Nancy Sensual World

このたび、「染井吉野ナンシーの官能世界」は引っ越しました。新しい世界はこちらになります。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 自動では新しい世界に飛びませんので悪しからず……

新着ニュース

まもなく自著も刊行予定

今日も朝日新聞です。

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。

この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』です。

フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。

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最近のRockfield's Diary

名著を新訳で

土曜日に移った朝日新聞の読書欄。先週の『聖書の成り立ちを語る都市』(出口治明さん評)に続いて、今週は桜庭一樹さんが『ゴドーを待ちながら』を取り上げてくださいました。

紙面に載っている書影は先日から刊行がスタートした『新訳ベケット戯曲全集』の第一巻で、収録作品が「ゴドーを待ちながら/エンドゲーム」になります。岡室美奈子さんによる新訳です。

 

ただ、多くの方が『ゴドーを待ちながら』と言ったら、Uブックス版を思い浮かべるのではないでしょうか? 大丈夫です、Uブックス版も健在です。この機会に読み比べも是非どうぞ。

『独り舞』の「ジーホイ」について

独り舞』の主人公の名は「趙紀恵」です。小説の中で本人は「ちょう・のりえ」と名乗っています。台湾で暮らしていた頃は「趙迎梅」という名だったのですが、すべてを捨てて日本へやって来て、人生をやり直そうとしたときに、自分で日本風の名前を付けたということになっています。

「紀恵」は中国で読むと「ジーホイ」、ピンインで書くと「jihui」です。台湾の人だから注音字母で表記したいところですが、あいにくあたしはピンインしか知らないので申し訳ない。

さて、本文中で主人公が改名をするシーンにも、そして本文中のどこにも書いてはいないのですが、あたしにはこの名前にいろいろな意味がこめられているのではないかと思えます。

「jihui」で中国語辞典を検索すればいくつか見つかりますが、「擊毀」は「破壊する」という意味ですから、「これまでの自分を破壊する」のか、「旧態依然とした社会を破壊する」のか、いずれかなのはわかりませんが、そんな意味がこめられているのではないかと思います。

主人公自身は、たぶんこんな意識を持って名前を変え、文字を選んだのではないかと思います。

しかし、その他にも「jihui」にはいくつかの漢字を当てることができます。

「機會」は「機会、チャンス」という意味。主人公の来日が「これまでの自分を変える機会」であるという含意だと思います。

「集會」ならば、そのまま「集会」です。ゲイやレズビアンなどのパーティーが作品中にはしばしば描かれています。そんなシーンが思い出されます。

「忌諱」だと「忌み憚る」となり、同性愛者である自分の存在に対する周囲の人間や社会からの視線、偏見が主人公にはこのように感じられたのではないでしょうか?

そして「際會」は「巡り会う」です。主人公は台湾で日本で、そして旅した土地でさまざまな出会いをします。その時には気づいていないようですが、主人公にとってその一つ一つが大切なものになっていたはずです。

中途半端に中国語を囓っただけですが、主人公の改名には上掲のような意味が託されていたのではないかと感じました。