あるようで探してみるとなかなかない本

今朝の朝日新聞に載っていました。

日本詩仏訳のこころみ』の著者、イヴ=マリ・アリューさんの訃報です。

 

タイトルからわかるとおり、本書はフランス詩を和訳したのではなく、その逆です。日本の詩をフランス語に訳したものです。こういう本ってありそうで、実は意外とないもので、時々問い合わせがあります。(仏詩→和訳なら『フランス詩のひととき』があります!)

たぶん、問い合わせをしてくる読者の期待としては、本書のサブタイトルにある「朔太郎・中也・太郎・達治」以外の詩人の仏訳解説本は他にありませんか、というものでしょう。原著者が他にも著作があるのか知りませんが、確かに詩が好きであれば、もっと他のも、という気になるのも理解できます。

フェアの取っかかりとして、いろいろと広がりそうな……

土曜日の朝日新聞読書欄です。

 

岩波新書の『ライシテから読む現代フランス』が取り上げられていました。同書のキーワードは「多文化共生」になるのでしょうか? 確かに、さまざまな価値観を持った人が一緒に暮らすことの難しさを感じさせる、考えさせる本でした。

ただ、このところのあたしの読書傾向が影響しているのかも知れませんが、「ライシテ」の問題は『ポピュリズムとは何か』『イスラーム主義』といった方面とも繋がるようなテーマではないかと思いました。

 

ヨーロッパのポピュリズムがイスラーム排斥に繋がりがちな点も気になりますし、政教分離はどういう解決方法、落としどころがあるのかわかりませんし、そもそも西側諸国はイスラームを正しく理解できているのだろうか、そんな疑問もあります。

書店店頭で「多文化共生」と言うとやや理屈っぽく聞こえてしまい敬遠されそうですが、ポピュリズムやイスラームなどと絡めると、日本人にとっても身近なテーマになってくるのではないでしょうか?

残念

映画監督のミロス・フォアマンが亡くなったそうです。あたしは映画監督の名前とか脚本家の名前とか、そういう方面には疎いのですが、「アマデウス」という作品は知っていますし、確かテレビの地上波で放送されたときに見た記憶があります。

訃報を伝える紙面ではその「アマデウス」共に名前が挙がっている作品が「カッコーの巣の上で」です。

こちらはまだ未見ですが、Uブックス版の小説は読みました。しかし、残念ながらこのUブックス版、現在品切れなんですよね。

ちなみに、「松岡正剛の千夜千冊」では『ライ麦畑でつかまえて』『キャッチ=22』そしてこの『カッコーの巣の上で』の三つを取り上げて

1960年代のアメリカで若者たちのバイブルになりかかっていた文芸作品が3つある。精神病院を舞台にしたケン・キージーの『カッコーの巣の上で』、戦争状態という管理と論理の悪夢を描いたジョーゼフ・ヘラーの『キャッチ=22』、そして、J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』。

と述べています。あたし自身はこの三作品の『カッコー』しか読んだことがないので当否の判断はできませんが、『カッコーの巣の上で』は間違いなく名作だと思いました。後世も読まれ続ける作品であると感じました。

  

この機会にUブックス版『カッコーの巣の上で』の重版は……難しいかしら?

名著を新訳で

土曜日に移った朝日新聞の読書欄。先週の『聖書の成り立ちを語る都市』(出口治明さん評)に続いて、今週は桜庭一樹さんが『ゴドーを待ちながら』を取り上げてくださいました。

紙面に載っている書影は先日から刊行がスタートした『新訳ベケット戯曲全集』の第一巻で、収録作品が「ゴドーを待ちながら/エンドゲーム」になります。岡室美奈子さんによる新訳です。

 

ただ、多くの方が『ゴドーを待ちながら』と言ったら、Uブックス版を思い浮かべるのではないでしょうか? 大丈夫です、Uブックス版も健在です。この機会に読み比べも是非どうぞ。

いまだに引きずっている?

書店店頭に置いてありました。

 

地下鉄道』の小冊子と言いますか、チラシ、つまりは販促グッズ、拡材と呼ばれるものです。折り畳んだ一枚モノですので、広げると下のような感じになります。

本書につきましては、以前『ネバーホーム』『地図になかった世界』と一緒に並べてみませんかと書いたことがありますので言いたいことはそちらに譲りますが、3冊のうち2さつがピュリツァー賞を受賞している作品です。やはりアメリカでは奴隷問題というのは関心が高い証拠ではないでしょうか?

先日もキング牧師を称えるパレードが全米各地でありました。白人警官が黒人に暴力を振るって死に至らしめたというニュースも時々目にします。トランプ大統領がメキシコからの移民に対して厳しい措置を執ると明言していたりします。なんだかんだと言って人種差別問題、アメリカという国はいまだにそれを引きずっているのでしょう。

書評効果で重版決定

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アジア文学、盛り上げていきましょうよ!

朝日新聞の夕刊を開いたら、あら、齋藤真理子さん!

東アジア文学に関するイベントの記事が載っていました。紹介されていたのは『野蛮なアリスさん』と『13・67』の二つ。前者は韓国、後者は香港の作品です。

とりあえず両書とも持っています。『13・67』は読みましたが、抜群に面白かったです。『野蛮なアリスさん』はこれから読もうと思っているところです。

最近は、あたしの勤務先でもそうですが、韓国や中国、台湾の作品が各社からよく刊行されています。正直なところ、爆発的なブームを呼び起こしているのかと問われると、まだまだ散発的なものに留まっています。しかし、読んでいただければ、どれも面白い作品ばかりです。

いや、どれもと言ったら、人それぞれ好みがありますから言いすぎになるかも知れません。ただ、少なくともあたしにはどれもそれぞれに面白く、読んでよかったと思える作品ばかりでした。韓国、中国、台湾、それぞれにそれぞれのよさがあって、国情を反映しつつも、日本人にも通じるところが感じられます。

こんな感じで記事になったのですから、さらに売れて欲しいなあと思いますが、出版社としては次にどんなことをすればよいのでしょうか、何をしたら読者が興味を持ってくれrのか、本に手を伸ばしてくれるのか、それを探しあぐねております、もう何年も。