Nancy Sensual World
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まもなく自著も刊行予定

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。
この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論
』です。
フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。
最近のRockfield's Diary
町田は斜め?
パンダだからこそ
『パンダが来た道』読了。
本書の副題は「人と歩んだ150年」です。しかし、本書を読むと「人と歩んだ」のか、それとも「否応なく歩かされた」のか、はたまた「人につきまとわれた」のか、いろいろ考えさせられます。
パンダなどを知らないヨーロッパ人が初めてパンダを見たら、その動きといい、毛皮の色といい、一瞬で虜になってしまうのも理解できます。そしてそれは捕獲してヨーロッパへ持ち帰ろうとする気持ちもわかります。あの頃のヨーロッパ人はアフリカでもアジアでも現地のことのなどお構いなし、自分たちのやっていることはすべて正義だと言わんばかりの行動でしたから。
しかし、じきに生態調査、保護、繁殖といった動きが生まれ、世界の野生動物保護のシンボルにまで上り詰めます。現実問題として、現段階でパンダは保護しないと絶滅が危惧されるような動物なのか、いったい野生のパンダは何頭生息しているのか、まるっきりわかっていないようです。それでも野生動物保護という国際的な運動においてパンダが果たした役割というのはあまりにも大きいものです。ロゴマークとしても白と黒の模様はモノクロ印刷でも問題なしという現金なところから、実物のパンダを見れば(特に赤ちゃんパンダなど)、ほとんどの人を魅了する愛くるしさなどはシンボルとするにふさわしい動物でしょう。
本書は、このように世界中で愛され、大事にされるパンダが、それでもまだ解明されていない問題が多いことを教えてくれます。パンダほど世界中の関心を集め、資金も集め、多くの学者が研究している動物ですらこの有様です。パンダのようにメジャーでない動物、愛くるしくはない動物の研究の現状を想像すると暗澹たる気持ちになります。
本書を読んでいて、パンダよりももっと過酷な状況に置かれ、実際に絶滅が危惧されているにもかかわらず、ほとんど世間の関心も資金も集めていない動物を大賞に活動している人々の怨嗟の声が聞こえるような気がしました。「パンダは恵まれているよなぁ」という恨みに満ちたつぶやきです。
そういう声を聞きつつも、全体の底上げを図るためにもパンダのような人気を博すシンボル的動物の役割というのは大木のではないか、パンダにもっともっと引っ張ってもらわなければ、という気持ちも起こさせます。
「パンダが来た道」は「多くの動物が、いま歩んでいる道」でもあるのでしょう。そして、そんな道など見当たらないたくさんの動物たちもいるのでしょう。
19世紀のフランス
岩波新書の、新刊ではないのですが、つい最近、ふと購入して読み終わった『フランス史10講』がとても面白かったです。
内容としては、西洋史専攻、フランス文学やフランス哲学専攻の学生であれば当然知っていてしかるべき、という内容なのでしょうが、あたしのようにフランスについてはまるで門外漢の人間にはかなり歯応えのある内容でした。中国学専攻のあたしが、何を間違えたか西洋史の授業に紛れ込んでしまったかのような体験でした。
全体は、フランク王国から現代フランスまで、いわゆるフランスという国が現在の形になる源流から説き起こしているわけですが、ゲルマン民族の移動とか、フランス大革命、ナポレオン時代、パリ・コミューンなど、一応は世界史で聞いたような単語はそこらじゅうに散見します。が、改めてフランス史という流れの中で読んでいくと、一筋縄ではいかない内容を含んでいて、一回読んだだけでは理解できないところが多々ありました。著者は東大の先生ですから、東大だとこういうレベルで授業をしているのかな、という気もしました。
で、読んでいてわからないながらも興味を持ちつつ進めていくと、19世紀というのが、なかなかフランス史の中で面白い時代のように感じられてきました。フランス大革命を過ぎ、ナポレオン帝政、更にそれが終わって共和政とか王政とか、またまたまナポレオン三世が出てきたり、そんなことをしている間に第一次世界大戦の時代へ突入していく、大雑把につかんだのはこんな感じです。
ただ、全体的には哲学の分野ではあまりパッとしない時代だったようなんです。同書を読んだ限りでは、これだけ政治が転変すれば、それに併せて哲学思想も百家争鳴になりそうですが、あまりパッとしなかった時代のようです。でも、3月に文庫クセジュで『19世紀フランス哲学』というのが出る予定なので、どんな時代なのか教えてくれるのではないでしょうか? あと、刊行間もない弊社の新刊『革命と反動の図像学』などは大いに啓発してくれるのではないでしょうか? それに、このところまたブームが来ている感のあるトクヴィルも19世紀でしたよね?
うーん、やはり19世紀のフランス思想界、面白そうです。
ちなみに、文学・芸術分野では、19世紀は綺羅星のごとき名前がいくらでも挙がりますね。佐藤賢一さんの「小説フランス革命」の後のフランス史を概説した書物を、学界の方を集結して、あたしの勤務先から出せないものでしょうか? そう『フランス史10講』をもっとパワーアップさせたもので、資料的価値もあり、レファレンス本としても有用なものを!





