フェア、などなど

書店で見かけたフェアを二つほど。

まずは紀伊國屋書店新宿本店でやっていた「アナろぐのための80冊」というフェア。「じんぶんや」選書フェアです。

人文のフェアですが、こういうテーマなので『盆栽/木々の私生活』『ユニヴァーサル野球協会』『第三帝国』といった海外小説も選んでいただいております。

で、小冊子に書いてありました。「アナろぐ」とは誤植ではなく、「アナログ」と「くつろぐ」の合成語なんだそうです。「堅い本ばかり」「眠くなりそうな本ばかり」という先入観で人文書フロアにふだんは立ち寄らないような方にこそ覗いてもらいたいフェアです。

続きましては、ブックファースト新宿店でやっていた、東京大学出版会の恒例のフェアです。

今回も立派な冊子が用意されていますが、その巻頭言は石井洋二郎さん。

となると、あたしの勤務先の『分断された時代を生きる』『科学の最前線を歩く』などが、このフェアの傍らに置いてあっても何の違和感もないところだと思います。

こういうのをメディアミックスと呼ぶのでしょうか?

今夜のNHKの「クローズアップ現代+」の特集は「中国とアフリカ~習近平体制が目指す「一帯一路」~」とあります。番組のサイトには以下のように内容が紹介されています。

3月に国家主席に再選された習近平国家主席。圧倒的権力を掌握し、2期目となるむこう5年間、中国を率いることになった。その習近平国家主席が力を入れているのが、中国とアフリカ、ヨーロッパをつなぐ巨大経済圏構想「一帯一路」の実現だ。いま中国はアフリカへの進出を加速させ、現地での影響力を急速に拡大させている。去年8月には東アフリカのジブチに海外ではじめての基地の運用を開始。さらにケニアやエチオピアに鉄道を敷設し、物流の大動脈を築くとともに、国の安全を支える基幹システムも輸出、国造りそのものに深く関与しはじめている。中国の狙いはどこにあるのか? アフリカの現場に密着する。

中国のアフリカ進出はこのところ雑誌でも時々特集が組まれたりしているので、日本人にもそれなりに知られているとは思います。NHKの「クロ現」が満を持して取り上げるということなのでしょうか?

となると思い出されるのは、あたしの勤務先から出ている『中国第二の大陸アフリカ』です。

一見するとタイトルの意味が取りづらいかも知れませんが、上掲のような事実を踏まえると逆によく理解していただけるのではないでしょうか。本書について、サイトの内容紹介には次のようにあります。

1996年に江沢民国家主席(当時)がアフリカ六カ国を歴訪して以来、中国は国家ぐるみでアフリカ進出を本格化させてきた。中国の対アフリカ貿易額は突出し、民間投資額もアメリカに迫る勢いだ。さらに、新天地を求めてアフリカに渡った中国人は、この10年で100万人を超えるといわれている。本書は、カラオケバーを経営する売春宿の女将から銅山開発に成功した起業家に至るまで、中国移民が追い求める「アフリカン・ドリーム」の実像を、サハラ以南10カ国を巡って詳細に描いたルポである。著者は中ア双方で『ニューヨーク・タイムズ』の支局長を務めたベテラン・ジャーナリスト。両者に渦巻く野望、欲得ずくの協力・依存関係、蔓延する腐敗と偏見――「ビジネス」という視点だけでは見えてこない人びとの日常の姿を通して、アフリカで急速に存在感を増す中国の「人としての顔」を浮かび上がらせる。そこに新植民地主義の影を見ることもできるが、同時に、経済的、文化的相互交流が盛んな新世界を展望することも可能だ。本書は中国とアフリカの関係を新たな視点で見直し、歴史地図に位置づける試みである。『ニューヨーク・タイムズ』ほか有力紙誌が絶賛。

恐らく、テレビだけでは伝え切れていない部分が描かれているはずです。言ってしまえば、テレビの特集と書籍、映像と文字のシンクロです。メディアミックス、相互補完とはまさにこういうことを指すのではないでしょうか?

あっという間だと思います

東京の九段にあるイタリア文化会館で「イタリアブックフェア」が始まっています。

上の写真はそのパンフレットです。会期が14日までですので、興味がおありの方はお早めにどうぞ!

そして、そのパンフレットの中にも書いてありますが、同意開催で須賀敦子没後20年の記念展示も行なわれています。こちらも貴重な展示品が見られますが、やはり会期が14日までですので、ファンの方はこちらもお急ぎください。

ノンフィクションが苦手なら、文芸からアプローチ

先程書いたキング牧師と公民権運動のこと。

書店店頭でのフェアとなると、小さい書店はともかく、ある程度の規模の書店になると「海外事情」といったコーナーでの展開になるかと思います。集まる書籍もそのジャンルのものが大多数ですから仕方ないとは思います。

ただ、正面からキング牧師を扱ったものではありませんが、こんな作品もあります。

  

地下鉄道』『ネバーホーム』『地図になかった世界』の翻訳小説です。それぞれ出版社のサイトには

ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞受賞作。アメリカ南部の農園で、苦しい生活を送る奴隷の少女コーラ。あるとき、仲間の少年に誘われて、意を決して逃亡を試みる。地下をひそかに走る鉄道に乗り、ひとに助けられ、また裏切られながら、自由が待つという北をめざす。世界的ベストセラーついに刊行!(『地下鉄道』早川書房)

南北戦争がはじまって、インディアナの農場で暮らしていたコンスタンスは夫のバーソロミューに代わって、北軍への入隊を決意する。名前をアッシュとかえて、男性の格好をして。女性にやさしい「伊達男アッシュ」とも呼ばれ、勇敢に戦い続ける。女であることがばれないかとおびえながら、野営地ですごし戦闘と行軍をくりかえす。夫と手紙のやりとりをし、亡くなった母と語り合う。(『ネバーホーム』朝日新聞出版)

南北戦争以前、「黒人に所有された黒人奴隷」たちを描いた歴史長篇。日々の暮らしの喜怒哀楽を静かに語り、胸を打つ。ピュリツァー賞ほか主要文学賞を独占した話題作。柴田元幸氏推薦!(『地図になかった世界』白水社)

とあります。どれもアメリカの南北戦争前後の時代を扱った作品です。こういう作品を通して黒人奴隷の問題、人種差別の問題を考えるのもよいのではないでしょうか? 海外事情などのノンフィクションを読み慣れていない方にはお薦めです。

各新聞社、記者の人たちが頑張っているんだなあ

今朝の朝日新聞に、アフリカ・ナイジェリアのボコ・ハラムの記事が大きく取り上げられています。中東の「イスラム国」の掃討はある程度できたようですが、むしろ世界各地に拡散しているとも言われていて、特にアフリカがひどいことになっているらしいです。

そんなナイジェリアを朝日新聞の貴社の方が取材したわけですが、命の危険もあったのではないでしょうか? もちろん本当に危ない場所へは入らないでしょうし、入れないのだと思いますが……

そんな記事から思い出したのが『ジハード大陸 「テロ最前線」のアフリカを行く』です。こちらは毎日新聞特派員の方の著作です。

ナイジェリアに留まらず、アフリカ各地を歩き回って取材した成果です。先日の日本経済新聞でも紹介されていましたが、あたしたちが現地に行くことはなかなか難しいですから、こういう記事や書籍は本当に貴重だと思います。

話題の本棚、気になる本棚

新宿の紀伊國屋書店の二階、エスカレーターで昇ってきて入ってくると、最初の柱のその向こうに「新刊・話題書」を並べている棚があります。そこはしばしばフェア的な展開もしているコーナーなのですが、ただいまはこんな企画が……

おわかりいただけますか? では、タイトル看板の部分をアップにいたします。

はい、これでおわかりいただけましたよね? えっ、岸本さんって誰って? 看板にも書いてありますが、翻訳家の岸本佐知子さんのことです。岸本さんが選んだ本のフェアが開催中なのです。

ということで、改めて棚の書籍たちをもう少しアップで……

ちなみに、岸本さんが選んだけれど出版社で絶版や品切れになっていて今回のフェアに並べられなかった書籍のリストというのがありまして、フェアの書籍を購入時にレジでその旨を告げるといただけるそうです。

うーん、いったい何が選ばれていたのでしょう? そのうち、あたしも手に入れなければ!