社会学に注目!

有斐閣の新刊『社会学はどこから来てどこへ行くのか』を店頭で見かけました。

実は文庫クセジュでも『100語ではじめる社会学』という新刊を1月に刊行予定です。

前者は日本の第一線の社会学者が著者に名を連ね、後者は「2010年に創刊された雑誌『社会学』の編集に携わる若手社会学者」が執筆しています。

単行本と新書(文庫クセジュは新書扱いの書店が多いです)なので、担当者に気づかれず、別々なところに並んでいるかも知れませんが、可能であれば併売、併読していただければと思います。

ちなみに、前者の内容紹介は

地道な社会調査の労苦と豊穣さ,学史・理論研究の凄み,そして研究者から見た現代社会の問題点とその理解経路について,侃々諤々の議論をそのまま一冊に収録した数年間におよぶ白熱の対話記録。社会学の到達点と展望を楽しみながら読み,考え,共有してほしい。

で、後者は

本書は、社会学の「概念」(第三章)の解説にとどまらず、これまであまり説明されることのなかった「基本的な考え方」(第一章)や「方法論」(第二章)、そして「社会的属性」(第四章)に章を割くことで、新しい切り口を示してくれる。不平等、社会的断絶、社会的絆などの問題に取り組むセルジュ・ポーガムが中心となって編まれた、現代のフランス社会学の全体像を見渡す手引き書。

です。

新書から入って単行本へ進む

かつて出口治明さんは、薄いやさしく書かれた本はあまり買わない、読まないと語っていました。曰く、結局物足りなくて、しっかり書かれた本を買うことになるので、だったら最初から厚くて高くてもしっかりした本を読んだ方がよいと。

しかし、出口さんのような本読みではない人には、そう言われても敷居の高い方法だと思います。ですので、あたしはまず新書からお薦めします。

 

中公新書の『オスマン帝国』を読んでから、例えば『オスマン帝国の崩壊』にお進みください。

 

プリマー新書の『謎解き 聖書物語』の次には『聖書の成り立ちを語る都市』なんて如何でしょう?

 

平凡社新書の『ガンディー』を読み終わったら、『ガンディーとチャーチル(上)』へ進むなんてどうでしょう?

18名とは……

来週半ばには書店店頭に並び始めると思われる新刊『我的日本 台湾作家が旅した日本』は日本を旅した台湾の作家18名のエッセイ集です。

ところが、公式サイトを見ても、甘耀明ら数人の名前しか載っていません。台湾文学、アジア文学好きの方であれば、どんな人が書いているのか知りたいと思うのが人情でしょう。

というわけで、お節介ながら、以下にその18名の方々の名前を挙げておきます。

甘耀明、孫梓評、柯裕棻、黄麗群、王盛弘、江鵝、陳柏青、胡慕情、盛浩偉、朱和之、呉明益、盧慧心、伊格言、言叔夏、劉叔慧、李屏瑤、王聡威、舒國治(掲載順)

日本で作品が紹介されている人、そうでない人、いらっしゃいますが、台湾ではバリバリの実力派ばかりです。今のうちからチェックしておくとよいのではないでしょうか?

書店でヒントを見つける

昨日の日本経済新聞夕刊です。

書店の店頭からさまざまなヒントが見つかる、という記事なんですが、いまの人はネットから見つけることの方が多いのではないか、という気も若干しますが……

とは、ネットの情報を鵜呑みにするのはよくありませんし、闇雲にネットサーフィンしていたってヒントが見つかるわけではありません。書店店頭で気になったものをチェックした上で、それをキーワードにネットで検索するというのが順当なところなのかな、と思います。

いずれにせよ、本屋に人が来ること、そして本を買ってくれること、その人数が増えるのであれば喜ばしいところです。

それはそうと、この記事には登場していませんが、六本木に先日オープンした文喫などは、ビジネスワークスペースもあり、資料となる書籍が揃っていて、この記事にあるようなコンセプトを形にしたものなのかも知れませんね。

本日も午後1時!

昨日は、午後1時から「ライ麦畑の反逆児」の試写会だったのですが、本日はNHK-BSで「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯」が放送されます。

となりますと、当然のことながら『ビリー・ザ・キッド全仕事』を読み返したくなるのではないでしょうか?

必ずしも映画原作ではありませんが、原作ではないからこそ、映画と小説で補い合って楽しめるのではないでしょうか?

現在品切れですが、一応ご紹介だけいたします

重版が決まった『共通語の世界史』ですが、あたしの勤務先では、著者クロード・アジェージュの著作を以前にも出しておりました。

それが『絶滅していく言語を救うために』です。

残念ながら現在品切れ、重版も未定ですので、古書店を探していただくしかないのですが……

映画公開!

タイトルだけ見たら、「サリンジャーの映画のこと?」と思われそうですが、違います。ご覧のように、今朝の朝日新聞に、こんな大きな広告が載っていました。

マリア・カラスの映画「私は、マリア・カラス」です。

特に原作本があるようなことは書いていませんし、マリア・カラスに関する書籍も思ったほど多くはないようです。

そんな中、あたしの勤務先では、『マリア・カラス 聖なる怪物』という本を出しております。

恐らく、マリア・カラスの評伝としては決定版ではないでしょうか。映画の内容とどれほどリンクするのかはわかりませんが、原作がない以上、ちょっとお値段は高めですが、必読の一冊だと思います。

マリア・カラスのファンの方であれば刊行当時、既にお買い求めになっているかと思いますが、今回の映画で興味を持たれた方、在庫はまだありますので、この機会に如何でしょうか?

Remember! 真珠湾

今日は、何を差し置いても『パール・ハーバー(上)』と『パール・ハーバー(下)』をご紹介しないとなりません。

 

と言われても、新聞やテレビで大きく取り上げられているわけでもないし、「はて、今日はいったい何の日なんですか?」という方も、若い人を中心に多くなっているのかも知れませんね。それに、日本人なら「パール・ハーバー」よりも「真珠湾」と言った方がピンと来るのかも知れませんし。

1941年12月8日、「われ奇襲に成功せり」という日本に対し、「卑怯な騙し討ち」にあった米国が、いかに「恥辱」を越えて現代の地位にまで至ったかを描く歴史読物。日米開戦前史から、日米の明暗を分けた真珠湾攻撃、史家ジョン・ダワーがいう「容赦なき戦争」、原爆投下までを3部で構成し、巻末に「評価と異論」を付す。本書は、米国のノンフィクション作家が、史料と証言を駆使して、両国の戦いの経緯と裏面を縦横に網羅した、まさに「真珠湾大全」というべき大著。第1部では、真珠湾攻撃に至るまでの前史が語られる。たんに歴史の流れを追うだけではなく、多様な逸話を盛り込み、日米の文化、価値観の相違にまで言及する。第2部では、実際の攻撃の様子が精細に描かれる。天皇、大統領から、政治家、将軍、前線兵士まで、人間模様や舞台裏が興味深く語られる。第3部では、米国による「リベンジ」から終戦、戦後のレガシーまでが語られる。巻末には「付録:真珠湾をめぐる判断と異論」として、現在という視点から考察する。地図・口絵写真収録。

ちなみに、上掲は公式サイトの内容紹介です。必ずしも真珠湾攻撃だけでなく、その後の歴史まで俯瞰した大著です。

平凡社と仲良く!

ネットでバズっているということで、Uブックスの『黄泥街』と平凡社ライブラリーの『チェコSF短編小説集』を併せ買いしている人が多いようです。お互いにとって予期せぬ僥倖。中国の作品とチェコの作品なので、普通なら何の共通項も感じられないのですが、海外文学ファンの嗅覚には同じ匂いが感じられるのでしょうか?

 

そんな平凡社とはもう一つ、こんな併せ買いもお薦めです。

 

英語原典で読む経済学史』と『経済学者はこう考えてきた』の二冊です。どちらも著者は根井雅弘さん。

先日の日本経済新聞「活字の海で」で取り上げていただきましたので、既に両方とも買いました、という方もいらっしゃるかと思いますが、単行本と新書なので大きな本屋さんだと近くに並んでいることはあまりない二冊です。

前者の内容は

本書は、英語力を鍛えながら、経済学を学ぶという、大学の「原典講読」を書籍化したものである。アダム・スミスからリカード、ミル、そして限界革命とケインズ革命。英語原典で触れることで、読者は奥深い社会科学の森に足を踏み入れる。知的刺激を覚醒させる一冊。

という感じ、一方の後者は

マルクスの『資本論』は、資本主義崩壊の論理を解明し、ケインズの『雇用、利子および貨幣の一般理論』は、マクロの経済安定を図る「有効需要の原理」を確立した。制度化された現代の経済学教育では、こうした古典的な考えは重視されない。しかし今でも、経済危機が訪れるたびに過去に解を求めるのは、時代を画した優れた経済理論の根底には必ず、確たる思想があるからだろう。経済学の古典的名著から学ぶ意義は、現代においても、決して色あせることはない!

という内容。併読してみたくなる両書ではないでしょうか?

そして、この二組以外にも、まだまだいろいろ出来るのではないかと思案している今日この頃。

歴史を遡って考える

クリミア半島情勢がまたしても怪しくなってきました。

 

多くの日本人には「クリミア半島ってどこ?」という感じかも知れませんし、ましてやロシアがどうしてそこに拘るのか、理解できないところが多いのではないでしょうか?

そんな時、やはり歴史的経緯を振り返るのが一番の早道です。お薦めするのは『クリミア戦争(上)』『クリミア戦争(下)』の上下本です。

更に知りたい方には、『エカチェリーナ大帝(上)』『エカチェリーナ大帝(下)』などもあります。

ロシアとオスマン帝国の角逐については『オスマン帝国の崩壊』も参考になるかと思います。