難しそうだけど、ちょっと気になるビブリオバトル

新宿の紀伊國屋書店でこんなポスターを見かけました。

ハンセン病文学をテーマにしたビブリオバトルが行なわれるようです。

ビブリオバトル、あたしは参加したこともなければ見学したこともなく、ただ噂に聞くだけですが、とても興味深いイベントだと思っています。しかし、このテーマはとても重そうで、だからといって目を背けてはいけないテーマだと思うし、このテーマでバトルって、どんな風になるのでしょう?

 

ハンセン病については、ほとんど何も知らないと言ってよいあたしですが、勤務先から『知の巨人 評伝・生田長江』『幾世の底より 評伝・明石海人』といった本を刊行しているからでしょうか、なんとなく気になります。

このバトルに、同書の著者、荒波力さんが参加されたとしたら、どんなことを述べられるのでしょうか?

中央公論から生まれた本@ブックファースト新宿店

中央公論」という雑誌をご存じでしょうか?

中公論新社が出している雑誌です。文芸誌と言うよりは論壇誌でしょうか?

その創刊30周年を記念したフェアが、ブックファースト新宿店で行なわれています。写真は、そのフェアで配布されている冊子とチラシです。

手前の小さい方が冊子で「中央公論」について書かれています。後ろの少し大きい歩は、フェアのタイトルにもある「中央公論から生まれた本」のリストです。「へえー、これって中央公論発だったのか」という驚きが多々あります。思いもかけない作品が中央コロンから生まれていました。さすが歴史のある雑誌ですね。

週末は中華三昧!

この土日はどちらも新宿でイベントでした。土曜日は既に書きましたが、映画「ブラインド・マッサージ」の上映と、その後の飯塚容さん、豊崎由美さんのトークイベントでした。そして昨日の日曜日、こんどは新宿駅の反対側、西口にあるブックファースト新宿店で、甘耀明さんと東山彰良さんのトークイベントでした。

  

甘耀明さんと言えば、日本では『神秘列車』が既に刊行され、先日には長篇の『鬼殺し(上)』『鬼殺し(下)』が刊行されたばかり、その『鬼殺し』のオビに推薦文を寄せてくださったのが東山彰良さんです。そんなお二人のトークですから、『鬼殺し』を読んだ方も、これから読まれる方も、そして東山さんのファンの方、特に台湾に関心をお持ちの方であれば、間違いなく楽しめるトークになったはずです。

というわけで、あたしも三冊、サインをいただきました。

そしてもちろん東山さんにも、『』と『ありきたりの痛み』にサインをしていただきました。

 

さらに打ち上げでは、訳者の白水紀子さんとも、いろいろ面白くて興味深い台湾の話をいたしました。実に愉しかったですし、早く『鬼殺し』を読み終わらないと、と思った次第です。

東山さんの話の中、台湾の作品にもマジックリアリズム的なものがあり『鬼殺し』もその一つではないかとの指摘、あたしは頭の中では昨年来日した閻連科さんの神実主義を思い出していました。閻連科さんは講演の中で注目している作家として台湾では甘耀明さんを挙げていました。閻連科さんの作品と甘耀明さんの作品、どちらも荒唐無稽な面がありつつも、鋭く社会をえぐっているところが共通するのではないか、そんなことを考えていました。

西の方でやってます!

梅田の蔦屋書店でこんなフェアが……

彩流社の『実験する小説たち』を中心としたフェアです。写真を見ていただくとおわかりのように、あたしの勤務先の本もたくさん並べていただいております。

ちなみに同書の著者、木原善彦さんもあたしの勤務先ではお世話になっている方。写真にも出ている『10:04』の翻訳は2月に刊行予定です。お楽しみに。

原作小説と映画の違い

新宿のケイズシネマで「ブラインド・マッサージ」を見てきました。そして上映後の、訳者・飯塚容さんと、書評家・豊崎由美さんのトークイベントも。

トークイベントの模様を、手元のメモを元に少々紹介しますと……

まず飯塚さんはもともと畢飛宇の作品が好きだったそうで、いろいろ読んでいたものの、『ブラインド・マッサージ』を読んだとき、「これは、これまでの作品とは違う」と感じたそうです。特別な作品だという感想を持ちながら、大学院の演習で教材として学生と読み進めていたそうです。

また、ロウ・イエ監督のファンでもあり、「ふたりの人魚」が一番好きだったのが、本作を見てからはどちらも甲乙つけがたい作品だと思うようになったそうです。

ロウ・イエ監督の作品はバッドエンドのものが多いが、「ブラインド・マッサージ」はちょっと違っていて、ある種の清々しさを感じる作品だという感想だそうです。そんな映画と原作小説との違いですが、豊崎さんに言わせると、映画は盲人が生きていくことの大変さを主題にしている、どちらかというとそういう側面に比重が置かれている感じがするけれど、小説では恋とか性とか、もっと人間の普遍性を描いているとのこと。豊崎さんは小説を、科学者が書いたのではないかと思ったそうです。

また映画は登場人物の一人、小馬がほぼ主人公といってよいストーリー展開ですが、小説は群像劇で、個々の登場人物の過去や悩みとか、もっと奥深く描き出されているという違いがあります。

ならば、やはり小説の方がよいのかと言われると、映画は映画で小説のエッセンスをうまく取りだしていると思いますし、なにより小説では描かれていない結末が、あたし的にはグッと来ました。

フェアとかチラシとか……

下の写真は、紀伊國屋書店新宿本店、人文書コーナーのエンド台。ちょうどロシア革命100周年記念フェアが始まったところです。

なんとなく、あたしの勤務先の本が多いような気がしますが、気のせいでしょう。とはいえ、意外とあたしの勤務先、ロシアものを出していたんですね(汗)。

そして上の写真は書店に置いてあったチラシです。

一番右は、同じく紀伊國屋書店新宿本店の「心理学書販売研究会フェア」のチラシです。「心理学書、この1冊」として、2016年に話題になったり、書評で取り上げられた書籍のフェアです。あたしの勤務先は関係ありませんが、心理学って、やはりちょっと気になります。

真ん中は水声社のセルバンテス全集のチラシ。なんと全7巻。昨年が没後400年だったそうですが、それにしてもこの時代、力の入った企画です。力が入ったといえば、水声社の「人類学の転回」も渋いけれど、興味深いシリーズです。

そして一番左は、KADOKAWA・講談社・新潮社・中央公論新社・文藝春秋という大手合同の「藤沢周平没後20年文庫フェア」のチラシです。広げると簡単な年譜にあさのあつこ、上橋菜穂子、中江有里による「おんなが愛する藤沢周平」という文章、それに北大路欣也のインタビューが載っています。

文庫のフェアなので言っても仕方ありませんが、個人的には『藤沢周平伝』も並べてもらいたいところです。

最後に、これはチラシも何もありませんが、講談社のメチエから『天皇と和歌』という本が出ました。

 

同社のサイトの内容紹介には

被災地やかつての戦地を訪れ、その思いを歌に詠む現代の天皇。和歌と天皇は、万葉の時代から、多彩かつ強固に結びついてきた。ライバルを次々と倒して即位した雄略天皇は〈愛〉の歌を詠み、二十一もの勅撰和歌集が五百年以上をかけて編まれ、歌道の秘伝「古今伝受」は、「御所伝受」として江戸時代に存続し、明治天皇は、生涯に十万首におよぶ歌を詠んだ。和歌を通して見えてくる、「日本社会にとっての天皇」とは。

とあります。ちょっと視点は異なりますが、『うたう天皇』を一緒に並べてもらえるとありがたいのですが……

なぜ和歌を詠むことが天皇の重要な仕事なのか。その目的が恋や自然賛美だけではない、平和を手中に収めるための国づくりの「日本知」であることを、万葉の碩学が鮮やかに読み解く。

同書の内容紹介は上の通りです。

来週見に行きます!

来週の土曜は、新宿で映画を見る予定。

ブラインド・マッサージ」です。

中国の作品で、原作『ブラインド・マッサージ』の邦訳は、もちろんあたしの勤務先から刊行済み。書店店頭にも並んでいるはずです。

南京にある盲人マッサージ店を舞台にした小説なんですが、人が出会い、働き、助け合うのに障害者ということは関係ない、と感じました。ありきたりな感想ですが、昨今言われるようになった、「障害者を特別視しない」作品であるように思えます。もちろん目が見えないことから発するさまざまな事件や葛藤は描かれます。「美しい」とはどういうことはわからない、なんてシーンは典型的だと思います。

でも作者は、別に障害者の話を書こうと思っているのではないと思います。人の心がぶつかり合ったらどういう化学反応を引き起こすのか、といった普遍的なテーマを描いているだけなのだと思います。

翻訳の刊行から少したち、ようやく映画が公開になるということで、新聞紙上でかなり大きく取り上げられたようです。そしてあたしが来週見に行くのは、映画を見るだけではなく、訳者の飯塚容さんと書評家の豊崎由美さんのトークイベントが上映の後にあるからです。

なお、映画では多少端折られていますが、小説では、ちょっとレズビアンを匂わせるようなシーンもあって、そういうところも楽しめる(?)のではないでしょうか?

下半期は4点

ブックファースト新宿店で始まった「2016年下半期 読む!書評欄に紹介された本」フェア。

2016年下半期に、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞の書評欄で紹介された書籍のうち、2紙以上に紹介された書籍を中心に集め、展開

というハードルがあるのですが、なんと、あたしの勤務先の刊行物が4点も!

 

 

その4点とは『魔法の夜』『古代ローマの女性たち』『オはオオタカのオ』『鉱山のビッグバンド』です。確かに、よく売れた書籍たちですね。

クリスマスには赤と緑の本を!

ジュンク堂書店のサイトに載っていました。

ジュンク堂書店高松店では、クリスマスのなので赤と緑の本を集めたフェアをやっているそうです。こうしてみると定番もありますが、それ以外にもいろいろとあるものですね。赤い装丁の本はそれなりにあるでしょうけど、緑を集めるのは苦労したのではないでしょうか?

しかし、見回してみても見つかりません、あたしの勤務先のクリスマスの定番が!

  

デリダ伝』と『獣と主権者(1)』です。これを並べていただかないと……(汗)

 

でも、『獣と主権者(1)』と並べるなら『獣と主権者(2)』ですよね? しかしこの二点だとクリスマスカラーにならない……(汗)

ちなみに、本当の定番は『クリスマスの文化史』なのですが、これは現在品切れです。申し訳ありません。

アメリカとメキシコ? そして大学生き残り

朝日新聞読書欄の予告に『2666』が載っていたので、どんな風に取り上げられるのか気になっていましたが……

アメリカ社会との絡みで取り上げていただいたようです。確かに、メキシコは『2666』の主要な舞台であり、実際にメキシコで起こっている連続殺人事件が作品のベースになっているわけですから、こういう文脈で文学作品を読むこともできるのだなと納得。

  

ただ、文学ではなく、もう少し単刀直入に、ということであれば、移民についてやたらと物議を醸していることもあり『移民からみるアメリカ外交史』も参考になるかと思いますし、『コーネル・ウェストが語るブラック・アメリカ』というのもございます。

上の画像は同じく朝日新聞に載っていたアエラの広告。受験シーズンを前にして、大学を扱った記事や書籍が多くなる時季です。今月末には、あたしの勤務先からも『消えゆく「限界大学」』という書籍を刊行いたしますのでお楽しみに。