Nancy Sensual World
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まもなく自著も刊行予定

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。
この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論
』です。
フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。
最近のRockfield's Diary
今日の配本(14/07/10)
お金の使い方
午後から人文会の行事で、吉祥寺にある成蹊大学の図書館を見学に行きました。
半年ほど、いや、一年ほど前でしょうか、同じく吉祥寺と西荻窪の間にある東京女子大学の図書館を見学に行ったことがあったので、中央沿線の大学図書館二つ目になります。(そう言えば、小平市の白梅学園の高校の図書室の見学もこの間に行ってました!)
さて、成蹊の図書館です。
立派です。一言で言えばこれに尽きます。建物も立派なのですが、設備も立派です。蔵書としては、大学の図書館としてはごくごく一般的だと思いますが、館内にある自習室やゼミ室的なスペース。パソコンを置いてあるブースもあれば、コンセントや端末の充電用とおぼしき端子まで一通り揃っているようです。
これだけの設備が揃っていれば学習にも身が入るというものです。あたしが学生のころは大きな机が置いてあるだけ、個人で使う机は薄暗い部屋に蛍光灯が置いてあるだけの机が並んでいるだけ、という有り様で、勉強すると言うよりは寝るための設備と呼んだ方がふさわしいくらいでした。
それが現在の図書館は、まるで学生の待ち合わせスペースのようです。メインスペースは談笑オーケーということらしいので、かなりざわついていますが、それでもバカ騒ぎをしている学生はいません。ほどほどの節度をもって利用している感じです。むしろ、図書館にこれだけ学生が集っていることの方が衝撃でした。たまたま前期末試験の時期だからというのもあるようですが、それでもオープンスペースの机も自習スペースの机もほぼ満席で、予約の取り合いが起きているらしいです。
で、この図書館を見て、スゴイという感想と共に、図書館の予算の大半が、こういう施設やシステムに使われているんだなあ、という感想も抱きました。たぶん、あたしの学生のころの意識だったら、こんなフリースペースを設けるくらいなら書架を並べ、できるだけたくさんの本を並べる方がよい、という考えが主流だったでしょう。パソコンが普及していなかった時代と今とを比べるのはナンセンスですが、余計なことに使うよりは、できるだけ予算は書籍の購入に充てようという意識が高かったのではないかと思います。
しかし、現在はどうなのでしょう。本の購入予算と、設備やシステムにかかる予算、どちらの方が多いのでしょうか? そんなことを考えながら見学していましたが、逆に、ここまでして上げないと、いまは学生が集まらないのでしょうか? ここまでお膳立てをしてやらないと学生は図書館を利用しないのでしょうか?
本末転倒とまでは言いませんが、釈然としないものを感じるのは、あたしが古い人間だからでしょうか?
元気を取り戻せるのか?
昨日の紀伊國屋サザンシアターでの、紀伊國屋書店社長・高井昌史氏講演会。紀伊國屋の社長がしゃべるとあって会場は出版社のお偉方もそれなりに顔を揃えた盛況ぶりでした。講演の内容は、たぶん部外秘的な数字・データもあるでしょうからここには書きませんが、講演内容のあらましだけ載せておきます。
1.出版業界の市場動向と紀伊國屋書店の現状
2.読書離れ~本の未来を揺るがすもの
3.出版業界の問題
-ネット書店・公共図書館・新古書店・万引き問題・電子書籍(消費税問題)他
4.再販制について
5.正味改善について
-日販「パートナーズ契約」、トーハン「アライアンス契約」、計画販売制
6.紀伊國屋書店の取り組み~出版会に元気を取り戻そう
以上です。個々のテーマ自体はそれほど目新しいものではなく、この数年間、否、十数年来言われてきた問題ばかりではないでしょうか。あえて言えばネット書店などの問題が比較的新しい話題と言えるでしょうか?
で、この講演会を聴きに来ていた人たち、それぞれに感じるところ、考えるところがあったと思います。既にそのための施策を行なっている社もあるのではないでしょうか。あたしも講演を聴きながら、足りない知恵で考えたことを備忘録代わりに書き留めておこうと思います。
まず、図書館です。
図書館からの注文、個々の図書館や出入りの書店、TRCなどからの注文ですが、出版社からするとほぼ返品のない注文なので実は非常にありがたいものです。全国の図書館、公立から学校図書館まですべて合わせると数千から万近くあると思いますが、もしその図書館すべてが一冊ずつ購入してくれたなら、専門書出版社など初版の部数が飛躍的に大きくなり、定価もグッと下げることが出来るでしょう。
ただ専門書を入れられる図書館は限られていますので、そんなにうまくいきませんし、いま図書館のことで問題となっているのは複本のことでしょう。ベストセラーですと、一つの図書館で数冊はおろか十数冊、あるいは数十冊も購入していることがあるそうです。人びとの税金で運営されている公共図書館の場合、利用者の希望を叶えるのはもっともではありますが、特定の本だけに予算をつぎ込むのは税金の使い方として問題ないのか、そういう議論もあると思います。
あたし自身は複本よりも、新刊は刊行後半年、ないし3ヶ月は図書館に納入しないという形にすればよいと考えています。映画などDVDの発売は公開から数ヶ月後ですし、CSなどの有料放送での放映も更にその後、地上波での放映となると更に後になります。これは映画公開と同時にテレビで放送されたら映画館に見に来る人が減ってしまうという理由からでしょう。だったら、書籍も地域の書店のことを考え、まずは本屋で買ってもらう、ということを優先してもよいのではないかと、あたしは個人的には考えています。
公共図書館の住民サービスはどうなるんだ、と言われそうですが、「図書館に未来永劫、書籍を納入しない」と言っているのではありませんから、住民サービスを無視していることにはならないと思いますし、数ヶ月のタイムラグは民業を圧迫しないためにも十分賛同を得られるのではないかと思います。
あと、個人的には、文庫・新書は図書館では扱わない、というのも前向きに考えてもよいのではないかと思います。やはり図書館は高くて個人ではなかなか買えない本を揃えるべきであって、文庫や新書は借りるのではなく買ってもらいたいと思います。
あと、再販制については政府でも議論されているようですが、刊行後一定期間を過ぎたら自由価格にするという時限再販は一考の余地ありだと思いますが、そうなると買い切りにするのか、委託のままなのかといった問題も起きてくるでしょう。あと、何年たっても売れているロングセラーの場合、時限再販になじむのか、あたしにはまだよくわかりません。
やはり出版社や書店の経営者の方々は、日々の業務に追われているだけでなく、こういう問題も腰を据えて考えないとならない時代なのでしょうね。とはいえ、この不況では各社そんな余裕はなさそうですが……





