アウシュヴィッツも目に留る

そろそろ夏、いや、既に夏。梅雨は明けていないけれど、気温だけは完全に夏。

だからでしょうか、徐々に「戦争」に関する書籍が目立つようになってきました。昨年は戦後70年という節目で特に大量の新刊が刊行され、「既刊も並べたいけど、新刊だけでフェア台が埋まっちゃう」という書店員の声も聞かれましたが、今年はそこまでの量にはならなそうです。

とはいえ、夏になると戦争関連の書籍が増えるのは事実ですが、個人的に書店店頭を眺めていて感じるのは、ヒトラー(ナチも含め)と満洲関連書が得に目立つなあということです。どちらも安定して売れるテーマでありますし、新資料や新視点を駆使した著作も増えていると感じます。

そんな中、アウシュヴィッツ関連の書籍もポツポツと目に付きます。特に、子供とアウシュヴィッツという本が目に留るように感じるのは錯覚でしょうか?

 

アウシュヴィッツの図書係』『13歳のホロコースト』といった作品です。

 

もちろんあたしの勤務先でも『14歳のアウシュヴィッツ』『死の都の風景』といったものを出しております。

本の立ち位置

今朝の朝日新聞の記事です。

「本✕異業種」なんていう見出しを見ると、あたかも本が主役のような感じですが、記事を読むとどうもそうではないようです。本はあくまでオブジェ、飾り、そんな扱いのようです。

「おしゃれな雰囲気を出し」って、本をなんだと思っているのでしょうか? そもそも本っておしゃれなのでしょうか?

確かに装丁がきれいな本というのはあります。眺めていたくなるような装丁、飾っておきたくなるような装幀、確かにそんな本はあります。

でも、基本的に本って、物体としての本自体がおしゃれなわけはないと思います。本を読み、そのエッセンスなり精髄なりを吸収し身につけ、自分の精神とか心の持ち様とか生き方を省みる、そんな態度を身につけることで素敵な(あえて「おしゃれ」とは言わない)人になるものだと思うのです。決して、本が置いてあるからとか、本を持っているから(小脇に抱えているから)といっただけでおしゃれになるわけではないと思います。

確かに、陳列してある商品に関する知識が、本が側に置いてあることで得られやすくなるという効果はあるでしょう。でもそんなスマホでちょっとググるみたいに、簡単に知識を与えてしまってよいのでしょうか? やはり多少の苦労や努力をして自分で調べる、ということが肝心なのではないかと思うのです。

広告のような宣伝のような

まずは昨日の朝日新聞です。

クラシック音楽が注目を浴びているのでしょうか?

 

文庫クセジュには『100語でわかるクラシック音楽』『100語でたのしむオペラ』といった音楽関係の本もありますので、とりあえず知りたいという方にはうってつけだと思います。

続いては今日の紙面、テレビ欄です。TBSで今晩放送される「ふつうが一番」の紹介です。

東山紀之と松たか子の共演が話題になっているようですが、なんと作家・藤沢周平のドラマです。

  

原作は藤沢周平の娘によるものですが、ドラマを見て藤沢周平に興味を持たれた方には『藤沢周平伝』もお薦めです!

SPEEDとコラボ?

東京もとうとう熱帯夜です。

そして熱帯夜になると、SPEEDのこの曲が頭に流れます。しかし、今年はこの曲が流れるだけではなく、この本も思い出されます。

ミルハウザーの『魔法の夜』です。眠れない夏の、ある一晩の物語です。暑くて眠れなかったら、この本を手に月の光の下に出てみるのはいかがでしょうか?

で、SPEEDと言えばもう一つ。先週見本出しだった新刊『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』も、タイトルがSPEEDの曲を思い出させますね。

書店員はネコが好き?

関西ツアーの戦利品(?)、書店で手に入れたチラシなどをいくつかご紹介します。

上のチラシは京都の大垣書店の取り組み。書店員が自分のお薦めの本のポップを書き、お客さんがその中から惹かれたもの、興味を持ったものに投票してランキングを決めるというものだそうです。ギャラリー北大路で、選ばれた本の展示を行なっていたそうです。

イオンモールKYOTO店では、まだ書店員のポップ付きでエントリーされた本が並べられていました。もうじき第二回目が始まるそうです。

ちなみに同店では入り口入ってすぐのイベントスペースで、毎夏恒例のヤングアダルト出版会のフェアも開催中です。ヤングアダルトなどと謳っていますが、テーマ設定や並んでいる書籍を見ると、中高生だけでなく、大人にも是非今年は足を運んでもらいたいフェアでした。京都地区の学校の先生方、9月までやっていますので、生徒に勧める本の選書にお悩みなら足を運んでみてはいかがでしょう。

続きましては、MARUZEN京都本店の文芸コーナーに置いてあった、いしいしんじさんの冊子。「フルーツ」第一話から第四話までが配布されていました。

これはMARUZEN京都本店との企画らしいので、たぶん同店以外では手に入らないのではないでしょうか? しかし、これ、立派な作品ですよね。無料で配布してくれるなんて、スゴい!

お次は冊子といっても本格的なもの。岡山大学生協が作った「学生にすすめる本 2016」です。「教職員が推薦」とあるように、同大の先生方が「これは読んでおいて欲しい」と思う本が並んでいます。

が、眺めてみたのですが、あたしの勤務先の本は一冊も載っていませんでした(涙)。

最後は未来屋書店岡山店のフェアのもの。同店はコンセプト重視、提案型の書店だと思いますが、書棚の一角で担当の方がその時々にテーマを決めてフェアを展開しているそうです。今回は「帝王学」がテーマで、孫子などの古典を中心に本を集めているようでした。

ところで、このチラシの表紙ってネコですよね? うーん、《エクス・リブリス》フェアでもお世話になったにゃわら版に似ている気がします。いえ、別に、あたしはパクっているとか、そういうケツの穴の小さいことを言っているのではなく、「書店員さんってネコ好きな人が多いなあ」と思っただけです。

考えてみますと、先のダイアリーに登場したジュンク堂書店のチラシもネコが登場していましたよね。うん、間違いない、やはりネコ好きが多いんだ! これがイヌやパンダならまだカワイイと言えるのでしょうけど、ワニとかサメとかヘビとかだったら、気味悪がって誰もチラシを持ち帰ってくれなくなるのでしょうか?

ちなみに、あたしはイヌ派です。

関西一円のジュンク堂書店が総力を挙げて?

少し前のことですが、関西にあるジュンク堂書店各店から、あたしの勤務先の海外文学数点の注文が続けざまに入りました。何かのフェアをやるようで、その注文であることはわかりましたが、ある店舗からの注文書がファクスで流れてきたときに、スイッチ・パブリッシングとのコラボフェアだということが注文書に書いてありました。

ということで、上の写真がジュンク堂書店大坂本店のフェアの様子です。2階レジ横のフェアコーナーで開催中です。

手作りの、熱いポップが飾られていて、担当の方々の本に対する気持ちが伝わってきます。注文書をいただいているので、あたしの勤務先の本も少なからず並んでいます。ありがたいことです。

フェアコーナーでは、上の写真の小冊子(チラシ)が置いてあり、自由に持ち帰ることができます。

広げるとこんな(↑)感じです。コメントを読んでいるだけでも楽しいです。が、ダメだ、まだ読んでいない本がたくさんある!

このフェア、大分店も加えた17店舗で開催中のようですが、こういうチェーンを挙げての取り組みというのもよいですね。丸善&ジュンク堂書店梅田店の中村優子さんが

今回のフェアは、丸善ジュンク堂にとって大きな分岐点になるかもしれない。
今まで各店自由に行っていたフェア展開を、関西という限られた地域の限られた店舗ではあるが、同じ期間、同じフェアをして、どこの丸善ジュンク堂に行ってもそのフェアを見てもらえる、という新しい試みをしようとしている。

というコメントを寄せていますが、思い出してみますと、実は2014年の春先に、あたしがお薦めする白水社のガイブンを、あたしのコメント付きで並べるというフェアを、やはり関西のジュンク堂書店、たぶん10店舗くらいでやったことがあったのよね。懐かしいです。

店頭にはナンシーの写真入りのポップが貼られ、フェアを見たお客さんが「こんなカワイイ子がこの店で働いているのか?」と話題になっていたとか……(フェアそのものは話題になっていたのでしょうか?)

懐かしい書籍を発見!

京都大学生協ブックセンタールネは関西ツアーではほぼ必ず訪問する店舗の一つですが、その入り口を入ってすぐ脇のイベントスペースではしばしば地元業者による古書販売が行なわれています。今回は吉岡書店だそうです。

さすがに大学生協内での古書市だけあって専門書がずらりと並んでいる様は壮観です。今回も人文から理工まで取り混ぜて置いてある中にこんな本が!

『モンテーニュ随想録』全三巻です。なんと3000円、安い! いまだったら、先ごろ全7巻が完結した『エセー』があるからでしょうか?

そしてさらに懐かしい書籍、『ベルジェーエフ著作集』です。これも揃いで12000円。ちょっとしますが、古書としては妥当な金額でしょうか。ただ、今、アマゾンの古書価格を調べたら一冊が数百円で売られていますので、高いと言えば高いですが、アマゾンでも全巻揃いませんので、揃っているということでこの値段なのでしょう。

しかし、ベルジェーエフなんて、もし今復刊したとしたら需要はあるのでしょうか?