夏だから涼しげなところへ

書店店頭でこんな本を見かけました。

勉誠出版の『水族館の文化史 ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』です。サイトの説明には

ひとが「魚を見ること」にはどんな意味が秘められているのか。古代の養魚池文化にはじまり、黎明期の水族館のユニークな展示、植民地支配とのかかわり、SF小説や映画の影響、第二次世界大戦中の苦難、展示のストーリー化、さらにはヴァーチャル・リアリティ技術とのハイブリッド化が進む最新の水族館事情など、古今東西の水族館文化を図版とともに概観、ガラスの向こう側にひろがる水の世界へいざなう。カラー・モノクロ図版を200枚以上掲載!

とあります。なんか、どこかで見覚えのあるような気がするなあと思って思い出したのがこちら。

あたしの勤務先から出ている『水族館の歴史 海が室内にやってきた』です。こちらの説明は

「生きた博物館」にして人工の生態系(エコシステム)でもある水族館。その前史であるアクアリウムの誕生と発展をたどり、水族館の現在を見つめ、海洋生物の保護と環境破壊への警鐘を鳴らすユニークな文化史。図版多数。

です。どちらも図版を多用し、水族館の歴史に遡り、似たような本と言えますね。暑いこれからの季節、涼しげな水族館はお出かけスポットとしても人気ですよね。書店でも夏のレジャー向けの書籍を展開するところもあると思いますが、この両書はもってこいではないでしょうか?

が、上の図をご覧ください。『水族館の歴史』のウェブページなんですが、なんとただいま「在庫僅少」なんです。この季節に残念です!

継続しつつも変化あり?

《ニューエクスプレス》という外国語の入門シリーズが、この夏、《ニューエクスプレスプラス》として生まれ変わります。装丁はこんな感じです。

以前の装丁の雰囲気も残しつつ装いを新たにしました。いかがでしょう?

店頭に並ぶのは今週末か来週初めになると思います。最初の刊行は上記の5言語です。

物足りない人にはこんな本があります

山川出版社からロベスピエール 世論を支配した革命家という新刊が出ました。

「世界史リブレット」の一冊で手軽に知識を得られる一冊です。最初の一冊としては手頃なのでしょうが、これでは物足りないという人には『ロベスピエール』をお薦めします。

「等身大のロベスピエール」を描き出した労作です。

文庫版が出たら単行本ではなくて文庫の方を買いますか?

中公文庫から『日本航空一期生』が発売になりました。

 

これはもともと、あたしの勤務先から刊行されていた『日本航空一期生』の文庫版でして、ご自身も日本航空に勤務されていたことがあるという中丸美繪さんが書かれたもので、ウェブサイトには

敗戦から6年、日本の空を取り戻すべく、ナショナルフラッグを誕生させた人々の苦難と喜びを、客室乗務員をはじめ、数少ない生存者の証言を中心に生き生きと描く、渾身のドキュメント

と紹介されています。今回の文庫版、今朝の朝日新聞に載っていた広告では「新規取材を加えた決定版」とありますので、文庫化にあたって増補が行なわれたのでしょう。

ところで、単行本と文庫本、同じ本が出ていたらどちらを買いますか?

ほとんどの人は、安い文庫本の方を買うだろうと思います。

文庫版が出た時に単行本は品切れになっていることも多く、そもそも選択肢に入らないことも多いです。また、文庫は大手出版社が出していますから、新聞などに広告が出ますから、多くの人の目に付きやすく、文庫本が出て初めてそんな本が刊行されていたことに気づくこともしばしばです。

あたしももちろんそうなんですが、好きな作家とか興味ある分野、特に中国史などでは単行本が出た時点で購入している割合が高いです。そして、そんな本のほとんどは文庫になることもなく、数年後には消えていきます。

ただし、いくつかは数年後に文庫になって再登場するものがあります。そういう時に、再び文庫版も買いますか、ということを改めて尋ねたいと思います。

あたしの場合、文庫版も買う確率が高いです。まず上の『日本航空一期生』もそうであるように、文庫版になった時、増補がなされることがよくあります。あるいは文庫本独自の解説などが付くこともあります。それが読みたいがために文庫版も買ってしまうのです。

逆に言えば、単行本に何の手も加えずにそのまま文庫にしただけというのは、出版社の良心を疑ってしまいます。やはり装いを変えて出すからには何か一言あってしかるべきだと思うのです。もちろん、中には、単行本の一章、二章を削って、新たに数章書き足しているような文庫版もあったりしますが、そこまでいくと同じ本の文庫版として刊行してもよいのか、まるで別の本ではないのか、という気もしますが……

あと、文庫ではなく、あえて単行本を買う理由の一つとして、図版などが大きく扱われているので見やすい、というのもあります。中には文庫化にあたって巻頭のカラー口絵をカットしてしまう場合もありますので、図版が命な書籍の場合、判型が大きな単行本がやはり見やすいと思います。

こんな風に、あたしは好きな本であれば単行本も文庫本も買ってしまうタイプなのですが、単行本のよさは装丁の美しさでもあります。文庫は各レーベルのデザインに沿ったものになりがちですから、趣向を凝らした単行本のデザインにはかないません。紙質なども含め、本好きは文庫よりも単行本という人が多いですね。

ところで、上述のように、それなりに理由があって、単行本を持っていても文庫本をあえて買うわけですが、時に文庫化にあたってタイトルを変えて出されることがありますが、そうなると違う本だと思って買ってしまい、よくよく見てみたら「なんだ、あの本の文庫だったのか」と気づくこともあります。

しかし、タイトルを変える場合は、上に書いたように、内容の書き換えや増補もかなりの割合で行なわれていることが多いので、買ってしまって損をした、という気にはなりません。たぶん、本好きな人なら同じような体験、何度もしていることだと思います。

巨頭たちの虚々実々

藤原書店からこんな本が出ています。

 

上の画像は同じ本が並んでいるように見えるかも知れませんが、『奇妙な同盟Ⅰ』と『奇妙な同盟Ⅱ』です。副題は「ルーズベルト、スターリン、チャーチルは、いかにして第二次大戦に勝ち、冷戦を始めたか」とありまして、米英ソ三か国のトップの第二次大戦後半から戦後に掛けての駆け引きのノンフィクションといったところでしょうか。

となりますと、あたしの勤務先のこんな本も一緒にいかがでしょう?

ローズヴェルトとスターリン(上)』『ローズヴェルトとスターリン(下)』の上下本です。こちらの副題は「テヘラン・ヤルタ会談と戦後構想」ですから、ほぼ似たようなテーマを扱っていると言ってよいでしょう。

あるいは『ヤルタからヒロシマへ』という書籍もあります。副題は「終戦と冷戦の覇権争い」ですから、やはりテーマは重なりますね。ヒトラーのドイツや日本の軍部がにっちもさっちもいかなくなり、終戦の仕方すら思いつかないような状態だった同じ時期に、彼らは既に戦後について話し合っていたとは。これでは戦争になど勝てるわけはありません。

文字と図像のコラボなんて如何?

出版傾向が似ているのか似ていないのか、にわかにはわかりませんが、営業部員同士はそれなりに親しい創元社。その創元社の出版物とこんなコラボは如何でしょうか? 二組、考えてみました。

 

まずは『100の傑作で読むギリシア神話の世界 名画と彫刻でたどる』と『ギリシア神話シンボル事典』というペア。

 

もう一つは『100の傑作で読む新約聖書ものがたり 名画と彫刻でたどる』と『キリスト教シンボル事典』のペアです。

いずれも前者が創元社、後者が文庫クセジュです。創元社のはタイトルにもあるとおり絵画で視覚的に見せるものです。一方の文庫クセジュは、シンボルというタイトルにもかかわらず、すべて文字で説明するというもの。なまじ図像を出してしまうとイメージが固定されてしまうからという考えに基づく二点です。

こういう組み合わせで、あえて並べてみるというのも面白いのではないでしょうか?

「国体」と言っても国民体育大会のことではありません

国体論 菊と星条旗』が売れているようです。

 

同書を核としたフェアが、新宿の紀伊国屋書店で行なわれていました。そこに置いてあったチラシ(小冊子?)が上の写真です。同書の著者、白井氏が同書執筆にあたって参照した書籍をリストアップしています。

そのチラシには上の写真のように、白井氏のあいさつと言いますか、フェアにあたって、本書を執筆するにあたって、という感じの文章が載っています。平成の三十年は失われた三十年なのでしょうか? いろいろ考えさせるテーマです。

このフェアに間に合わないわけですから白井氏の執筆にも間に合わなかったのですが、近々、あたしの勤務先から『丸山眞男と戦後日本の国体』という新刊が発売になります。

国体に関する議論、このところ大盛り上がりとまでは言えないかもしれませんが、諸々の書籍を読んでいると散見されるのが目に留まります。静かなブームが起きているのでしょうか? 本書の刊行が、そんな国体論に一石を投じることになるのでしょうか?

似ていますか? 似ていないですか?

あたしの勤務先のウェブサイトに「英語原典で読む経済学史」という連載があります。アダム・スミスから始まって、デイヴィッド・リカード、ジョン・スチュアート・ミルと続き、先頃古典派経済学が終了したところです。

と思っていたら、講談社現代新書から『はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで』という新刊が発売になりました。ウェブ連載の方はまだまだ続きますが、一足先にその簡易版が書籍化されたような感じを受けるのはあたしだけでしょうか?

が、ウェブ連載の担当者に聞いてみると、現代新書の著者・中村隆之氏は、ウェブ連載の筆者・根井雅弘氏の弟子にあたる方だそうです、それでなんとなく合点がいきました。「あとがき」にも根井さんの名前が出ています。

続きましてはこの二点。

 

河出書房新社の『野蛮なアリスさん』と講談社の『人間に向いてない』です。このカバー、似た雰囲気ではありませんか? 似ていると感じるのは、これもまたあたしだけなのでしょうか?

そして最後にこの二点。上下本なので上巻のみを挙げます。

 

草思社の『銃・病原菌・鉄(上)』と筑摩書房の『馬・車輪・言語(上)』です。この二つ、似ているどころの騒ぎではないような……

確かに、似たようなテーマを扱っている両書ではありますが、原著者が異なります。装丁家が同じなのでしょうか?

カバー写真に使っています

朝日新聞の東京版に高氏さんが登場しています。高氏さんがどのような方であるかは記事を読んでいただくとして、あたしの勤務先もお世話になっています。

 

読むパンダ』のカバー写真は、高氏さんが撮った写真を使っているのです、シャンシャンではないのですが……。

芸術の夏?

ミケランジェロの展覧会ですか?

確か、「アート・オン・スクリーン」という映画も公開になるようで、この夏はちょっとしたミケランジェロ祭りなのでしょうか?

 

あたしの勤務先からですとヴァザーリの『芸術家列伝3 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ』があります。