Nancy Sensual World
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まもなく自著も刊行予定

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。
この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論
』です。
フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。
最近のRockfield's Diary
自殺を考えたこと、あります
恐らくオタク以外の人は見ていないと思いますが、深夜にやっているAKB48の新番組「僕らが考える夜」は、テーマだけは重いものを扱っているようです。第一回目は「いじめ」、そして第二回は「自殺」について語り合うようです。
その自殺です。
日本は自殺率の非常に高い国だというのは既にあちこち報道されていますが、中でも中年サラリーマンの自殺率が高いようですね。長引く不景気に反比例するように周囲からの圧力は高まり、もともと仕事とは別に趣味を持つことの苦手な日本人では、自殺に走ってしまうのも理解できるところです。
でも、AKBの番組はこういった中年の自殺を取り扱うのでしょうか? それとも「いじめ」からの流れで中高生の自殺について語り合うのでしょうか? たぶん後者でしょうね。だって彼女たちでは中年サラリーマンの悲哀など理解できないでしょうから。
さて、自殺ですが、実はあたし、自殺してみようと考えたことがあります。こんな軽く書いては不謹慎と言われるかも知れませんが、あたしの場合、人生に悲観してとか、いじめられてとか、すべてが嫌になってとか、そういったことで自殺をしたいと思ったわけではありません。
じゃあ、なぜ、と聞かれたら、「死後の世界ってどういうところなのか知りたいと思ったから」、あるいは「死んだ後、どうやったらもう一度生き返ることができるのか実験してみたくなったから」と答えるしかありません。はい、単純にわからない世界に対する興味です。あくまで、もう一度こちらへ戻ってくることが前提です。
そんなことできるわけないだろう、と言われるのはわかっています。戻ってくる方法が確立していないから、あたしも実際にやってみることは躊躇っているのです。もし死んでも、確実に生き返ることができるなら、死んでみたいとは思います。いや、あたし以外にもそう思う人は大勢いるのではないでしょうか?
しかし、それが出来ないのであれば、やはり生きられるだけ生きていたいと思います。
あたしは小学校のころ、今で言う「いじめられっ子」でした。あたしの時代ですから、昨今ほどの陰湿さはなかったですし、クラス中から無視されるような感じでもありませんでした。とはいえ、それは昨今のイジメの実態を見聞きした上で、とうにそれを通り過ぎてきた今だからこそ振り返って言えることであって、当時のあたしの心は、現代のいじめられっ子の苦しみとさほど変わらないものだと思います。
中学、高校でも同じような感じで、「いじめられっ子」という表現よりも、むしろ「嫌われっ子」と呼んだ方が正確かもしれません。とにかく「他人は信じられない」「他人はきっと最後は裏切る」という考えが骨髄にまでしみこんだ学生時代でした。ただ、そういう時も自殺を考えたりしたことはありませんでした。クラスで嫌われていても、「自分は絶対にクラスの嫌な連中よりも長生きして、あいつらの存在しない世界を味わってから死ぬんだ」と思っていました。自分で死ぬことも考えず、だからといって嫌いなクラスメイトを殺そうとも思わず、いつか彼らが死ぬのを待つ、そういう発散の仕方、気持ちの処理の仕方をして自分を励ましていました。
最後の最後まで、誰よりも長く生き延びること、それが大事だと幼心に決意したのです。
第二話が始まる前に
今宵、「戦う!書店ガール」の第二話が放送です。
第一話放送後、ネットでは書店員を中心に「実際はこんなじゃない」「きれいごとすぎる」といったコメントも多かったと聞きます。実際のところ、あたしが回っている書店員さん、忙しくて自宅でゆっくりテレビどころではないので、「はい、あたし熱心に見ています!」という人にはまだ逢っていません。
では、あたしの感想はといいますと、あくまで書店員ではなく、その周縁をうろうろしている出版社の営業という目から見た感想ですが……
まず、どの業界を舞台にドラマを作っても、その業界の人から見たら「あんなの嘘だ」という突っ込みどころはあるものだと思います。ですから、このドラマも実際の書店ではありえないことも散見すると思います。そもそも書店だって千差万別。毎日毎日引きも切らずに客が来る、都会のターミナルにある書店と、地方の人口も少なく、本を買う人も数えるくらいしかいないところに立地している書店では、同じ書店員とはいえ日常的にやることがまるで違うと思います。ですから、どの立場から書店の仕事を云々するのか、にもよるのではないでしょうか?
で、このドラマの舞台となっているのは東京の吉祥寺。住みたい街ナンバーワンを何年も守っている、若者から年寄りまで多くの人に愛されている街です。新宿や渋谷ほどではないにせよ、それなりに人も多く、客足の絶えない場所に立地していると言えます。ドラマでは出てきませんが、実際のジュンク堂書店吉祥寺店は2フロアある書店ですから、アルバイトも含めスタッフもそれなりの数が働いていますので、数人で回している小さな書店とはやはりいろいろ違うのではないでしょうか?
さて第一話は、いきなりサイン会。急転直下でサイン会が決まり、連絡が行き届かずタレントはわがままでやらないと言い出す始末。しかし主人公まゆゆの熱意が通じて、イベントは大成功のうちに終了。はい、できすぎですね。そんなこと書店員でなくとも言える感想です。
でも、書店でのタレントのサイン会をテーマとした場合、他にどんなシナリオが考えられるでしょうか? ファンに紛れて刃物を持った人がタレントに切りつける? そこまでいくと書店員のかつ役どころで解決できるレベルではありませんよね。もう一つ、何かトラブルが出来する、たとえば本が届かないとか、タレントが急に来られなくなるとか? うーん、どちらもやはり書店員の努力でクリアできるような問題ではなさそう。
結局はドラマのような展開がオーソドックスではありますが、一番「らしい」のではないでしょうか? ただし、金持ちのお嬢様という設定だから致し方ありませんが、まゆゆがコミックをがんがん買い込んだり、タレントのことをよく知ろうと福岡まで行ってくるなんていう金銭感覚、散財ぶり。これはちょっとなあ、と思ってしまいました。これがごくごくフツーの書店員だったら福岡へいきなり行ってくるなんて無理ですし、そうなるとどうやってタレントの心を動かしたんだろう、という気もします。
しかし、考えてみると、テレビに向かってああでもない、こうでもないと文句をつけながら見ていられるなんて、とても平和だなあと思いますし、ほのぼのとしているんじゃないかと感じます。
そして、ロケ地であるジュンク堂書店吉祥寺店は、あたしの勤務先をご贔屓にしてくれているのか、書棚が画面に映るたびにうちの本がしっかりと映り込んでいて、そんなところだけを取り上げると、とてもよいドラマだと思ってしまいます。
翻訳文学について考えたこと
昨夜の日本翻訳大賞授賞式に参加して、まずは選考委員の方が指摘していたように、最終選考に残ったノミネート作品に英語圏の作品が半分ほどしかなかったことに驚きました。それは裏を返せば、英語圏に偏らない、日本の翻訳文学界の広がりを示すものだと思います。海外文学を刊行している出版社の一員として、そんなことに少しは関わりを持てているのかな、と思うと少しは嬉しくなります。
英語圏以外の作品がどんどん日本語に翻訳されているだけでなく、この数年、いや十年くらいのことでしょうか、既にかなり前に一度訳された作品が新訳として再び刊行される、いわゆる新訳ブームも続いているように感じられます。いまの読者に合わせて文体も変えて読みやすく、というのは翻訳文学をさらに広めるのに大切なことだと思います。どんなに名作と言われようと、日本が古めかしく、既に古文のように感じられる翻訳では、やはり今の読者は読んでくれないでしょう。
ところで、昨晩の授賞式会場はほぼ満席という盛況ぶりでしたが、書店における海外文学の売り上げはあまり芳しいものではありません。いや、全く売れていないといえば嘘になります。それなりには売れています。昨夜会場に参集した面々は、日常的に海外文学を買っているし読んでいるし接している人たちだと思いますので、そういう中で語らうぶんには「海外文学、盛り上がっているよね」となりがちですが、そんな世界から一歩外へ出るとちょっぴり寒々とした現実が待っています。
でも面白い作品だったら、本好きの人は読んでくれるはず。たぶん海外文学を読まない人の多くは食わず嫌いならぬ、読まず嫌いなんだと思います。だったら、「海外文学ってこんなに美味しい、否、面白いんだよ」ということを少しでも広める活動が肝心なわけで、昨夜のような試みが更に盛り上がって、海外文学に関心を持ってくれる人が一人でも増えれば、と思います。
そういう意味でも、自分の勤務先の本が選ばれたから言うのではありませんが、まずは『エウロペアナ』でも『カステラ
』でも『ストーナー
』でもいいです、一流の翻訳家の方、そして読者によって選ばれた今回のノミネート作品はどれをとっても外れのない作品ばかりですから、まずは一冊手に取ってもらいたいと思います。ジャケ買いで構いません。
幸い、少なくともうちの本に関しては書店からの注文が殺到しています。たぶん、こういう機会に少しでも海外文学に関心を持ってくれる人を増やしたいと思っている書店員さんが多いことの表われでしょう。嬉しいことです。来年以降にも期待したいところです。そして翻訳部門があるとはいえ、日本の作品の賞というイメージの強い本屋大賞と並ぶような大きな賞に育っていったら嬉しいなあ、と思います。





