Nancy Sensual World
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まもなく自著も刊行予定

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。
この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論
』です。
フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。
最近のRockfield's Diary
アルジェリア人質事件
今宵のNHKスペシャルはアルジェリア人質事件の特集だそうです。マスコミなどによる本格的な報道、検証はこれからでしょうし、出版界も数冊は論著が出てくるのではないでしょうか?
いみじくもという表現がふさわしいのかどうかなんとも言えませんが、弊社ではアルジェリア絡みの本を何冊か既に出しておりました。今回の事件の後、書店からの引き合いもありました。実際に店頭で売れているのか、まだ検証したわけではありませんが、データがわかる範囲で言えば、ちょこちょこと売れています。アルジェリア関連の本なんて、こう言っては悪いですが、ふだん売れることなんて稀でしょう。だいだい、今回の事件があるまで、アルジェリアと言われて、白地図上でその場所を指せる日本人がどれくらいいたでしょう? そのくらい縁の薄い国なわけですから、今回の事件がどうして起きたのか、どういう歴史的、政治的背景があるのか、まるっきりわからない人ばかりだったと思います。
これはアルジェリアの専著ではありませんが、アルジェリアを含む北アフリカのイスラム諸国に関する論著です。
以下は文庫クセジュの中のアルジェリア関連書です。文庫クセジュはフランスで刊行されている手軽な教養書シリーズ、日本で言えば岩波新書とか中公新書のようなものでしょうか? そして、なによりフランスはアルジェリアの旧宗主国。日本よりははるかに身近で、よく知っている国でしょう。そんな国で刊行されているアルジェリアに関する本ですから、日本人には目の届かない点にまで目配りが聞いているものと思われます。もちろん、旧宗主国ならではの色眼鏡もあるのでしょうが。
最期に、これもアルジェリアの専著ではありませんが、こちらもお薦めです。訳者は今回の人質事件のニュース解説でも大活躍された私市正年氏です。
SNSと人文書
続きまして、人文会の勉強会。
鼎談でした。空犬さん、幸さん@リブロ池袋本店、北川さん@代官山蔦屋書店のお三方。SNSを人文書の棚作りにどうやって活かすかというテーマでした。
結論から言ってしまうと、果たして聴きに来ていただいた書店員の皆さまが、お三方の話からどのくらいSNSの活かし方を学べたか、吸収できたか、それについては疑問が残ります。それはお三方の話がダメだったと言うことではなく、肝心のSNSをどう活かすかという話に入る前に時間切れになってしまったことが大きかったのだと思います。
やはり、いま盛り上がっているSNSとはいえ、それをかなり使っている人と、たまには覗きますという人と、ほとんどからっきしわかりませんという人と、千差万別、十人十色だと思います。いつぞやだったかのTwitterから話が広がって実施されたフェア(ネコ本フェアでしたっけ?)など、ネットを使っていない人は全く蚊帳の外で事態が進行していたりする昨今、情報収集のアンテナを張り巡らしておかなければならない書店員としては、今回のテーマはとても興味深かったのではないかと思います。
ですから、本屋とは、人文書とは、といった大上段の話はそこそこにして、SNSを中心に据えて話を進めた方がよかったのかもしれません。そういった意味では、空犬さんのブログを中心に業界でどんな動きがあるのかをチェックする、というのも一つの方法でしょうし、まずはこの人のブログやTwitterを追いかけておけば、啓発されることが少なくない、というものを見つけるのが近道なんだろうなあと感じました。
SNSの使い方としては、幸さんが気になる著者の記事をチェックし、著者同士のやりとりからヒントをもらうという話、北川さんは主として情報発信として利用し、情報収集としてはあまり使っていないという話をそれぞれされ、極めて好対照なところが面白かったです。
でも、結局、最終的に感じたのは、情報を集める手段がネットなどにも広がったということだけで、実際に書店員がやるべきことはこの数十年なにも変わっていないのだなと再認識させられたということです。世の中の興味、ホットな話題、これから盛り上がりそうなテーマを嗅ぎ分け、それに沿って選書し並べる。昔もやっていたことですよね? ネットやSNSの発達で収集のやり方とか発信の拡散性に違いはあるものの、実はおんなじことなんだ、変わっていないんだ、と思った次第です。
ただ、書店というのは、このように提案し、工夫し、発信していかないとダメなものなのでしょうか? 街の小さな本屋さん、おじちゃんとおばちゃんが細々とやっているお店、そんな愚直にやっているだけの本屋では生き残れないのでしょうか? そんなことも感じました。
50代、60代に
昨日の研修会のまとめと感想。まずはヤングアダルト出版会と出版広告研究会の勉強会から。
出広研は地方紙の方々ですから、ほぼ各県に一社くらいで四十数名いらっしゃいます。こちらYA出版会は20社。これだけの大人数では勉強会になりませんので、4グループに分かれてのグループ討論となりました。あたしが参加したグループは「50代、60代の人にいかにして本に親しんでもらうか」というテーマでした。
最初、このテーマを聞いた時、あたしは「そうか、50代、60代と言えばYA世代のおじいちゃん、おばあちゃん。この人たちが孫へ本を選ぶ時にどのようにサポートできるかを話し合うのか」と考えていました。が、そうではなく純粋に50代、60代からそれ以上の方に本を読んでもらうためには、というのがテーマでした。
グループ討論で出た意見をまとめると、これまで読書の習慣がなかった50代、60代はいまさら本を読むようにはならないだろう、可能性としてはかなり低いと思われる。むしろ、以前は読んでいた人に再び読書に親しんでもらうには何ができるかを考えるべきでは、というものでした。
そのための方法として、デパートやショッピングモールに入っている書店などだったら、年配の方向けのポイントを付与するなどして、購買意欲を高めるのはどうだろうか、という意見が出ました。確かに、ニュースでも懐が暖かいと言われる高齢者の方であれば、こういう方法は購入率を上げる手段として有効かと思います。ただ、中には経済的に苦しい方もいらっしゃるでしょうし、図書館の取り組みも何かしら考えないとならないでしょう。
いずれにせよ、東京にいるとわかりませんが、地方の場合、本屋にしろ図書館にしろ、どの程度充実しているのでしょうか? 東京の場合、ほぼ大多数の人が片道平均一時間ほどの通勤を強いられていますが、それが逆に貴重な読書時間になっているのも事実です。昨今は音楽プレーヤーやケータイ、スマホに押され、電車の中で本を読んでいる人が極端に減りましたが、それでもそれなりの数の人が本を読んでいます。でも、地方の場合、それほど長い通勤時間はありませんし、そもそも電車で通勤している人が多いようなので、読書などできるはずありません。となると、都会の人が本をよく読む、つまり本をよく買う、だから都会に本屋が多い、というのもむべなるかなです。
ところで、その一方で思ったのですが、本を読む習慣がない50代、60代は当然のことながら家には本などほとんどないのでしょう。となると、その子供はどうなのでしょう? もういい歳でしょうから、親元を離れて暮らしている、かなりの確率で所帯を持ち子供がいるのではないでしょうか? 親に読書習慣がなく、自宅にほとんど本がなければ、その子供も本に親しむ機会がなく育った可能性が高いです。それなら孫も同じでしょう。
読む家庭と読まない家庭、現在はそこに経済格差が絡みますので、本を買う余裕のある家庭と余裕のない家庭という二極化が進んでいるかもしれません。とりあえず経済的な問題はお手上げですが、それはおくとして、読む習慣がない人に読む習慣を付けさせるような取り組み、少なくともその人本人ではなく、その子供や孫が本に親しんでくれるようになるためにも、50代、60代の<本に親しんでこなかった人>対策を考えないとならない、そう思いました。





