別巻が楽しみ!

この週末の読売新聞の紙面です。

フランス現代思想が熱い、ということなのでしょうか? 挙がっている名前はデリダ、レヴィ=ストロース、フーコーといった面々。

となると、この秋刊行予定の『メルロ=ポンティ哲学者事典』の別巻が、ちょうどこういった哲学者を扱っていますので、非常に参考になると思います。

これほど秀逸な展開の仕方、見たことない?

お陰様で好調な新刊『日本の夜の公共圏』ですが、ブックファースト新宿店で、こんな感じで同署を並べているのを発見しました。

まずは『なぜ働くのか』を並べて労働に対する疑問を投げかけ、その次に『18時に帰る』という、よき家庭人でもあるサラリーマンを目指したようなタイトルを配置。非常にわかりやすい主張です。

 

しかし、その次に並んでいるのが『日本の夜の公共圏』です。

「早く帰る」のは何のためか? それは子供が待っている家庭に帰るためではない! ママが待っているスナックへ行くためだ! そこに公共圏があるからだ!

「なぜ働くのか?」と問われれば、それは晩に美味しいお酒をスナックで飲むためだ!

いやー、明快な展開方法ですね!

碧野圭さんオススメ?

人気シリーズの最新刊『書店ガール6』の215頁です。

本作の主人公、彩加が店長を務める取手のエキナカ書店でワンオペをしているシーンです。

「これ、いただけますか」
女性客が単行本を差し出した。彩加がこっそり自分の趣味で並べて置いた『歩道橋の魔術師』という本だ。地味な台湾の翻訳小説なので、まさか売れるとは思わなかった。思わず客の顔を見て、声をあげた。

同書を買ったお客が誰だったのかは、是非『書店ガール6』を読んでいただくとして、ここに登場する『歩道橋の魔術師』は、あたしの勤務先の刊行物です。確かに地味な翻訳小説ですが、かなり売れた本です(笑)。

また本書の解説で岡崎武志さんが、読書は必要ないという朝日新聞の投書について取り上げていらっしゃいますが、これについては『パブリッシャーズ・レビュー』の最新号(白水社の本棚、2017年夏号)のコラム「愛書狂」でも触れています。併せてお読みいただければ幸いです。

で、この『書店ガール』シリーズ、あたしはずっと読んでいます。最初の単行本が出た当初、あたしは中央線沿線の書店が営業担当で、当然、舞台となった立川のオリオン書房も訪問先の一つでした。そこで、「こんど出た新刊、うちが舞台なんですよ」とお店の方に教えていただいたのを覚えています。その後も吉祥寺が舞台になったりして、やはり馴染みの設定が懐かしさを覚えます。

ちなみに、本作のもう一人の主人公、小幡の奥さん・亜紀って、ドラマで渡辺麻友がやった役ですよね? 本書を読んでいても、まゆゆの顔がちらついてしまいました(汗)。

あと一巻

並べてみました。『メルロ=ポンティ哲学者事典』です。

第一巻刊行で、これで本編は完結ということになります。

残る別巻は秋の刊行、10月か11月になる予定です。いましばらくお待ちください。

待ってました!

月末に『メルロ=ポンティ哲学者事典 第一巻』が配本になります。

 

第三巻』『第二巻』と刊行し、ようやく最初の巻である『第一巻』にたどりつきました。これでメルロ=ポンティが編纂した哲学者事典は完結、『別巻』はメルロ=ポンティ以降を、その体裁に倣って日本の訳者の方々が補ったものになります。

なぜ第一巻からではなく第三巻から刊行したかと言えば、十九世紀、二十世紀の思想家を中心とした第三巻が一番読み応えもあるのではないかという判断でしたが、読者や書店からは「第一巻と第二巻が入荷していないのですが……」という問い合わせが何件かあり、やはり多少の混乱を招いてしまったところはあるようです。それもこの『第一巻』が刊行されればほぼ解消するでしょう。

とはいえ、あたし個人としてはこの『第一巻』が一番楽しみな巻でした。なにせ東洋哲学が収録されている巻ですから。

目次の一部、あたしの専門とする中国哲学の部分をご覧いただくと上の写真のような具合です。最初にインドの哲学が来て、その次が中国、そして古代ギリシアと続きます。

中国哲学で大きく取り上げられているのは、孔子でも老子でもなく、荀子と荘子というところにセンスを感じます。その他にもどういう人物を立項しているか、非常に興味深いです。やはりフランスの学者だから西洋哲学に紙幅を割いていて、東洋はこの第一巻にコンパクトにまとめられてしまっているのが残念ですが、致し方ないでしょう。

やはりインドが暑い、否、熱い?

あたしの勤務先の新刊『モディが変えるインド』の刊行と前後して、こんな本が出ていました。

 

日経BP社の『最後の超大国インド』です。著者は元駐インド大使の方のようです。

最近は雑誌などでもインド特集をしばしば見かけるようになりました。やはりアジアの大国として、一部には中国封じ込めの切り札として、インドという国の存在感が増してきているのでしょう。

そういえば、インド式九九などが数年前に流行りましたし、シリコンバレーではインド出身者が活躍しているという話も聞きますので、インドに関する本は、これからもっと増えるのではないでしょうか?

少しずつ変わっているのにお気づきでしょうか?

下の写真は、あたしの勤務先の語学書です。おかげさまでよく売れている中国語検定対策問題集です。まずは4級を出し、3級、2級と3冊揃った状態が下の写真です。

他の級の刊行も視野に入れつつ、最初に出した4級の改訂版を刊行したのが2015年8月。それが下の写真です。4級だけちょっとデザインが変わったのにお気づきでしょうか?

上の写真の時には、書店店頭でも3冊が並んでいるところが多かったのですが、下の写真になるとデザインが異なるからでしょうか、4級だけ離れたところに並んでいるのをしばしば見かけるようになりました。

そして、このたび3級も改訂版が刊行になります。それが下の写真です。4級に揃えたデザインになりました。

こうなると、こんどは2級だけが離れて並んでいる書店が増えそうですね。

でも、ご安心ください。2級も今年の秋までには改訂版が刊行予定です。しばし待て、というところです。

そしてそして、改訂版ではなく姉妹篇の刊行もあります。スペイン語の語学書です。

『接続法ドリル』は狙いを絞ったのが効果的だったのか、安定したロングセラー商品になっています。その姉妹篇、こんどは動詞ドリルです。こちらもヒット商品になることを期待しています。

いや、営業が「期待しています」なんて言っていてはいけませんね。ヒット商品にしなくては!

ただ個人的には語学書の場合、ヒット商品と言うよりもロングセラー商品の方が嬉しいです。それが結果的にヒット商品になるわけですから。

濃尾三日間

人文会の研修旅行で愛知・岐阜・三重の三県を水木金の三日間かけて回ってきました。各社名古屋地区は頻繁に出張で訪れているでしょうが、岐阜や三重はなかなか足を運んでいない出版社も多いようで、かくいうあたしの勤務先も訪問はご無沙汰の地区です。なので、こういう機会に行ってみようと思い、名古屋地区は少し駆け足で回り、岐阜、そして三重を回った次第。

行程としては、まずは豊橋に立ち寄って、それから名古屋市内へ。初日は名古屋に泊まって二日目は木曽川、岐阜、大垣といった町を巡って岐阜泊まり。最終日は岐阜からいったん名古屋へ戻り、近鉄線に乗り換えて四日市と津を回って帰京、というものでした。

肝心の岐阜や三重がどうだったのか? 大都市・名古屋が近いということもあり、客を名古屋に奪われているのは書店に限らないようです。特に三省堂の新規店がオープンした名古屋駅のビルへ、今のところ客足が向いているようです。この傾向は岐阜や三重だけでなく、同じ名古屋市内の栄についても言えそうです。客足は名駅へ流れているという話を複数で耳にしました。

それにしても、地方都市(名古屋クラスを地方都市と呼んでよいのでしょうか?)はかつての繁華街がさびれ、郊外のショッピングモールに人が集まっていると言われるようになって久しいです。特に地方になればなるほどクルマ社会ですので、道が狭く駐車場もない旧繁華街よりは郊外へという流れになっていました。

しかし、新幹線が通っているところでは、JRが駅ビルを作り、そこに人が集まるようになり、また客の流れが変わっているのをここ数年感じるようになりました。札幌も大通よりもこの数年は札幌駅の方が賑わっています。新幹線が開通した金沢も駅の賑わいは東京のターミナルのようでした。そして名古屋も名駅が一人勝ちになっているかのようです。モールもがらんとしているところが目に付きますね。

岐阜や三重に関しては、高校まではそれなりに学生もいますし、大学もあるので、そこへ通う学生も地元を中心にいるようです。でも彼らがずーっとそこにいるのかというと、大学を卒業すると名古屋や東京・大阪へ出て行ってしまう、という傾向が強いようです。若者が残っても仕事がないということなのでしょうか? 確かに駅前ですら寂しさを感じるところが多々ありました。若者が住んでいないと、やはり活気に乏しくなるものです。

訪れたのが岐阜や大垣、四日市、津といった県内でもそれなりの都市でしたからまだマシな方で、電車の車窓から眺めただけの途中駅では、本当に人っ子一人いなさそうなところばかりでした。もちろん上述のようにクルマ社会ですから、JRなどの駅前だけで判断してはいけないのでしょうが……

ところで、タイトルは「濃尾」としましたが、三重を加えた場合は何と呼んだよいのでしょうか? 伊勢をどうくっつけたらよいのでしょう?

初岐阜

出張二日目、本日は岐阜泊まり。

岐阜は入社間もない頃に大学回りで来たことがありますが、その時は宿泊は名古屋で、書店営業もしませんでした。なので岐阜の書店を回り岐阜に泊まるのは初めてです。

と書いて、数年前に梓会の研修旅行で長良川沿いのホテルに泊まったことがあったのを思い出しました。でも、その時も岐阜の書店は回っていなかったはず。今回が正真正銘の初訪問でした。

やはりどんなところでも来てみないとわかりませんね!

『勉強の哲学』と『日本の夜の公共圏』

勉強の哲学』が好評の千葉雅也さんが自身のツイッターで、あたしの勤務先の新刊『日本の夜の公共圏』について触れてくれました。

今や売れっ子の千葉さんですから、「千葉雅也がつぶやいていた本って、どうなんだ?」と興味を持ってくださる方もきっと多いことでしょう。

 

そんなSNS上のつぶやきを踏まえてなのでしょうか?

ご覧のように両署が仲良く並んでいました。紀伊國屋書店新宿本店の一階、人文・社会の新刊台です。お陰様で、初動もなかなか好調だそうです。