プロのために、この一冊

中級フランス語 叙法の謎を解く』の見本出しです。店頭に並ぶのは、早いところで週末、ほとんどの書店では週明けになると思います。

というわけで、これまでの《中級フランス語》シリーズです。特に巻数を振っているわけではありませんが、奥の3冊が第一期的な感じで、第二期はあと一冊、『冠詞の謎を解く』が出る予定です。

このシリーズはどれも専門家、フランス語の先生方からの評価も高く、支持されているシリーズです。本書も間違いなく売れるでしょう。

「世界を変えた」人は確かに立派なのでしょうけど……

書店店頭でこんな本が並んでいるのを見かけました。

 

世界を変えた100人の女の子の物語』と『世界を変えた50人の女性科学者たち』です。タイトルもよく似ていて装丁まで似た感じ、同じ出版社から出たシリーズもののようにも見えますが、微妙に判型が異なりますし、そもそも出版社が異なります。

このような「世界を変えた」と名が付く書籍は偉人に注目したものが多いですが、本や建物、発明などモノにスポットをあてたものも数多く出版されていて、このジャンルの人気があることがうかがわれます。つまりは「失敗の本質」の逆で、成功した人の体験に学びたいということなのだと思います。

一般的なものは既に出尽くしたので「女性」にスポット当ててみたのがこの両書ということなのでしょうか。いみじくもそんな両書がほぼ同時刊行されているのは偶然なのか、必然なのか、そのあたりの事情はわかりません。前者は224ページで税込み2592円、後者は128ページで同じく1944円。前者はタイトルが「女の子」となっているように、大人だけでなく、多分に児童にも目を向けた本のようですね。

ところで、こういう「世界を変えた」人の話って、確かにためになるし、勉強になるし、自分も頑張ろうという気持ちにさせてくれる面はあると思うのですが、あたしのような天の邪鬼はどうしても説教臭さが気になって素直に受け取れないところがあります。たぶん、そういう人って多いのではないでしょうか?

そんな人たちに是非読んでもらいたいのが『バンヴァードの阿房宮 世界を変えなかった十三人』です。これも先の二書と同じように翻訳物ですが、たったの13人で446ページ、税込み価格はなんと3888円もします。こちらは、一人一人に紙幅をきちんと割いた読み物です。

この手の本は、翻訳にしろ、日本人の著作にしろ、一人数ページで簡単にその偉人が成し遂げたことが理解できるように作るのが王道だと思います。しかし本書はそうではなく、とにかく自分の信念だけを信じ、ただそれにひたすら忠実に、真面目に生きた13人の物語です。

本書が出た当時、朝日新聞の読書欄で三浦しをんさんが紹介してくださいました。

私が特に好きだったのは、前述した十九世紀のロミオ役者、ロバート・コーツと、台湾人だと自称して十八世紀のロンドンを騒がせたジョージ・サルマナザールだ。コーツ氏の珍妙な舞台衣装と熱演ぶり(および観客の戸惑いと怒号)の描写は、腹の皮をよじれさせずに読むのが困難だ。見たかったよ、こんなすごすぎる『ロミオとジュリエット』! サルマナザール氏に至っては、数奇な人生すぎてここでは説明しきれない。彼は日本人を自称したこともあるのだが、実際はアジア人では全然なかった。(2014年9月28日付朝日新聞)

この文章だけでも、本書を読んでみたくなったりしませんか? ちょっと高いしボリュームもあるので気軽に手が伸びる本ではないかも知れません。しかし、読み始めたら止まらない、とにかく面白い一冊です。そして三浦しをんさんは

本書に登場する人々は、ほとんどが失意と悲しみのうちに世を去り、死後の栄誉や称賛とも無縁だ。だが、著者の丹念な筆致は、大切な事実を浮き彫りにする。情熱を持って精一杯生きたひとのなかに、「敗れ去ったひと」など本当は一人もいないのだ、ということを。

と紹介文を結んでいます。あたしも読みましたが、読後に一抹の寂しさと共に何とも言えない爽快感、満足感も感じられるのが本書でした。

ありますよ!

『ナイロン100℃ シリーワークス』ですが、書店店頭はおろか、ネット書店でも軒並み品切れですが、重版が出来ました。なので……

上掲のように、紀伊國屋書店新宿本店には在庫あります。

たぶん、現時点でも「在庫あり」のはずですが、いつまで在庫ありなのかはわかりませんので、売り切れていた場合はご了承ください。

こういうことになるわけよね

前のダイアリーに書いた、ヒトラー関連書籍の件。

例えば、並べるとこんな感じになります。

とりあえず、マンシュタインとハイドリヒを並べてみました。面陳もよいですが、最近の書店ではキューブ型の透明プラスチック什器を使っているお店も増えてきましたので、そういうところに立てて並べてみるというのも面白いかと思います。

こんな風な並べ方も出来ます。その他にも『ローズヴェルトとスターリン(上・下)』なんていうのもあります。

って言うか、そもそも上の写真のように「立てられる本」ばかりというのはどうなんでしょう? そりゃ、上製本でそこそこのページ数があれば立ちますけど、あたしの勤務先の場合、立ててもものすごい安定感のある厚みの本が多すぎませんかね?

既に棚から消えてしまっているのでしょうか?

作品社から『マンシュタイン元帥自伝』という本が出ました。

  

マンシュタイン本人のものですと過去に『失われた勝利(上) マンシュタイン回想録』『失われた勝利(下) マンシュタイン回想録』が中央公論新社から出ていますが、今回は自伝なのですね。

そしてそして忘れてはならないのが、あたしの勤務先から出した『ヒトラーの元帥 マンシュタイン(上)』『ヒトラーの元帥 マンシュタイン(下)』という評伝です。作品社の新刊の隣に、うちの本は並んでいるでしょうか?

やはり新刊でないし、上下本というボリュームのために棚から消えてしまっている書店も多いようですね。この機会にもう一度並べていただけると嬉しいです。

ちなみに作品社は、マンシュタインの前には『「砂漠の狐」回想録 アフリカ戦線1941〜43』というロンメルの本も出していましたね。あたしの勤務先と合せると、ヒトラーとその群像の一大フェアが出来そうです。

台湾華語は大人気

相変わらず『今日からはじめる台湾華語』が人気です。よく売れています。そもそも台湾華語自体が人気なようで、とうとう『デイリー日本語・台湾華語・英語辞典』という辞典まで発売されました。

 

この数年で一気に「台湾華語」を標榜する書籍が増えましたが、ザッと上げると『台湾華語&繁体字練習帳』『街ぶら台湾華語』『小道迷子の知ってトクする台湾華語』『おいしい台湾華語 好吃!台灣』『小道迷子の 台湾からようこそ日本へ〜台湾華語でおもてなし〜』などがありますがそんな中でもあたしの勤務先の一冊はよく売れていると思います。

 

  

これだけ出ている中で、なんであたしの勤務先の本が売れるのか、決して安いわけでもないのに、と思っていたのですが、他社の本をよくよく見ますと、台湾の注韻字母できちんと教えるタイプのものがほとんどないということに気づきました。大陸のピンインを使っている教材もありますが、やはり台湾の中国語を学びたい人にはピンインでは受け入れられないのかも知れません。

さて、「台湾華語」ですが、これは「台湾の中国語」ということで、本屋で見かける「台湾語」ではありません。むしろ大陸でも使われている中国語の標準語に近いものだと思っていただいた方がよいでしょう。

ですから、本屋で語学書の棚の端っこの方に、アジア諸外国語としてタイ語、ベトナム語、フィリピノ語と並んでいる中の「台湾語」のところに置かれるよりは(←こういう書店さん、多いです)、普通に中国語の棚に並べていただいた方がよいのかも知れません。中国語の中に広東語、上海語、台湾語などと分かれている本屋では台湾語の中に置かれていることが多いですが、これも台湾語ではないので正しいのかと言われると違いますし、しかし、台湾に興味があるからあえて台湾華語を学ぼうとしている人なら台湾語もマスターしようと思っているでしょうし、難しいところです。

刊行が楽しみ!

こんど『フランス語動詞活用ドリル虎の穴』というフランス語の参考書が出ます。「虎の穴」って何? というツッコミが来そうですが、コミックではありませんし、タイガーマスクリスペクトでもありません。純然たるフランス語の学習書です。

装幀は上の画像のような感じです。タイトル以上に装幀も、これまでのあたしの勤務先の学参っぽくありません。でも店頭ではものすごくお客様の目に飛び込んできそうな感じです。

「何これ?」と思わず手に取ってもらうこと、それが本にとっては大事なことです。でも、中味までふざけたものでは意味がありません。そこは大丈夫、しっかりした出来映えです。

ただ、やはり装幀やタイトルに奇を衒っただけありまして、たぶん、あたしの勤務先で初めての試みだと思いますが、ページの真ん中を折って使う学参なんです。他社ではこういうタイプの学参、単語集とか熟語集で見たことがありますが、あたしの勤務先では初です。

英語ではありそうですが、諸外国語ではほとんど見かけたことがありませんので、上の画像のように裏表紙に使い方を明示してあります。店頭でどんな反応が巻き起こるか、今から楽しみな一冊です。

「世界で一番簡単」と「日本で一番売れている」

朝日新聞に載っていた幻冬舎の広告。

世界一簡単なフランス語の本』が載っています。著者の中条省平さんは、あたしの勤務先でも何かとお世話になっている著訳者のお一人です。

それはともかく、この広告の文章に「フラ語」という言葉が出て来ます。本のタイトルはオーソドックスに「フランス語」ではありますが、イマドキの若者にアピールするには「フラ語」の方がよいのでしょうか?

 

しかし、「フラ語」と言ったら『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』をはじめとした、あたしの勤務先の「フラ語」シリーズです。

世界一簡単な」のと、たぶん「日本で一番売れている」ので相乗効果を期待したいところです。

シンクロニシティ

昨日の朝日新聞夕刊社会面です。

戦艦大和に関する記事が大きく載っていました。この記事を見たとき驚いてしまいました。

何故かと言えば、ちょうど昨日、新刊『吉田満 戦艦大和学徒兵の五十六年』の配本日だったからです。こんな偶然ってあるのでしょうか?

 

 

来週発売の乃木坂46の新曲ではありませんが、まさにシンクロ!

今年は生誕200年!

今年はカール・マルクスの生誕200年です。

もうマルクス主義の時代じゃないよ、と言われもしますし、マルクス経済学は大学でも専攻する人がいない、などと言われているようですが、昨今はまたマルクスに注目が戻ってきているような気がします。

ソ連や中国を初めとした共産主義国家は失敗に終わりましたが、果たしてそれがマルクス主義の失敗なのか否か、もう少し慎重に見極める必要があると思いますし、そもそもスターリン時代のソ連とか毛沢東時代の中国を見て、マルクスがどう言うのか、とても興味があります。

さて、そんなマルクスですが、岩波ホールで近々映画が公開になります。エンゲルスとの若き日を描く映画のようですね。去年が『資本論』第一巻の発行から150年、今年が『共産党宣言』が発行されて170年目という節目ですので、こういう映画が作られたのでしょう。

というわけで、こんなマルクスの評伝は如何でしょうか?

マルクス(上) ある十九世紀人の生涯』『マルクス(下) ある十九世紀人の生涯』です。

近年の邦訳では『世界精神マルクス 1818-1883』などもございます。

日本でも貧富の格差が開いていて「格差社会」などと言われています。ピケティをはじめ、その手の本が売れたり注目されている中で、改めてマルクスに帰ってみよう、という空気があるのかもしれません。