一番売れているスペイン語の学習書

スペイン語の入門<CD+テキスト>)』という本をご存じでしょうか? あたしの勤務先からでているスペイン語の入門書で、実はこれが既に「改訂版」でして、刊行は1989年になります。その前の、つまり改訂する前の版となりますと、いったいいつの刊行なのやら……

こんなに長く売っているのは、つまり売れているからで、いまだに他の出版社のスペイン語の参考書・学習書を合わせてもトップを維持していると思います。これを超えるものが出ないのでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。ついに出ます。本書のさらなる改訂版、『新版 スペイン語の入門』です。もうじき刊行になりますので、スペイン語学習者諸君、しばし待て!(←と、いきなり文語調?)

で、この他にもう一つ、人気のスペイン語の学習書もご紹介します。『スペイン語のしくみ』です。こちらも刊行以来順調に版を重ねている人気商品です。

 

それにしても、このところのスペイン語人気はすごいですね。大学出の開講こそまだまだ少ないものの、書店での売り上げを見ていると、非常に活きがいいのがわかります。一時期はイタリア語が人気でしたが、同じラテンでもイタリアからスペインへ移ったのでしょうか?

マリンリゾート気分?

昼前に勤務先を出て、小田原から茅ヶ崎まで営業に行って来ました。今日は午後から雨になると聞いていたのですが、ほぼ雨には降られず、夕方、さあ帰宅だ、という頃合いになってポツリポツリと、「あれ、雨かしら?」という程度の降りでしのげました。いや逆に、小田原などは真夏の太陽が降り注ぐ青天、という感じでした。

さて湘南地区です。あたしは営業回りでは来たことがないので、すべてが新鮮でした。小田原も、小さいころに家族で箱根へ行ったときに小田原城へ寄ったことがあるという、自分人の体験ではなく、親から聞かされた記憶があるだけで、物心ついてから訪れたことは一度もない土地です。年に何度も新幹線で通過はしますが、小田原駅に降り立ったのは、事実上初めてと言ってよいと思います。

その小田原。やはり東海道の宿場町、にぎやかですね。箱根を後ろに控えて海の幸にもあふれ、地方と呼ぶべきか、東京のベッドタウンと呼ぶべきか、難しいところです。昨今の小中学生は既に夏休みが終わっている子供も多いと聞きますが、やはり今日から夏休み最後の週末と言うことでしょうか、それなりに賑わっている感じがしました。

バスに乗っていたら「唐人街」なんて歴史を感じさせるバス停を通りました。こんなところも城下町の名残でしょうか? あるいは、だるま料理店なんていう趣のある建築の料理屋の前を通ったり、こういうところが歴史ある城下町の醍醐味でしょうか?

さて、小田原を後にして平塚、茅ヶ崎。このあたりも、まるっきりの処女地。来るのも、駅で下りるのも初めての地です。走っている電車から南に目をやれば太平洋が見えるので、どうしてもリゾート気分になってしまいますが、駅前は都内にもありがちな、それなりに賑やかなJRの駅前です。夕方なので学生もいれば会社帰りのサラリーマンやOLもいて、リゾート気分は消し飛んでしまいます。確かに、このあたりから都内へ通勤している人も多いわけで、このあたりに住んでいる人に言わせれば、リゾート地でも観光地でもなんでもないですよね。

で、あたしは駅周辺にしか滞在していないので、それぞれの街の違いや空気などを感じることはできませんでしたが、これはJRもいないのではないでしょうか? このあたりはラスカという名の駅ビルが多いですが、そのためにどれも画一的で無個性な感じを受けてしまいます。都内のJRの駅がルミネやアトレばかりになって没個性かが進んでいるのと同じですね。あたしの利用する武蔵小金井も、武蔵境、東小金井と一斉に高架になり駅ビル(駅ナカ? 駅ソト?)ができ、そのどれもが同じような感じで、駅を降り間違えそうになるくらいです。

と愚痴っても仕方ないですが、そんな感じの初・湘南でした!

東アジア文学はこれを読め![続]

感想は改めて書くと宣言したまま放置プレイなってしまっていましたが……

東アジア文学、具体的には中国・台湾・韓国・チベット文学を今回「読んとも」で取り上げたのは、豊﨑さん自身の興味が最大の理由でしょうが、ここへ来て、これらの文学の翻訳でヒット作、話題作が続けざまに刊行されたという事情もあったと思います。

が、そうやって東アジア文学にスポットが当たるというのは、逆に言えば、これまでどれほど日の目を見なかったかということでもあります。このことは今回の演者の皆さんが口を揃えておっしゃっていたことです。では、なぜに東アジア文学は売れなかったのか。いや、東アジアと限定しなくてもよいです。アジア全般、売れてませんでした。海外文学といえば、まずは英米、その次にヨーロッパ、フランス、イタリア、ドイツ、ロシアといったところ、そして南米やスペインのラテン文学が主流であり、それ以外の地域の文学は、文芸の棚の中で肩身の狭い海外文学の中でも更に肩身の狭い位置に置かれているのが一般的です。

売れない理由、それは冒頭に豊﨑さんが指摘したように、日本人のアジア諸国に対する蔑視があると思います。これは間違いないでしょう。そもそも海外の作品を読むというのは、その国、そしてその国の文化や生活スタイルに対する憧れがあって、小説の中だけでもそれに浸っているような気分を味わいたい、という気持ちがあるから読むのだと思います。もちろん、そんなオシャレなものではなく、単純にその国に対する興味でも構いませんが、そこにもやはり憧れ、少なくとも敬意は含まれていると思います。

それに対して、敬意や憧れを抱くなんてことはおろか、むしろ見下し、バカにしている国々に興味を持ち、そこの作品を読みたいと思うでしょうか? いや、大東亜共栄圏を標榜していた戦前ならいざしらず、現在の日本人がアジアの国々や人びとをそんなにもバカにしているなんてことはない、と反論する方は多いと思います。もちろん戦前のような見下し方はないでしょうが、欧米とアジアを比べた場合、やはりヨーロッパの方を上に見る日本人はまだまだ多いと思います。

その証拠というつもりはありませんが、中国文学でも史記や三国志などの古典作品は人気があります。それこそ欧米の海外文学など太刀打ちできないほどの数の翻訳書が刊行されています。それは現在の中国ではなく、古代の中国であれば日本人の憧れ、少なくとも尊敬の対象であるからだと思います。昔の中国はすごかったけど、今の中国は……という意識、知らず知らずのうちに多くの日本人に根付いているのではないかと思います。(話は逸れますが、韓流というのも、特殊な現象ですね)

ところで、あたしはアジア文学が売れない理由はもう一つあるのではないかと思います。それは当日登壇された方々には申し訳ありませんが、翻訳者の問題です。別に訳文が悪いとか熟れていないとか、そういうことを言いたいのではありません。そもそも翻訳しようとする作品の選び方に問題があるのではないかと思うのです。

中国や韓国の作品となると、少し前まではどうしても自国の苦難の歴史を描いたものが翻訳されることが多かったように思います。それは翻訳者である研究者の方が、翻訳作品を通じてその国のことを知ってもらいたいという気持ちがあるからだと思います。それはそれで理解できますし、海外文学を読む醍醐味でもあります。

でも、栄光の歴史、輝かしい一大叙事詩なものであれば読んでいて愉しいでしょうが、苦難の歴史では読んで楽しいものでしょうか? それにこれらの国々の歴史とは、つまりは日本によって侵略されていた歴史です。必然的に日本は悪玉として描かれます。そんなものを日本人があえて読みたいと思うでしょうか? あたしは、そういう作品ばかりを選んでいたとは言いませんが、どうしてもそういう作品が多くなっていたことがアジア文学が売れなかった理由だと思います。

しかし、今回のイベントで紹介された作品はどうでしょう? 確かに苦難の歴史を踏まえたものもありますが、そういうしがらみから抜け出して、ごくごく普通の娯楽作品として読める、読んで純粋に面白いと思える、そんな作品が増えてきているのを感じました。たぶん翻訳をする研究者の世代交代が進み、歴史を引きずることなく、愉しく読める作品を紹介しようという気運が盛り上がってきているのではないでしょうか? そんな研究者、翻訳家の方々の数年来の努力、活動がここへ来て花を開かせているのかな、そんな風に感じたトークイベントでした。

うーん、ちょっと生意気なことを書いてしまったでしょうか? すみません。

演技指導書のこんな売れ方!

近々、こんな本が出ます。

イヴァナ・チャバックの演技術』といいます。

イヴァナ・チャバックって誰? というのが多くの日本人の感想だと思いますが、あたしもそれとほとんど変わりません。で、聞くところによると、この方、ハリウッドではチョー有名な演技指導者なんだそうです。

そのチャバックさんが初来日し、ワークショップを開催するそうです。上掲の新刊も、その来日のタイミングに合わせての刊行となります。

さて、この本、「俳優力で勝つための12段階式メソッド」というサブタイトルもあるように、メインの読者は俳優さんだと思います。役者と言ってもよいでしょう。既に一線で活躍しているバリバリの現役の方から、これから飛躍する卵の方まで、あるいは自分が演じるのではなく演出をする方にも有用な本だと思います。

でも、このジャンルの本、それだけではあまりにも市場が狭すぎます。もちろん、日本中で役者を名乗る方全員が一冊買ってくださるのであればかなりの冊数になりますが、そんなことはないでしょう。それなのに、実は出版社の予想を裏切って、こういう本、思った以上に売れるのです。

あたしの勤務先の刊行物ですと『発声と身体のレッスン 増補新版』と『演技と演出のレッスン』がそれです。どちらも大ロングセラーです。

 

では、どういう人が買うのか? 正確なところは言えませんが、創造的な仕事に就いている人、たとえばミュージシャンとか、そういった方も買ってくださっているようです。つまりは、自分の肉体を使った表現者ということです。

しかし、されだけではまだまだ足りません。市場調査していきますと、つまりは書店の方から聞いたりした結果なのですが、就職活動中の学生も買っている、営業職のビジネスマンが買っている、そんな声が聞こえてきます。

そうです。自分の声と体を使って表現するのは何も役者や歌手だけとは限りません。自分の将来がかかった就職活動、その大切な面接で自分をいかにアピールするか、そんな学生にとってこういう本がバイブルになっているようなのです。そして、外へ出て厳しいビジネスの現場をくぐり抜けている営業マンも、やはり発声や表情、姿勢はとても大事な要素です。とても疎かにはできません。そういう人たちにとって、プロの指導者がプロへ教えるこの手の本はまさにうってつけというわけなのです。

そう言えば、既に品切れですが、以前『クリエイティブな習慣』という本が出ていまして、やはりこれもそういう感じで売れました。となると、この手の本は、書店の芸術コーナーではなく、ビジネスや自己啓発のコーナーに置いた方がよいのかも知れませんね。

チェーン全体で推してくれてます?

先日のダイアリーで、ブックファースト新宿店の戦後70年フェアについて書きました。

実はこのフェア、新宿店のみのフェアではなく、ブックファーストのチェーンを挙げて展開しているフェアのようです。とりあえず、あたしはその後ルミネ新宿のブックファーストでも目睹しました。

そんな中、田園都市線の青葉台にあるブックファーストへ営業に行ったところ、やはりフェアを展開していたのですが、このブックファーストが入っているテナントビルの入り口脇にあるディスプレイでもフェアの宣伝をしていました。

上の写真がそれです。勘違いしないでください。ブックファーストの入り口ではなく、テナントビルの入り口です。デカデカと宣伝しているポスターの下、なんとあたしの勤務先の本が3冊並べていただいているではないですか!

  

並んでいるのはもちろん『第二次世界大戦1939-45(上)』『第二次世界大戦1939-45(中)』『第二次世界大戦1939-45(下)』の三冊です。

別にこのフェアは、これを中心に据えたフェアでもなければ、あたしの勤務先がメインとなっているフェアでもありません。前に書いたように、とにかく平積みや面陳を極力廃し、たくさんのアイテムを並べる、見せるということに注力したフェアです。そんなチェーンを挙げて強力にプッシュしているフェアの見本として、あたしの勤務先の本を出してくださるなんて、ありがたいことです!

深謝、深謝です。