「国体」と言っても国民体育大会のことではありません

国体論 菊と星条旗』が売れているようです。

 

同書を核としたフェアが、新宿の紀伊国屋書店で行なわれていました。そこに置いてあったチラシ(小冊子?)が上の写真です。同書の著者、白井氏が同書執筆にあたって参照した書籍をリストアップしています。

そのチラシには上の写真のように、白井氏のあいさつと言いますか、フェアにあたって、本書を執筆するにあたって、という感じの文章が載っています。平成の三十年は失われた三十年なのでしょうか? いろいろ考えさせるテーマです。

このフェアに間に合わないわけですから白井氏の執筆にも間に合わなかったのですが、近々、あたしの勤務先から『丸山眞男と戦後日本の国体』という新刊が発売になります。

国体に関する議論、このところ大盛り上がりとまでは言えないかもしれませんが、諸々の書籍を読んでいると散見されるのが目に留まります。静かなブームが起きているのでしょうか? 本書の刊行が、そんな国体論に一石を投じることになるのでしょうか?

似ていますか? 似ていないですか?

あたしの勤務先のウェブサイトに「英語原典で読む経済学史」という連載があります。アダム・スミスから始まって、デイヴィッド・リカード、ジョン・スチュアート・ミルと続き、先頃古典派経済学が終了したところです。

と思っていたら、講談社現代新書から『はじめての経済思想史 アダム・スミスから現代まで』という新刊が発売になりました。ウェブ連載の方はまだまだ続きますが、一足先にその簡易版が書籍化されたような感じを受けるのはあたしだけでしょうか?

が、ウェブ連載の担当者に聞いてみると、現代新書の著者・中村隆之氏は、ウェブ連載の筆者・根井雅弘氏の弟子にあたる方だそうです、それでなんとなく合点がいきました。「あとがき」にも根井さんの名前が出ています。

続きましてはこの二点。

 

河出書房新社の『野蛮なアリスさん』と講談社の『人間に向いてない』です。このカバー、似た雰囲気ではありませんか? 似ていると感じるのは、これもまたあたしだけなのでしょうか?

そして最後にこの二点。上下本なので上巻のみを挙げます。

 

草思社の『銃・病原菌・鉄(上)』と筑摩書房の『馬・車輪・言語(上)』です。この二つ、似ているどころの騒ぎではないような……

確かに、似たようなテーマを扱っている両書ではありますが、原著者が異なります。装丁家が同じなのでしょうか?

カバー写真に使っています

朝日新聞の東京版に高氏さんが登場しています。高氏さんがどのような方であるかは記事を読んでいただくとして、あたしの勤務先もお世話になっています。

 

読むパンダ』のカバー写真は、高氏さんが撮った写真を使っているのです、シャンシャンではないのですが……。

芸術の夏?

ミケランジェロの展覧会ですか?

確か、「アート・オン・スクリーン」という映画も公開になるようで、この夏はちょっとしたミケランジェロ祭りなのでしょうか?

 

あたしの勤務先からですとヴァザーリの『芸術家列伝3 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ』があります。

受け取られ方?

昨日は、下北沢の本屋B&Bでイベントでした。白水Uブックスで復活した『マンゴー通り、ときどきさよなら』の刊行記念として、訳者のくぼたのぞみさん、解説を書いてくださった温又柔さん、そして帯文を寄せてくださった金原瑞人さん三人による鼎談でした。

既に感想などは参加された方がネットにいろいろと挙げているでしょうから、あたしが聞きながら感じたことを少々。

作者サンドラ・シスネロスはメキシコ移民の二世です。本作はそういう源流を濃厚に持った作品です。アメリカでは今も多くの人々に読まれていると言われる作品ですが、それは移民社会アメリカならではあり、ご自身も台湾に源流を持つ温又柔さんが本作に強く惹かれるのも理解できます。

だからこそ、日常的に移民を身近に感じることのない日本で本作はどのように受け止められるのか興味がありました。しかし、本作もアメリカでは主に西海岸の方で読まれていて、東海岸の方ではそれほどでもないとの話を聞き、やはり移民が身近なのかどうか、移民にルーツを持つ人がどのくらい暮らしているのかということが本作の需要に少なからぬ影響を与えているのだとわかりました。

となると、日本では本作はあまり受け入れられないのでは、という気がしないでもないです。しかし、これからは日本も移民を受け入れないと国が成り立たないとか、トランプが移民排斥政策を取ろうとしているとか、ヨーロッパでも移民(難民?)が社会問題となっていて右派の台頭が起こっているとか、そういう問題をしばしば耳にするようになったので、日本人にとってもいまや他人事ではすまされない問題になりつつあると思います。

そういう問題を意識する上で、もちろん専門的な書物、特にルポを始めとしたノンフィクションを読むのもよいでしょうが、こういった小説を読むことでも知ること、学ぶことはできると思います。そういう点で本書は格好の一冊なんだと思います。

と言いながら、実はあたし自身は本作を読んで、アメリカ社会で暮らす移民というテーマをあまり感じませんでした。それは本作の主人公がまだ移民たちが暮らすマンゴー通りで成長している時期を描いているからだと思います。これからマンゴー通りを出ると、きっと主人公は移民にルーツを持つからこその辛い思いや違和感を感じることになるのでしょう。本作ではそこまでは描かれていないと感じました。

それよりも、本作は多感な主人公が周囲の大人たちからいろいろなこと吸収しながら成長していく過程を楽しむべき作品なのではないかな、そんな気がしました。こういう受け取り方がよいのかどうかは別として。