍拡を止めようと努力していた様を描くノンフィクションです。ウェブサイトの内容紹介にも

1970代後半、ソ連は西側に大きな脅威となる「大陸間弾道ミサイル」を開発、80年に実戦配備した。83年、米はこれに対抗し、レーガン大統領が「スター・ウォーズ計画」を提唱した。レーガンは反共主義者であったが、ソ連指導者たちに私信を送り続けていた。ソ連が先制攻撃を仕掛けてきたら、従来の核抑止理論は役に立たない段階に至っていると考え、「核の全廃」しか道はないという理想を抱いていた。一方ゴルバチョフも、新時代の到来を内外に訴えた。レーガンとの首脳会談では意見が合わなかったが、核戦争に勝者がないという一点で、利害の一致を見た。ソ連崩壊後、焦眉の急は、旧ソ連に眠る核・生物兵器など「冷戦の置き土産」だった。頭脳や原材料・機材の流出を阻止すべく、米ではある「秘密作戦」が進行していた。「核兵器のない世界」は実現できるのか? 冷戦の「負の遺産」を清算できるのか? 20世紀の冷戦における軍拡競争、核・生物兵器をめぐる諸事件を、米ソ・国際政治の動向から、人物の心理や言動まで精細に描く。

とあります。上下本と読み応えバッチリですが、読書欄の記事に関心を持たれた方には是非一読していただきたい本です。