Nancy Sensual World

このたび、「染井吉野ナンシーの官能世界」は引っ越しました。新しい世界はこちらになります。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 自動では新しい世界に飛びませんので悪しからず……

新着ニュース

まもなく自著も刊行予定

今日も朝日新聞です。

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。

この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』です。

フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。

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最近のRockfield's Diary

キーワードは「巻き込み力」?

昨日は午後から、日比谷図書館で〈書物復権の会〉のイベントでした。毎年夏前に共同で人文を中心とした専門書の復刊を行ない、秋の東京国際ブックフェアで新企画説明会などを行なってきましたが、今年はそのブックフェアが中止となったので、今回のように場所を借りてシンポジウムを行なったという次第。

ちなみに、会に参加しているのは次の10社です。

岩波書店、紀伊國屋書店、勁草書房、青土社、東京大学出版会、白水社、法政大学出版局、みすず書房、未來社、吉川弘文館

特に専用のウェブサイトはというのはなく、各社がそれぞれ自社のウェブサイト内に特設コーナーを作って宣伝している感じです。とりあえず、今回のシンポジウムのリンクは東京大学出版会のサイトを貼っておきました。

昨日のシンポジウムのテーマは「知と人をつなぐ架け橋 変化する図書館と<出版>」で、千代田区立千代田図書館の河合郁子さん、武庫川女子大学附属図書館の川崎安子さんの基調講演、その後、みすず書房の持ち谷さんを加えてのパネルディスカッションという流れでした。

テーマの通りと言ってはなんですが、両図書館とも時代のニーズを捉え、さまざまな取り組みをやっているのがとても印象的でした。取り組み自体は、目から鱗というほど斬新なものではありません。が、それを確実に前へ進め成果を上げていくということは、それほど簡単なことではないと思われます。それを粘り強く続けてこられたお二人、そして両図書館はすごいと感じました。

千代田図書館は、その立地条件や過去の資産を活かした企画を精力的に行なっているようです。話の中心にもなった内務省委託本は研究者ならずとも非常に興味深いコレクションです。これらの研究者を巻き込んで、研究会を立ち上げ、成果を公開し、という一見極めてオーソドックスな取り組みですが、ここまで仕上げてくるのは相当な努力とエネルギーを注がないとできるものではないでしょう。

もう一つの、古書販売目録は、いかにも千代田図書館だなというコレクションです。古書販売目録なんてどういう利用価値があるの、という意見もあるかもしれませんが、過去の販売目録にはその後行方がわからなくなった(誰が落札したのか不明など)貴重な古美術品が含まれていることがあります。今となっては、目録に載っている写真だけが唯一の公開されている画像というものも少なくありません。こちらもやはり多くの研究者を巻き込んで成果を上げてきたようです。

その他、地元千代田区の出版社と組んだ企画展示も来館者の興味を惹いているようで、現在は「書評紙が選ぶ、今すぐ読みたいベスト16」を開催中だそうです。

武庫川女子大学は、日本一の規模を誇る女子大だそうです、知りませんでした。その図書館では大学の方針で、最近電子図書館を立ち上げたところだそうです。女子大という特性を踏まえつつも、教職員のみならず卒業生や作家も巻き込んで、コーナーを作ったり、企画を立ち上げたりして来館者、そして貸し出し数をこの数年グングン上げているそうです。

大学生は本を読まない、と言われているようですが、アプローチ次第では関心を持ってくれるようです。放っておいても本を読む子はよしとして、そうでない学生にどう本を読ませるか? やはり単行本よりは文庫本のようなのが残念ですが、それでも読まないよりは遙かにマシです。学術書は、先生が授業の時にどれくらい熱心に勧めるかが貸出率に大きく影響するようです。これは教科書の購入についても言えますね。

と、こんな話を聞き、パネルディスカッションで更に掘り下げ、更に打ち上げでもざっくばらんに話し込んだのですが、最終的に思うことはどれだけ周囲の人を巻き込めるか、ということなのではないか、そんな気がしました。

出版社の発信力と書店の収集力

出版不況と言われるこの時代、今年のノーベル文学賞のカズオ・イシグロは大ヒットしそうですが、芥川賞や直木賞ですら一瞬の花火、本屋大賞も第一位の本しか売れないと言われている状況で、どうやったら本が売れるのでしょうか?

出ないよりははるかにマシ、と言ったらあまりにも言い過ぎですが、新聞書評もかつてほどの売り上げ効果はなくなったのは事実です。あとは、テレビ・ラジオなどで著名人が何気なく取り上げてくれたことがきっかけで、いきなり火が付くこともありますが、そんなのは僥倖であり、出版社が何かをしたとか、書店が何かをしたというわけではありません。

もちろん、ポップを付けて粘り強く展開していた書店の努力からロングセラー、ベストセラーが生まれた、という話も時に聞きますが、そう簡単なものではないことは百も承知です。

で、書店を回っていると言われるのが「情報が欲しい」ということです。特に地方の書店を、出張や研修などで回ったときに言われます。

でも、「情報」って何でしょう? 新刊の刊行予定でしょうか? それとも売れている本のことでしょうか? すべての本屋に対しては無理ですが、それでも数十から数百の書店に対して、毎月新刊案内を送っていますし、折に触れて重版情報や書評情報などもファクスで送っています。

「情報が欲しい」と言っている書店の方は、(新刊案内やファクスが届いていないのなら話は別ですが)それらを見た上で、更に何を欲しがっているのでしょうか? 新刊案内は売れるかどうか、出してみないとわかりません。でも重版情報や書評情報は少なくともある程度は売れている、これから売れる可能性がある書籍の情報だと思いますが、それでは足りないのでしょうか?

一斉にファクスを送信すると、最近は「ファクス拒否」の書店が増えていることに気づきます。書店の気持ちもわかります。放っておいたら大量のファクスが流れてくる、その処理だけで時間を取られる割りには、欲しいと思う情報がほとんどない、というものです。

そういう書店の方は、ではどうやって情報を入手しているのでしょう? 昨今はやりのSNSでしょうか? 出版社もTwitterやFacebook、Instagramなどを駆使しているところが増えています。そういうのをマメにチェックしているのでしょうか?

話を聞いていると、出版社のSNSはそれほど見ていないけれど、作家本人のブログやTwitterなどはチェックしているという書店員さんが意外と多かったりします。狭義の作家だけでなく、翻訳家や評論家、学者などもケースバイケースで参照しているのでしょうが、そういうところからネタを仕入れている書店の方は多そうです。

そうなってくると、出版社はどういう方法で、何を発信したらよいのでしょうか? 「この本はネットで跳ねそうだから、SNSでの情報拡散に力を入れて」というようなことを営業部に言ってくる編集者もいますが、では具体的に出版社のTwitter(やFacebookなど)でどういうことをすれば本当にその本が跳ねるのでしょうか?

あたしの勤務先は、もちろんウェブサイトがありますが、SNSとしはTwitterをやっています。そのフォロワー数は中小規模の出版社としては多い方ではないかと言われていますが、他社のTwitterのフォロワー数と逐一比較したことがないので、確かなことはわかりません。その数万からのフォロワーが、あたしの勤務先のTwitterの投稿をちゃんと読んでくれているのでしょうか?

あたしはTwitterをやっていないので、フォローするとか、フォローされるというのが具体的にどういうことになるのかわかりませんが、Facebookでせいぜい十数名くらいしかいない「友達」の記事だけでも追いきれません。人によっては百をもって数えるほどの「友達」が登録されている人もいますが、そういう人って記事をどの程度読んでいるのでしょう? かなりの数をスルーしているのではないかと予想しているのですが……

もしそうであるなら、あたしの勤務先のTwitterのフォロワーで、熱心に記事を追ってくれている人はその中のどのくらいなのでしょう? リツイートしてくれている人、「イイネ」してくれた人が確実なところでしょうか? だとすると、記事によってかなり差はありますが、平均すると十数名という気がします。これで情報発信をしていると言えるのでしょうか? ここは、フォロワーは全員記事を読んでくれていると信じたいところです。別にリツイートしなくても、イイネしなくても、読んで何かしら役に立ててくれているのだと信じたいところです。

今の時代、SNSを駆使しないといけない時代なのはわかっているのですが、何をどうしたら効果的なのか、そこがまだわかりません。試行錯誤の日々です。

誰一人幸せにならない

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