併売推奨、こんどは中非

こんな本が刊行されました。

喰い尽くされるアフリカ』、集英社刊です。中国とアフリカの問題に関するものですね。となると、当然のことながら、あたしの勤務先のこの本が思い出されます。

中国第二の大陸アフリカ』です。

これはどう考えても併売でしょ?

クセジュGO、それともUブックスGO、あるいはエクス・リブリスGO?

いまや世界中の話題になっているポケモンGO。

あたしはポケモンには全く興味がないですし、ほぼまるっきり見たことがないので、わざわざこのゲームをやろうという気は起きません。ですから世間で人々が夢中になっているのも、単にスマホに夢中になっているというくらいにしか感じられません。

が、ここまでブームになり、社会問題化するとすごいものですね。

で、考えました。

このポケモンGOは街中に現われるポケモンを捕まえるゲームですよね。それと同じように、街中に現われる文庫クセジュをゲットしたら、その電子書籍が手に入る、なんてゲームを作ったらどうだろうか、と。

いや、クセジュが地味でしょうか? だったらUブックスでもいいですし、ガイブン好きにはエクス・リブリスでもいいと思いますが、そういうゲームって流行るでしょうか?

しかしなあ、そうなるとタダで電子書籍を配布してしまうことになりますね。どうにかして課金するシステムを作らないと。とは言っても、電子書籍をゲットするたびに課金されるのでは、誰もゲームをプレイしてくれないか……

うーん、悩ましいところ。いいアイデアだと思ったんですけどね。

東京には中国人がいっぱい!

帝都東京を中国革命で歩く』という書籍が刊行になりました。あたしの勤務先のウェブサイトで連載されていたものを書籍化しました。読んで字のごとく、東京に中国革命の志士たちの足跡を追ったものです。

辛亥革命前後、多くの中国人が日本に滞在していたというのは、中国近代史を学んでいる者にとっては常識に近いものですが、一般の方でも横浜や神戸の中華街、そこに住む華僑の人たちを見れば、課なり古くから中国人が日本に住み着いているというのはわかっていただけると思います。辛亥革命前後に特に多くなったのは、中国での政変を避け日本に亡命した人もいれば、明治維新を経て近代化に成功した日本に学ぼうと留学生として来日した人もいました。

そんな彼らが日本に来てどんなところに住んでいたのか、どんな場所で活動していたのか、当時の地図を眺めながら東京の街、特に早稲田、本郷、神田界隈を歩く、というのが本書の趣旨です。中国近代史に興味のない方には登場する人名が覚えられないかもしれませんが、少なくとも東京に住む方、縁のある方であれば、「へえー、そんなところに中国人たちの宿舎があったんだ」といった発見があると思いますし、歴史書というよりは肩の凝らない街歩きガイドブックとして読めると思います。

が、単なる街歩きの本と言うには、当時の場所があまりにも変わってしまっていて、正直なところ「もはや歩けない」と言った方がよいでしょう。ですが、本書の魅力は、孫文や魯迅といった有名人だけでなく、日本人にはまだ馴染みがないかもしれませんが、革命の志士たちの略伝として、特に日本で暮らした若いころを中心とした物語として読めるところにあります。何か辛亥革命のころの本を読みたいと思ったときに、一般の方では専門書は歯が立たないと思います。でも、本書ならそんな予備知識もいりません。そして読み通せば、歴史の流れと主要な人物の輪郭が頭にインプットされていること間違いありません。さらに知りたい方は本書を手掛かりに次のステップへ進むとよいでしょう。

 

最近ですと、こんな本が出ています。

孫文』と『梁啓超』、どちらも岩波書店です。他にもこの時代の人の伝記的なものはたくさん出ていますが、比較的新しいものが続けざまに出版されたので目に留まりました。

あと、魅力的な人物(志士たちはみな魅力的ですが……)に黄興がいます。書籍では手頃なものがないですが、ジャッキー・チェン主演の映画『1911』の主人公が黄興です。この映画を見れば、この時代の流れが頭に入ってくるでしょう。

とまあ類書はいろいろあるのですが、まずは同じ著者の『革命いまだ成らず(上)』『革命いまだ成らず(下)』を一緒に並べていただけると、いやこれは既刊ですから、それと一緒に最新刊『帝都東京を中国革命で歩く』を並べていただければ幸いです。

 

というわけで、タイトルは決して爆買い中国人が闊歩する銀座などのことを言っているのではありません、悪しからず。

効き目よりも気になっていること

ここしばらく、右肩が痛いということを書いています。いわゆる四十肩・五十肩というものなのか、医者に診断してもらったわけではないのでわかりませんが、たぶんそんなところなのだろうなあと勝手に素人判断しております。

とりあえず、アンメルツの塗ってみたり、温湿布を貼ってみたりしてみましたが、特に目立った効果は感じられません。そこでこんな薬を買ってみました。シジラックという内服薬です。

変な名前、そんなんで効くの? という疑問ももっともですが、それはそれ、なんといっても小林製薬ですから!

この薬も「四十肩、五十肩が楽になる」というところの頭文字を取った命名ですよね。とにかくネットで「小林製薬 ネーミング」で検索すれば、結構な数がヒットしますので、もう筋金入りのネーミングなのでしょう。

さて、痛みがあれば最初に書いたように湿布とか塗り薬が一般的ではないかと思いますが、この薬は内服です。確かに肩や腰などの内服薬って他にもありますね。どのくらい効くのか半信半疑ではありますが、それほどバカ高いものでもなかったので試してみる気になったわけです。

が、その前に気になったのが用法・用量です。

同社のサイトには、デカデカと「四十肩、五十肩に」と書いてあります。完全にそれ向けの薬のようです。にもかかわらず、薬のパッケージに書いてある用法・用量は5歳以上から服用できるような書きぶり……

30代半ばで四十肩になる人はいるかも知れませんが、この薬、30歳以下で必要とする人がどれくらいいるのでしょうか? 野球とかやって肩を痛めてしまった人とかを想定しているのでしょうか。なので、この用法・用量の部分はちょっと気になりました。もちろん、これは薬事法か何か、法律で書き方が決まっていて、それに沿ったものなのでしょうけど……

で、肝心のあたしの方ですが、昨日から服用し、なんと一日三回飲むわけですが、特に方の痛みが楽になったという気はしません(涙)。もう数日飲まないとダメなのでしょうか?

南米とナチ、そしてボラーニョ

昨晩の紀伊國屋書店新宿南店でのトークイベントについて改めて。

第三帝国』はまだ刊行されていません。このイベントのために、会場のみでの先行販売でした。ですから、あまり詳しいことを話してしまうとネタバレになってしまうので、柳原さん、都甲さんのお二人、ボラーニョについて、これまでの作品について語ってくださいました。

それにしてもこの人。正直なところ、どのくらいの人が集まるのか読めませんでした。確かに、一定数のボラーニョファン、ラテン文学ファン、海外文学ファンはいます。そういう方々にとっては待ちに待った《ボラーニョ・コレクション》の新刊。それがここでいち早く手に入るとなれば駆けつけないわけにはいかないでしょう。

という予想を立てつつも、とはいえ、そこまでする読者がどれくらいいるのか、いち早く手にするためにわざわざ新宿まで来るか、という気持ちも抱いていました。椅子は20脚くらいでしょうか、十名くらい集まれば御の字かな、という実は悲観的に見ていた自分もいました。

が、ご覧のように椅子は始まる前に既にいっぱい。立ち見の方もいらっしゃいました。その後も、遅れて来て立ち見の輪に加わる方が何名もいらっしゃいました。お店のスタッフの方の話では、イベント開始前、設営の準備をしていたら、「この本、もう買えるのですか?」と問い合わせてきた方もいたとのこと。恐らく都合が悪くてトークイベントは聴けなかったけど、本だけは買いに来た、という方もいたのではないでしょうか。いや、きっといたはずです。

 

さて、その『第三帝国』はそういう名前のボードゲームのことです。全体は主人公の日記スタイルで書かれていて、ドイツ人なのですが、カタルーニャのリゾート地を訪れています。その主人公はゲーム「第三帝国」のドイツ・チャンピオンなんだそうですが、最初のうちはゲームの話は出てきません。リゾートでダラダラ過ごす描写が続きます。そんな中、地元の人とも知り合いとなり、ひょんなことからそのうちの一人と「第三帝国」を始めることになります。

相手はそんなゲームをまるで知らないド素人、かたやドイツのチャンピオンですから、ゲームとしてはとても成り立たない感じですが、主人公がルールを教えながら対戦をすすめていくうちに、思いも寄らず相手がメキメキと上達していき云々、というストーリーです。

上の写真は、「第三帝国」そのものではありませんが、日本のゲーム雑誌に付録として付いていた、似たようなゲームのボードです。柳原さんが持参されたものです。本文中のも描写がありますが、このゲーム盤は地図の上に六角形のマス目がビッシリと描かれています。まるで蜂の巣のように。あたしが中学生のころに流行ったウォーゲームという奴です。当時クラスメートが夢中になっていたのを思い出しました。

YouTubeに上のリンクのような動画がアップされていました。どんな感じのものなのか、ご理解いただけたでしょうか? たぶん一定年齢以上の方なら、特に男性は、「ああ、あれね」と思いだしていただけると思います。

ところで、トークの中で少し話題にもなりましたが、ボラーニョの作品にはドイツ、特にナチの影が色濃いところがあります。『アメリカ大陸のナチ文学』なんてのもありますから、それははっきりしているのですが、第二世界大戦後、多くのナチ残党が南米に隠れ住んでいたということもあり、ボラーニョに限らず南米の人にとってナチやドイツは日本人の想像を超えて身近なもののようです。

またボラーニョのようにチリの政変を経ている人たちにとっては、ナチのようなファシズムを憎む気持ちを強かったのではないでしょうか。ボラーニョの作品を読んでいると、南米の作家なのに、なんでこんなにドイツが登場するのだろうと感じますが、そういった背景があるのだと思いますし、確か円城塔さんも『アメリカ大陸のナチ文学』の解説でそのようなことに触れていたと思います。

そしてこれも昨日柳原さんに教えていただいたのですが、こうしたボラーニョ作品好きなら絶対興味を示すであろう映画「コロニア」です。ウィキペディアにも既に項目ができています。主演は「ハロー・ポッター」の子ですよね?

日本では9月に公開予定です。

さて、会場の紀伊國屋書店新宿南店では先行販売だけでなく、ボラーニョの原書なども併せて展開中です。上の写真は3階の売り場の棚です。『第三帝国』の配本までは、同店でしか購入できませんので、少しでも早く読みたい方は是非!

平積みや面陳だけが並べ方ではないんだね、と改めて教えてもらった気がする

書店を回っていますと、少し前からようやく新刊『装幀の余白からv』が並び始めたようです。装幀、デザインというジャンルの本ですから、一般の文芸書とは読者層も異なるとは思います。書店からの事前の注文も少し抑え気味なところがありました。

それでもやはり新刊ですから、店内の新刊コーナーなど目立つところに置いていただいているところが少なくありません。5冊、10冊も配本があった書店なら新刊コーナーと、デザインの棚の2か所に置いているところもあります。が、上述のように1冊だけ棚に並んでいるというお店も目立ちます。

そんな中、同書が一冊だけ新刊コーナーに並んでいる某書店、しかし、その隣にはこんな本が並んでいました。

  

菊地信義の装幀』『Ōe 60年代の青春』『祖父江慎+コズフィッシュ』の三冊です。

毎日毎日大量の新刊が刊行されるこの業界、これらはそれほど古い出版物ではありませんが、必ずしも新刊とは言えません。もちろん、大型店のデザイン芸術書売り場の新刊コーナーであれば、こういった並び方、並び方を見ることはあるでしょうが、あたしが目睹した新刊コーナーは、フィクションとノンフィクションといった大まか分類はされていますが、基本的には新刊をまとめて置いてあるようなスペースです。限られたスペースですから『装幀の余白』以外の3点がいまだに新刊コーナーに置かれているとは普通では考えにくいです。

つまり、これはもう書店の方が意図的に並べたとしか思えません。たった一冊だけ配本された新刊でも、毎回毎回このように丁寧な配慮をされて置いていただけるなんて、出版社としては嬉しい限りです。というか、頭が下がります。

書評ではなくとも、ちょっとした記事などから売り上げに火が付くこともありまして……

このところの朝日新聞紙面から、あたしの勤務先の書籍と関わりがあるものをチョイスしてみました。

まずは上の写真。小栗康平監督のDVDコレクションが出るようですね。その広告です。

 

 

というわけで、同監督のエッセイ『じっとしている唄』がお薦めです。DVDコレクション全4巻は分売されているようですが、そこそこの金額になります。とりあえずはこの一冊から始めてみては如何でしょうか? もちろんDVDを鑑賞しつつ本書を手に取っていただければ幸いです。

続いては下の写真。こんどは映画ではなく演劇です。

不条理劇についての記事です。演劇に関心のない方は「不条理劇」と言われてもピンと来ないかもしれませんが、それでも『ゴドーを待ちながら』という言葉は聞いたことあるのではないでしょうか? この記事にもありますように、不条理劇の代表作というだけではなく、後世の演劇や文学作品にも多大な影響を与えた名作です。もちろん、邦訳はあたしの勤務先の刊行物です。

で、記事中のインタビューに登場している別役実さんもお世話になっている著者のお一人。

 

他社からも著作は多数出ていますが、あたしの勤務先ならこちら、ベスト&ロングセラー『別役実のコント教室』『別役実のコント検定!』がございます。

遺稿というか、推敲途中というか……

打ち上げもあり帰宅が遅かったこともあり、とりあえず簡単に感想のみ。もう少し詳しいレポートはまた明日にでも。

何のことかと言いますと、『第三帝国』のイベントのことです。

この作品は、ボラーニョの死後に見つかった原稿だそうです。つまり原書もボラーニョ生前には刊行されていなかった作品です。

それって、ボラーニョは納得がいかなくて出版するつもりがなかった、ということでしょうか? まさか机の奥に仕舞ったまま忘れていたなんてことはないですよね!

訳者の柳原さんによりますと、本書の原稿は、最初の方がパソコンに入力されていたそうです。そこから考えると、ボラーニョは若いころに書いたこの作品を、いまいちど推敲しながら出版に向けてパソコンに打ち込んでいたということです。

じゃあ、本作は若いころの習作で、あまり出来のよくないものなのか、と問われると、否、です。確かに、ボラーニョが生きていれば、もう少し書き直しただろうな、と思われるところもなくはないですが、全体としては既に完結したすばらしい作品だそうです。

あたしも最初の方を読み始めましたが、『2666』と同じくらい引き込まれる作品で、この先どうなるのだろうと気になって仕方なくなるストーリーです。あえて違いを言えば、その引き込む力強さやストーリー展開のスピードが、『2666』よりはややゆっくりしているかな、というところでしょうか。ただ、それは本書が日記の形式を借りているからだろうと思います。

さて、週末にさらに先を読もうと思います。