いま読むなら、これ! 夏休みの読書感想文対策本

連日の猛暑です。何をするのもかったるいと感じるのはあたしだけではないでしょう。お盆休みも終わるわけで、「あっ、夏休みの宿題、まだ終わってない!」と青ざめている学生の方も多いのでは?

この時季に、まだ終わっていないのを思い出して青くなるのは、読書感想文が最右翼ではないでしょうか? なにせ、読書感想文の場合、読む&書くという、どちらも至極面倒な作業をこなさないとならないわけですから。ちゃちゃっと一時間かそこらで済ませることができないタイプの課題ですね。

だからでしょう、夏休みに書店員さんが聞かれるお客様からの質問で多いのは「簡単に読み終わる」「すぐに読み終わる」本はどれですか? というもの。「面白い本はないですか?」という質問ならいろいろ答えてあげたくもなりますが、「すぐに読み終わる」なんていう質問には、正直、答えたくないのが書店員さんの本音ではないでしょうか? いや、本を買ってくれるなら、この際うるさいことを言うのはやめましょう。

で、それでも夏休みの残り日数を考えると、長い作品には手を出したくないというのは本音だと思います。出来れば短いもの、そして読んで面白いものを選びたくなるものです。

そこであたしのお薦めは、ズバリこれ、『魔法の夜』です。

えー、ガイブン? 難しくない? という意見が聞こえてきそうですが、これに冠してはガイブンというハードルはほとんど感じないでしょう。舞台はアメリカのとある田舎の街です。そして季節は夏。暑くて寝苦しい夜に、眠れないで街中に出てきた人たちのオムニバスです。

部屋の中にいたら息苦しくて死にそうだという少女、長いこと新作が書けないでいる中年の小説家、夜な夜な他人の家に忍び込んでいたずらをしている少女たち、ショーウィンドーのマネキンに恋をする酔っ払い、そんな酔っ払いに見つめられ、月明かりの下、動き出すマネキン、そして屋根裏で活動を開始するおもちゃたち。

こんな人たちの、ある夏の一夜の物語が本作です。どうです? 寝苦しい夜、本書を片手にちょっと家から抜け出して、公園のベンチか何かで本書を広げてみては如何でしょう? 原書にも「月の光でお読みください」と書いてあるので、外で読むのが正しい読み方です。きっと朝までには読み終わってしまう程度の長さです。

それに、たぶんクラスメートの多くが日本人作家の作品の感想文を書く中にあって、ガイブン、それもミルハウザーの作品で感想文を書いたら、これはちょっとカッコいいと思うのですが!

いま注目すべきは五輪で沸くブラジルではなく、チリなのでしょうか?

ちょっと前に『第三帝国』が刊行されたロベルト・ボラーニョはチリ出身の作家です。いま、まさに熱い闘いが繰り広げられているブラジルと同様、南米の国です。あの、アンデス山脈に沿った南北に細長ーい国と言えば、世界地図を思いだしてくださる方も多いのではないでしょうか?

そのチリを扱った映画が2本、この秋に相次いで公開になります。一つめは、既に一度紹介していますが、「コロニア」です。ピノチェト政権期にあった収容施設を舞台にした作品です。

そしてもう一つが、「チリの闘い」です。こちらは、そのピノチェト政権ができるまでのドキュメンタリーですね。

混迷を極めたチリの現代史。それを扱った作品がほぼ同時期に日本で公開されるなんて、なんという偶然でしょう。たぶん、この夏はリオ五輪で世界の目が南米に注がれていますから、さらにもっと南米について知ってもらおうという発想なのではないでしょうか?

それはそれでよいことだと思います。チリのクーデターなんて、どれほどの日本人が知っているでしょう? ピノチェト政権なんていう言葉も聞いたことある日本人が多いとは思えません。ですから、こういう機会に少しでも知ってもらおうと、いろいろなイベントを行なうのは有意義なことだと思います。

メディアミックスではありませんが、五輪の喧噪が冷めた頃、書店でも<チリ>フェアなんて出来ないものでしょうか? なんてったってチリは、ノーベル文学賞受賞者を輩出している国ですから。『ラテンアメリカ文学史』『ラテンアメリカ十大小説』あたりから拾ってくれば、それなりの作品を集められるのではないでしょうか?

 

あたしの勤務先ではチリと言えばボラーニョくらいしか出していませんが、文学に限らず旅行ガイドやエッセイなども加えれば、バラエティ豊かなフェアになると思います。もちろん、ラテンフェアとしてチリに絞らなくてもよいと思いますが……

今日が山の日だから「鉱山」を「ヤマ」と読ませているわけではありません

次回の朝日新聞読書面に掲載予定の『三池炭鉱 宮原社宅の少年』(石風社)は、三井三池炭鉱のノンフィクションのようです。

 

同じ炭鉱つながりで、あたしの勤務先の『鉱山のビッグバンド』も売れてくれると嬉しいのですが……
(書名の「鉱山」は「ヤマ」と読みます!)

それにしても、いま炭鉱がブームなのでしょうか?

テレビドラマ「あさが来た」でも炭鉱(鉱山)は重要な舞台でしたし、「山本作兵衛の炭鉱記録画」がユネスコの世界記憶遺産になったのも記憶に新しいところですね。そういう流れなのでしょうか?

王妃と言えば……

この秋、こんな展覧会が開かれます。

マリー・アントワネット展

森アーツセンターギャラリーが会場です。アントワネットと言えば「ベルばら」、日本でも人気が高い人物ですので、それなりに混雑も予想されます。そして、恐らく、関連書籍もたくさん刊行されるのでしょう。

しかし、フランスと言えばあたしの勤務先だって黙っているわけにはいきません。こんな本を出しております。

まずは『ローズ・ベルタン』、サブタイトルが「マリー・アントワネットのモード大臣」ですから、今回の展覧会ともかなり関わりがありそうです。

 

続いては、これは小説ですが、映画化もされた『王妃に別れをつげて』です。

この「王妃」とは、もちろんアントワネットのことです。

そしてアントワネットたちの暮らした舞台でもある『ヴェルサイユ宮殿に暮らす』という書籍も出しています。ただし、ただいま在庫僅少です。

また近々新刊で『カンパン夫人』を出します。カンパン夫人って誰、という人が多いと思いますが、本書のサブタイトルは「ランス革命を生き抜いた首席侍女」です。もちろんアントネットに仕えた女性です。

夏休みだからと言って誰もが旅行に行くわけではない、休みが取れなかったり、お金がなかったり、様々な理由で出かけられない人だって多いはず、そんな人には…

机上旅行をおすすめします。

地図って見ているだけで愉しいですよね?

そもそも、地図マニアって実はかなり多いようですし、古地図なども、しばしば書店店頭で即売会をやっているのは、それなりに売れるからでしょう。

そして地図だけでなく、時刻表もマニアの多い本ですね。

地図と時刻表、これだけあれば、自宅にいながら旅行気分が味わえます。それに現在ならインターネットで、その土地の写真や映像を見ることもできますから、ますます「行った気分」に浸れます。

そういう方々に向けてなのでしょうか、こんな本が発売になりました。

  

地図趣味。』です。そして同書の中でも紹介されているのが、あたしの勤務先から出ている『みんなの空想地図』です。あとは『地図マニア 空想の旅』などを追加すれば、盆休みに向けて準備万端整うのではないでしょうか?

山ですよ、山!

今週末は盆休み。既に今日から休みに入っている優良企業も多いようですが、あたしの勤務先は木曜から来週の月曜まで。その木曜日は今年から祝日となった「山の日」です。

というわけで、おすすめするのはこちらです。

登山家のバイブル、『日本登山大系[普及版]』全10巻です。書店に行くと、もっとビジュアルで、見やすい登山ルートガイドやマップなどが売られていますが、そういった素人向けのものはともかく、玄人筋には非常に評価の高いのが本書です。最初に刊行されたのはかなり前になりますが、「これに代わるものはない」と言われるほどの評価をいただいております。

  

その他、あたしの勤務先もちょっとは登山関係の本を出しておりまして、『沢登りの本』『ヒト、山に登る』『垂壁のかなたへ』といった本を出しておりますし、いわゆるグレート・ゲームで言えば『沈黙の山嶺(上)』『沈黙の山嶺(下)』といったものも出しております。

  

ちなみに、「山」と言っても登山のことではありませんが、最新刊『鉱山のビッグバンド』の「鉱山」は「ヤマ」と読んでください。

映画とコラボ?

朝日新聞の夕刊に載っていた広告です。

栄光のランナー」という映画が公開になるようです。

1936年のベルリン・オリンピックを題材にした作品ですね。となるとあたしの勤務先の『ベルリン・オリンピック1936』を思い出してしまいます。

  

この1936年の五輪に関する本はいくつか出ているようですので、映画公開に合わせてフェアなどやってみては如何でしょうか? ちょうどリオ五輪も始まったことですし。

そして、この4年後が幻に終わった1940年の東京五輪だったのですよね。

100人がこの夏おすすめする一冊 2016@青山ブックセンター本店

確か昨年もやっていた夏のフェア、「100人がこの夏おすすめする一冊」フェアが始まっています。

あたしの勤務先の刊行物では、ヒグチユウコさんが『最後の物たちの国で』を、森田真生さんが『物質と記憶』を挙げてくださいました。このフェア、必ずしも新刊が選ばれるわけではないところが面白いですね。

 

ところで、青山ブックセンター本店といえば、来る8月21日にこんなイベントも行なわれる予定です。

台湾 vs. 韓国 台湾・韓国の文学・映画を語り尽くす!

斎藤真理子✕天野健太郎✕金原瑞人✕三辺律子の4氏によるトークイベントのようです。このイベントのポスター(?)にも使われているのは、天野健太郎さん訳『歩道橋の魔術師』、もちろんあたしの勤務先の一冊です。

スペイン語の表現で併売を!

語学書売り場でこんな本を目睹。

三修社の『会話と作文に役立つスペイン語定型表現365』です。スペイン語の表現を学ぶ本ですね。

と思った刹那、思い出しました。

あたしの勤務先から出ている『新・スペイン語落ち穂ひろい』です。この本のサブタイトルは「777の表現集」と言います。表現の数だけをカウントすれば、こちらの方が倍近い数になりますね。そして価格も安いです。

とりあえず、併売していただきましょう!