大英帝国と大日本帝国

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外文リーガーの活躍

豊崎由美さんが隔月で行なっている「読んでいいとも!ガイブンの輪」というイベント。毎年年末は海外文学を出している主な出版社の編集担当者を一堂に集めて、「今年出した本、来年出す予定の本」を語ってもらう、「オレたち外文リーガーの自信の一球と来年の隠し球」をやっています。

昨年の12月は八重洲ブックセンター本店で行なわれたのですが、そこに集った出版社は、河出書房新社・群像社・国書刊行会・作品社・松籟社・白水社・早川書房・藤原編集室。

で、今年の日本翻訳大賞の二次選考に残った16作品を見てみますと、河出書房新社が3作品、早川書房・白水社・国書刊行会がそれぞれ2作品、群像社が1作品と10作品を占めています。これはかなりの高確率ではないでしょうか?

ちなみに昨年の第一回も大賞2作品のうち一つは白水社。読者賞が作品社。これらを含む二次選考17作品のうち7作品が外文リーガー8社の作品でした。

つまり、書店で海外小説を充実させたいというときには、まずはこの8社(藤原編集室は出版社ではありませんが……)の作品からチョイスしていけば外れはない、と言えるのではないでしょうか?

とまで言ってしまったら、ちょっと手前味噌でしょうか?

今年もバラエティ豊か?[後編]

ではでは、続きまして残りの8作品。


キャロル

パトリシア・ハイスミス著/柿沼瑛子訳、河出文庫。パトリシア・ハイスミスはアメリカの作家です。


エンジェルメイカー

ニック・ハーカウェイ著/黒原敏行訳、早川書房。ニック・ハーカウェイはイギリスの作家です。


出身国

ドミトリイ・バーキン著/秋草俊一郎訳、群像社。ドミトリイ・バーキンはロシアの作家です。


智異山(上)』『智異山(下)

李炳注(イ・ビョンジュ)著/松田暢裕訳、東方出版。李炳注は韓国の作家です。


25年目の「ただいま」

サルー・ブライアリー著/舩山むつみ訳、静山社。サルー・ブライアリーはインドの作家です。


歩道橋の魔術師

呉明益(ウー・ミンイー)著/天野健太郎訳、白水社。呉明益は台湾の作家です。


教皇ヒュアキントス

ヴァーノン・リー著/中野善夫訳、国書刊行会。ヴァーノン・リーはイタリアの作家です。


紙の動物園

ケン・リュウ著/古沢嘉通訳、早川書房。ケン・リュウは中国系アメリカ作家です。

という16作品ですが、この中で英米系作家と言えるのは5作品でしょうか? なんと過半が非英米となります。これもまたすごいバラエティ豊かなラインナップではないでしょうか?

今年もバラエティ豊か?[前編]

先日発表された日本翻訳大賞の二次選考対象16作品。

昨年の授賞式で、英米系外の作品が多く残ったことに、選考委員の柴田元幸さんが驚かれていたのを印象深く覚えています。日本の翻訳界の豊穣さを表わすものとして、柴田さんももちろん喜んでいたわけですが。

ということで、今回の16作品はどうなっているのか、あたしなりに調べてみました。


ムシェ 小さな英雄の物語

キルメン・ウリベ著/金子奈美訳、白水社。キルメン・ウリベはスペイン・バスクの作家です。


動きの悪魔

ステファン・グラビンスキ著/芝田文乃訳、国書刊行会。ステファン・グラビンスキはオーストリア=ハンガリー帝国時代の人、現在はポーランドになります。


フランドルの四季暦

マリ・ゲヴェルス著/宮林寛訳、河出書房新社。マリ・ゲヴェルスはベルギーの作家です。


素晴らしきソリボ

パトリック・シャモワゾー著/関口涼子訳、河出書房新社。パトリック・シャモワゾーはカリブ海のフランス領マルティニーク島出身の作家。


春草

裘山山(チウ・シャンシャン)著/于暁飛監修/徳田好美・隅田和行訳、日本僑報社。裘山山は中国の作家です。


クリスマス・キャロル

チャールズ・ディケンズ著/井原慶一郎訳、春風社。チャールズ・ディケンズはイギリスの作家です。


夢へ翔けて

ミケーラ・デプリンス著/田中奈津子訳、ポプラ社。ミケーラ・デプリンスはシエラレオネの作家です。


パールストリートのクレイジー女たち

トレヴェニアン著/江國香織訳、ホーム社。トレヴェニアンはアメリカの作家です。

とりあえず、まずは半分の8作品でした!

またしても併売推奨品!

JTBパブリッシングの新刊『地図で解明!東京の鉄道発達史』が並んでいるのを見かけました。

著者は今尾恵介さん、そしてこのタイトル。なにやら思い出しませんか?

  

はい、あたしの勤務先のウェブサイトで連載し、それを書籍化した『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東1』『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東2』『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み 関東3』の3冊です。

これらは当時の地図と鉄道事業開業に当たって鉄道省に提出された鉄道会社の文書から、どんな風に鉄道が敷設されていったのか、関東の私鉄に絞って語った本です。JTBの本は鉄道省文書こそ使っていませんが、地図を読み解きながら、鉄道の発達を語るということでは共通します。そして私鉄に限らず、東京の鉄道全般にわたって書いているのが違いといったところでしょう。

これは一緒に並べて売らない手はないでしょう。JTBの新刊のあとがきには、真っ先に『地図と鉄道省文書』3冊のことが書かれています。そのくらい、著者・今尾さんにとって、出版社こそ異なりますが、これらの本はお互いに密接に結びついているのだと思います。

書店員の皆さま、是非是非どうぞよろしくお願いいたします!

2020年に向けた語学書

先程アップしたダイアリーはメトロの駅で見つけたパンフレットのことを書いたわけですが、つまりは東京五輪を見据えて、東京に、日本に外国人を招こう、そしてもっとおもてなしをしよう、という気持ちの表われなのだと思います。そして、たぶんそんな流れに乗ったと思うのですが、書店回りをしていたらこんな本を見かけました。

 

フランス語日本紹介事典』です。とりあえず、フランス語だけが刊行されていて、それ以外にドイツ語やスペイン語、あるいは中国語・韓国語の刊行予定があるのか、詳しいことはわかりません。ただ、本書を見たときに「やられた!」と思いました。

本来なら、という表現が正しいのかわかりませんが、あたしの勤務先こそ、こういった英語以外の日本紹介本をもっと出版していてしかるべきなのではないか、そんな風に思ったからです。実は、フランス語では本書とはやや趣旨がズレますが、『フランス人が日本人によく聞く100の質問』がロングセラーで売れているそうです。日本のことをフランス語で伝えるという意味では両者に共通するところはあると思います。

さて、五輪に向け訪日外国人が増えることが予想され、来日外国人へのおもてなしとして少しくらいは外国の言葉が出来た方がよいだろうと考える日本人も多いと思いますが、ではどんな本を作ればよいのでしょうか? 漠然と「やられた」と思いましたが、よくよく考えると、ターゲットや難易度、難しいことだらけです。

ある程度、外国語を学んでいて、そういう人が訪日外国人向けに特化した日本紹介の参考書を求めていると予想して、それなりのレベルのものを作るのか? それとも、「ハロー」「サンキュー」程度のカタカナ英語が関の山、それ以外の外国語なんてまるでわからないという日本人が、なにはともあれちょっとはしゃべりたいから、という程度の需要を狙うのか?

とりあえず、外国人が来そうな場所、例えば東京の浅草とかで、ホテルやそれなりのお店なら英語や中国語・韓国語のできるスタッフを雇っているでしょうけど、個人商店ではそんな余裕もなく、それでも自分のお店にも外人さんが来るかもしれない、と不安がっているおじさん、おばさんも多いのでは? そういう人たちに使いやすい、そういう人たちでも使えるようなもの……

「指さし」シリーズで十分でしょうかね? だって、そういう人たちが、あたしの勤務先が作るような、腰を落ち着けてじっくり学んでいくような学習書を手に取るとは思えないですし、手に取ってくれても、すぐに挫折してしまうのは火を見るより明らかだと思うのです。やはり、ここは餅は餅屋。この手の語学書は実用書系の出版社や旅行ガイド出版社に任せるのがよいのでしょうか?

仏独西も作って?

書店回りの途次、地下鉄駅で見付けました。

東京メトロのガイドです。左から英語版、中国語(簡体字)版、中国語(繁体字)版、韓国語版です。詳しくない方のためにお節介がてら書いておきますと、簡体字は中国大陸で使われている漢字、繁体字は台湾や香港で使われている漢字です。

さて、この四か国語のガイド(パンフレット?)はありましたが、それ以外は見当たりません。このようなパンフレットはこの四か国語しかないのでしょうか?

メトロのサイトを見ますと、この四か国語の他にタイ語のページも用意されているようです。路線図だけならスペイン語ドイツ語フランス語ロシア語も用意されているようです。なのに、実際に駅に置いてあったパンフレットはこの四か国語だけ。来日者数を見る限り、これが正解、費用対効果的にも割に合うのはこのくらいなのでしょう。

しかし、あたしの勤務先的には、やはり仏独西あたりが揃っているのを見たいところですね。

一つに束ねられない……

始まりましたね、東京国際文芸フェスティバル! 公式、関連などなど、都内各地で、それこそ書店に限らず、さまざまなイベントが目白押しです。どれに行こう、こっちへ行ったらあっちへ行けない、といった嬉しい悲鳴も聞こえます。確かに、これだけの短時日に多くの作家が来日しイベントを行なっているわけですから、興味のある催しが重なるのは当然と言えば当然のこと。むしろ、こんな贅沢、地方在住で、なかなか東京へ行かれない方からすれば、まさに贅沢な悩みなのでしょう。

というわけで、昨晩のあたしは上の写真。紀伊國屋書店新宿南店で行なわれたトークイベント「一つに束ねられない、豊かなことばたち」でした。演者は温又柔さんに来日中のシャマン・ラポガンさん、そしてゲストに管啓次郎さんというお三方。シャマン・ラポガンさんの故郷、台湾の蘭嶼(ランユー)の話で盛り上がりました。

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今日のネクタイ~壹佰貳拾貳本目。~上州名物![2016.3]

こん**は、染井吉野ナンシーです。

このダイアリーの愛読者ならご存じだと思いますが、先週、あたしは群馬県にお仕事で行って来ました。群馬と言っても広いですが、今回は、いや、今回も高崎と前橋のみですが、天気もよくて、空っ風は冷たいものの、昼間は日差しのぬくもりも感じられる、ピクニック、否、出張日和でした。

群馬の話はこのあたりにして、今回はこちら!

紫の人。

プリンス? いや~、いまどきの人は知らないか、プリンスと言われても……(汗)。アメリカの歌手です。一時はマイケル・ジャクソンと人気を二分するような勢いがあったのですけどね。

それはともかく、紫基調のブラウスとネクタイです。あたしの好きな色です。日本では古来、高貴な色でしたし、なんといっても乃木坂46のイメージカラー! 昔から好きな色でした。あと、もう少し薄い、藤色も好きです。

で、何の変哲もないように見えるネクタイがこちら。わかりますか?

ここでようやく話は最初の群馬に戻るのです。

えっ、まだわかりませんか? 群馬県のゆるキャラ、ぐんまちゃんです。高崎の駅ビル内にショップがあったのですが、そこに何種類かネクタイも置いてあって、色とデザインがいちばん気に入ったこちらをチョイスしたという次第。

群馬と言えば国定忠治大前田英五郎というのは、もう古いのでしょうね! いや、昨今の群馬と言えば、世界遺産、富岡製糸場ですよね?