マリンリゾート気分?

昼前に勤務先を出て、小田原から茅ヶ崎まで営業に行って来ました。今日は午後から雨になると聞いていたのですが、ほぼ雨には降られず、夕方、さあ帰宅だ、という頃合いになってポツリポツリと、「あれ、雨かしら?」という程度の降りでしのげました。いや逆に、小田原などは真夏の太陽が降り注ぐ青天、という感じでした。

さて湘南地区です。あたしは営業回りでは来たことがないので、すべてが新鮮でした。小田原も、小さいころに家族で箱根へ行ったときに小田原城へ寄ったことがあるという、自分人の体験ではなく、親から聞かされた記憶があるだけで、物心ついてから訪れたことは一度もない土地です。年に何度も新幹線で通過はしますが、小田原駅に降り立ったのは、事実上初めてと言ってよいと思います。

その小田原。やはり東海道の宿場町、にぎやかですね。箱根を後ろに控えて海の幸にもあふれ、地方と呼ぶべきか、東京のベッドタウンと呼ぶべきか、難しいところです。昨今の小中学生は既に夏休みが終わっている子供も多いと聞きますが、やはり今日から夏休み最後の週末と言うことでしょうか、それなりに賑わっている感じがしました。

バスに乗っていたら「唐人街」なんて歴史を感じさせるバス停を通りました。こんなところも城下町の名残でしょうか? あるいは、だるま料理店なんていう趣のある建築の料理屋の前を通ったり、こういうところが歴史ある城下町の醍醐味でしょうか?

さて、小田原を後にして平塚、茅ヶ崎。このあたりも、まるっきりの処女地。来るのも、駅で下りるのも初めての地です。走っている電車から南に目をやれば太平洋が見えるので、どうしてもリゾート気分になってしまいますが、駅前は都内にもありがちな、それなりに賑やかなJRの駅前です。夕方なので学生もいれば会社帰りのサラリーマンやOLもいて、リゾート気分は消し飛んでしまいます。確かに、このあたりから都内へ通勤している人も多いわけで、このあたりに住んでいる人に言わせれば、リゾート地でも観光地でもなんでもないですよね。

で、あたしは駅周辺にしか滞在していないので、それぞれの街の違いや空気などを感じることはできませんでしたが、これはJRもいないのではないでしょうか? このあたりはラスカという名の駅ビルが多いですが、そのためにどれも画一的で無個性な感じを受けてしまいます。都内のJRの駅がルミネやアトレばかりになって没個性かが進んでいるのと同じですね。あたしの利用する武蔵小金井も、武蔵境、東小金井と一斉に高架になり駅ビル(駅ナカ? 駅ソト?)ができ、そのどれもが同じような感じで、駅を降り間違えそうになるくらいです。

と愚痴っても仕方ないですが、そんな感じの初・湘南でした!

今朝の朝日新聞から

下の写真は、今朝の朝日新聞に載っていた女性誌の広告です。このところ安保法案反対など、なにかと硬めの記事も目につく女性誌ですが、なんと武雄図書館の蔵書に関する問題が取り上げられていました。どんな記事になっているのでしょう?

武雄図書館の蔵書問題は、なんとなく聞いているだけで、問題となっているリストを目にしたわけではありません。公費でどんな本を買うか、難しい問題だと思います。表面的には時代遅れの古い本や古書を購入することが問題となっているようですが、幾星霜を経ても図書館に配架すべき書物というのはあると思います。しかし、その本が既に出版社では品切れ、絶版となり、もはや新刊としては手に入らないとなれば、図書館としては古書業者を当たるしかないのではないでしょうか?

と、このように書けば、古書を購入することも決して間違ってはいない、むしろそんな名著を品切れのままにしておく出版社の方が悪いとも言えます。出版社が重版するなり新装版として出すなりして新刊で手に入るようにすればよいのでしょうが、それはそれで難しい問題があります。図書館と違って出版社は営利を追求する企業です。採算がとれないと踏み切ることはできません。

ただ、この件は、いま話題になっている武雄図書館問題とは別でしょうから割愛します。図書館の古書購入です。あたし個人としては上にも書いたように、現在の出版事情(出版社の在庫状況)に鑑みて、一概に否定すべきものとは考えていませんが、だからといって何でもかんでも古書で購入してよいとも思っていません。そこにはやはり図書館として配架すべき、所蔵すべき図書なのかどうか、しかるべき立場の人が慎重に吟味するべきだと思います。

さて、同じ今日の朝日新聞に上のような記事が載っていました。コンビニ大手のローソンが書籍の販売に力を入れるという記事です。この分野ではセブンイレブンが先を行っていますが、ほとんどのセブンイレブンを見ても、置いてあるのは雑誌がほとんどで、書籍を売ろうという感じは受けません。

記事中の写真ではもう少し書籍を充実させて、どのコンビニもある雑誌スタンドではなく、きちんと書籍コーナーと呼びうるようなスペースを確保し用としている感じが伝わってきます。

しかし、品揃えはどうするのでしょうか? プロの書店員ですら大量の新刊に追われ、置くべき書籍の選定に時間を割いている暇がないのが現状です。書籍のことなどほとんどわかっていないコンビニ店員が書籍コーナーと呼べるほどの売り場を作れるのか? 無理でしょうね。恐らく取次かチェーン本部が一括して「データ上、いま売れている書籍を30アイテム、あるいは50アイテム送り込む」という形になるのではないでしょうか。それ以外に方法があるとは思えません。そうなると、本屋とは呼べませんよね。どこのローソンへ行っても置いてある書籍は同じ、という近未来図がイメージできます。

結局、セブンイレブンやローソンなど、コンビニの運営ノウハウを使う限り、そうなってしまうのはやむを得ないのでしょう。とあるローソンでは、やたらとUブックスが揃っているとか、エクス・リブリスがすべて置いてあるとか、そういうバラエティを期待してもダメなのでしょう。

という感じで、なんか否定的なことばかり書いてしまいましたが、実はあたしは、書店の廃業が増えている中、出版社としてどこで本を売ればよいのかと考えた場合、アマゾンよりもコンビニに期待を持っているのです。アマゾンはパソコンなどでアマゾンのサイトにアクセスしないとなりません。まだまだ多くの人にとってはハードルが高いと言えます。それに引き替えコンビニは、若者からお年寄りまでほぼどの世代をも取り込んでいます。大袈裟に言えば、「アマゾンにアクセスしない日本人は多くても、日に一度もコンビニに行かない日本人はいない」というわけです。

セブンイレブンだろうがローソンだろうが、これだけ日本人が毎日のように訪れる場所でものを売らない手はありません。しかし、本は種類が多くニーズもバラバラです。ですから、コンビニ店頭でのリアルな棚を充実させるのではなく、カタログあるいは店頭の機械(端末)をもっと使いやすく、本を買いやすく改良する必要があるのではないか、そう考えています。

お年寄りが公共料金の振り込みに来たついでに簡単に端末を操作して本を注文する、そんな感じに持って行けたら、アマゾンは日本から撤退せざるを得なくなるのではないでしょうか?

野望、慾望、絶望

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2015年8月26日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

東アジア文学はこれを読め![続]

感想は改めて書くと宣言したまま放置プレイなってしまっていましたが……

東アジア文学、具体的には中国・台湾・韓国・チベット文学を今回「読んとも」で取り上げたのは、豊﨑さん自身の興味が最大の理由でしょうが、ここへ来て、これらの文学の翻訳でヒット作、話題作が続けざまに刊行されたという事情もあったと思います。

が、そうやって東アジア文学にスポットが当たるというのは、逆に言えば、これまでどれほど日の目を見なかったかということでもあります。このことは今回の演者の皆さんが口を揃えておっしゃっていたことです。では、なぜに東アジア文学は売れなかったのか。いや、東アジアと限定しなくてもよいです。アジア全般、売れてませんでした。海外文学といえば、まずは英米、その次にヨーロッパ、フランス、イタリア、ドイツ、ロシアといったところ、そして南米やスペインのラテン文学が主流であり、それ以外の地域の文学は、文芸の棚の中で肩身の狭い海外文学の中でも更に肩身の狭い位置に置かれているのが一般的です。

売れない理由、それは冒頭に豊﨑さんが指摘したように、日本人のアジア諸国に対する蔑視があると思います。これは間違いないでしょう。そもそも海外の作品を読むというのは、その国、そしてその国の文化や生活スタイルに対する憧れがあって、小説の中だけでもそれに浸っているような気分を味わいたい、という気持ちがあるから読むのだと思います。もちろん、そんなオシャレなものではなく、単純にその国に対する興味でも構いませんが、そこにもやはり憧れ、少なくとも敬意は含まれていると思います。

それに対して、敬意や憧れを抱くなんてことはおろか、むしろ見下し、バカにしている国々に興味を持ち、そこの作品を読みたいと思うでしょうか? いや、大東亜共栄圏を標榜していた戦前ならいざしらず、現在の日本人がアジアの国々や人びとをそんなにもバカにしているなんてことはない、と反論する方は多いと思います。もちろん戦前のような見下し方はないでしょうが、欧米とアジアを比べた場合、やはりヨーロッパの方を上に見る日本人はまだまだ多いと思います。

その証拠というつもりはありませんが、中国文学でも史記や三国志などの古典作品は人気があります。それこそ欧米の海外文学など太刀打ちできないほどの数の翻訳書が刊行されています。それは現在の中国ではなく、古代の中国であれば日本人の憧れ、少なくとも尊敬の対象であるからだと思います。昔の中国はすごかったけど、今の中国は……という意識、知らず知らずのうちに多くの日本人に根付いているのではないかと思います。(話は逸れますが、韓流というのも、特殊な現象ですね)

ところで、あたしはアジア文学が売れない理由はもう一つあるのではないかと思います。それは当日登壇された方々には申し訳ありませんが、翻訳者の問題です。別に訳文が悪いとか熟れていないとか、そういうことを言いたいのではありません。そもそも翻訳しようとする作品の選び方に問題があるのではないかと思うのです。

中国や韓国の作品となると、少し前まではどうしても自国の苦難の歴史を描いたものが翻訳されることが多かったように思います。それは翻訳者である研究者の方が、翻訳作品を通じてその国のことを知ってもらいたいという気持ちがあるからだと思います。それはそれで理解できますし、海外文学を読む醍醐味でもあります。

でも、栄光の歴史、輝かしい一大叙事詩なものであれば読んでいて愉しいでしょうが、苦難の歴史では読んで楽しいものでしょうか? それにこれらの国々の歴史とは、つまりは日本によって侵略されていた歴史です。必然的に日本は悪玉として描かれます。そんなものを日本人があえて読みたいと思うでしょうか? あたしは、そういう作品ばかりを選んでいたとは言いませんが、どうしてもそういう作品が多くなっていたことがアジア文学が売れなかった理由だと思います。

しかし、今回のイベントで紹介された作品はどうでしょう? 確かに苦難の歴史を踏まえたものもありますが、そういうしがらみから抜け出して、ごくごく普通の娯楽作品として読める、読んで純粋に面白いと思える、そんな作品が増えてきているのを感じました。たぶん翻訳をする研究者の世代交代が進み、歴史を引きずることなく、愉しく読める作品を紹介しようという気運が盛り上がってきているのではないでしょうか? そんな研究者、翻訳家の方々の数年来の努力、活動がここへ来て花を開かせているのかな、そんな風に感じたトークイベントでした。

うーん、ちょっと生意気なことを書いてしまったでしょうか? すみません。

演技指導書のこんな売れ方!

近々、こんな本が出ます。

イヴァナ・チャバックの演技術』といいます。

イヴァナ・チャバックって誰? というのが多くの日本人の感想だと思いますが、あたしもそれとほとんど変わりません。で、聞くところによると、この方、ハリウッドではチョー有名な演技指導者なんだそうです。

そのチャバックさんが初来日し、ワークショップを開催するそうです。上掲の新刊も、その来日のタイミングに合わせての刊行となります。

さて、この本、「俳優力で勝つための12段階式メソッド」というサブタイトルもあるように、メインの読者は俳優さんだと思います。役者と言ってもよいでしょう。既に一線で活躍しているバリバリの現役の方から、これから飛躍する卵の方まで、あるいは自分が演じるのではなく演出をする方にも有用な本だと思います。

でも、このジャンルの本、それだけではあまりにも市場が狭すぎます。もちろん、日本中で役者を名乗る方全員が一冊買ってくださるのであればかなりの冊数になりますが、そんなことはないでしょう。それなのに、実は出版社の予想を裏切って、こういう本、思った以上に売れるのです。

あたしの勤務先の刊行物ですと『発声と身体のレッスン 増補新版』と『演技と演出のレッスン』がそれです。どちらも大ロングセラーです。

 

では、どういう人が買うのか? 正確なところは言えませんが、創造的な仕事に就いている人、たとえばミュージシャンとか、そういった方も買ってくださっているようです。つまりは、自分の肉体を使った表現者ということです。

しかし、されだけではまだまだ足りません。市場調査していきますと、つまりは書店の方から聞いたりした結果なのですが、就職活動中の学生も買っている、営業職のビジネスマンが買っている、そんな声が聞こえてきます。

そうです。自分の声と体を使って表現するのは何も役者や歌手だけとは限りません。自分の将来がかかった就職活動、その大切な面接で自分をいかにアピールするか、そんな学生にとってこういう本がバイブルになっているようなのです。そして、外へ出て厳しいビジネスの現場をくぐり抜けている営業マンも、やはり発声や表情、姿勢はとても大事な要素です。とても疎かにはできません。そういう人たちにとって、プロの指導者がプロへ教えるこの手の本はまさにうってつけというわけなのです。

そう言えば、既に品切れですが、以前『クリエイティブな習慣』という本が出ていまして、やはりこれもそういう感じで売れました。となると、この手の本は、書店の芸術コーナーではなく、ビジネスや自己啓発のコーナーに置いた方がよいのかも知れませんね。

チェーン全体で推してくれてます?

先日のダイアリーで、ブックファースト新宿店の戦後70年フェアについて書きました。

実はこのフェア、新宿店のみのフェアではなく、ブックファーストのチェーンを挙げて展開しているフェアのようです。とりあえず、あたしはその後ルミネ新宿のブックファーストでも目睹しました。

そんな中、田園都市線の青葉台にあるブックファーストへ営業に行ったところ、やはりフェアを展開していたのですが、このブックファーストが入っているテナントビルの入り口脇にあるディスプレイでもフェアの宣伝をしていました。

上の写真がそれです。勘違いしないでください。ブックファーストの入り口ではなく、テナントビルの入り口です。デカデカと宣伝しているポスターの下、なんとあたしの勤務先の本が3冊並べていただいているではないですか!

  

並んでいるのはもちろん『第二次世界大戦1939-45(上)』『第二次世界大戦1939-45(中)』『第二次世界大戦1939-45(下)』の三冊です。

別にこのフェアは、これを中心に据えたフェアでもなければ、あたしの勤務先がメインとなっているフェアでもありません。前に書いたように、とにかく平積みや面陳を極力廃し、たくさんのアイテムを並べる、見せるということに注力したフェアです。そんなチェーンを挙げて強力にプッシュしているフェアの見本として、あたしの勤務先の本を出してくださるなんて、ありがたいことです!

深謝、深謝です。

今日のネクタイ~壹佰拾伍本目。~サルがいる![2015.8]

今日は新刊の配本日です。その新刊とは動物園の人気者、サル。はい、『サル その歴史・文化・生態』のことです。今日が配本日ですから、都内の大型店ですと今日の夕方、それ以外の都内近郊のお店なら明日くらいから、書店店頭に並び始めると思います。

で、手に持っているのが、それです。表紙はなんというサルでしょうね? 孫悟空のモデルと言われる金絲猴でしょうか? たぶん、本をめくればわかるのでしょうけど……(汗)

あれ、でも新刊をお目にかけることにばかり気がいっていて、肝心のネクタイが写っていませんね。申し訳ない。では改めて、こちらです。

わかりますか? 日光の彫刻でも有名な、聞か猿、見猿、言わ猿です。

いやいや、一匹多いではないですか? でも、フツーにあたしたちが知っているのは、「聞かざる・見ざる・言わざる」で、お猿さんは3匹ですよね? 4匹なんて聞いたことありますか?

で、調べてみたんですよね。そうすると、あまりにも日光の彫刻で有名になってしまったので3匹と思われがちなのですが、実は「四猿」なんですね。もう一匹は「せざる」、つまり「何々しない」ということで、手をぶらんと下に下ろしているポーズをしているようです。

 

まあ、三猿も世界的にいろいろあるようなので、四猿も含め、上掲のような本も出ていますので、調べてみると面白いかも知れませんね。ちょうどよい、夏休みの自由研究のテーマではないでしょうか?