王様のブランチの経済学

関東では、土曜の午前は「王様のブランチ」を見ている人も多いと思います。かなり定着したご長寿番組です。かつては、この番組の本のコーナーで紹介された書籍が、午後から都内の書店でバカ売れするといった現象が起きたほど、それなりに影響力のあった番組です。

現在も、「ブランチで紹介されました」というのは、それなりに書店での売り上げに影響力がありますが、全国放送ではないのがもったいないところ。確か、関西では放送していないのですよね?

さて、この「王様のブランチ」ですが、視聴ターゲットは若い女性、二十代から三十代のOLや女子大生だと思います。だからでしょうか、紹介される本も、そのあたりの人たちに受けそうなものばかり、あたしからすると歯応えにやや欠けるものが多い気がします。こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、「本屋大賞っぽい」作品が紹介される傾向が強い気がします。

そういった内容はともかく、値段的にも単行本では1000円台前半から半ばくらいまでのものがほとんどで、そのあたりがターゲットなる女性が本に払ってくれる金額の相場なのでしょう。うーん、これではあたしの勤務先の本はいつまで待っても紹介されることはないでしょうね(爆)。

ただ、その一方で、ファッションやグルメなどで紹介される商品は数千円から10000円を超えるものまで、確かにバカ高いわけではありませんが、立ち食いそばで数百円、コンビニのパンやおにぎりが100円から200円という昼食で日々過ごしている身からすると、かなりの高額なものが紹介されている気がします。

かたや、本だと2000円が上限な感じを受けるのに、ファッションやグルメでは2000円以下なんてほとんど登場しない、このアンバランスさ! 単純に値段だけを比較すると、本の方がはるかに安いのに、と思います。それに、本の方が、その支払った金額で楽しめる時間だってはるかに長いと思うのですが、そういった価値判断といいますか、価値基準、ブランチをご覧になっている方々には合わないのでしょうね。

だから、かつてNHKでやっていた「週刊ブックレビュー」とか、いまなら「100分de名著」の方が、視聴者と紹介される書籍が、あたしの勤務先との親和性が高いと感じられたんですよね。こういう番組、もっと民放の地上波でよい時間帯に放送してくれないものでしょうか?

いや、それよりもやはり、「王様のブランチ」で、もっと高い本とか、歯応えのある(読み応えのある)本を紹介してくれる方がよいのでしょうか?