辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿

辮髪のシャーロック・ホームズ
神探福邇の事件簿

莫理斯 著/舩山むつみ 訳

19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズがもし、ビクトリア朝時代の英国人ではなく、清末の時代に生きた中国人だったとしたら……。そして、彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら……。ホームズとワトソンを彼らとまったく同じ時代に生きた中国人、福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)とし、物語の舞台を香港にした極上のパスティーシュ作品。正典ホームズ・シリーズからの換骨奪胎ぶりが絶妙だ。1880年代の香港の様子が生き生きと描かれ、ミステリーであると同時に、歴史小説としても読み応え十分。

2022年5月3日

チベット幻想奇譚

チベット幻想奇譚

星泉、三浦順子、海老原志穂 編訳

伝統的な口承文学や、仏教、民間信仰を背景としつつ、いまチベットに住む人々の生活や世界観が描かれた物語は、読む者を摩訶不思議な世界に誘う。時代も、現実と異界も、生と死も、人間/動物/妖怪・鬼・魔物・神の境界も超える、13の短編を掲載した日本独自のアンソロジー。

2022年5月3日

路上の陽光

路上の陽光

ラシャムジャ 著/星泉 訳

10歳の少年が山で父の放牧の手伝いをしながら成長していく姿を描く「西の空のひとつ星」、センチェンジャの横暴におびえる中学校の教室を舞台に気弱な男子ラトゥクが勇気を持つにいたる「川のほとりの一本の木」、村でたった一人の羊飼いとなった15歳の青年が生きとし生けるものの幸せについて考える「最後の羊飼い」など8作品を収める。

2022年5月2日

中国共産党 世界最強の組織 1億党員の入党・教育から活動まで

中国共産党 世界最強の組織
1億党員の入党・教育から活動まで

西村晋 著

日本人は、隣国かつ最大の貿易相手である中国を支配する共産党の実態をほとんど知りません。というのも、その本質は日本で盛んに報道される党中央ではなく、地域に根差したボトムアップの組織構造にあるのです。本書は、これまで日本で語られてこなかった中国共産党の下部組織を初めて紹介します。約1億の党員がいかに訓練され、企業や地域に浸透しているかを知らずに中国社会は語れません。「なぜ中国は迅速なロックダウンができたのか」「なぜ中国進出する日系企業は共産党員を迎える必要があるのか」このような疑問を解く鍵を握るのが共産党組織です。「一党独裁」のイメージからは想像できない真の中国をご案内しましょう。

2022年4月27日

あの図書館の彼女たち

あの図書館の彼女たち

ジャネット・スケスリン・チャールズ 著/髙山祥子 訳

1939年パリ。オディールはアメリカ図書館の司書に採用された。文学を愛する彼女は熱心に仕事に取り組むが、ついにドイツと開戦。図書館は戦地の兵士に本を送るプロジェクトを始める。だがドイツ軍がパリ市内に入り、ユダヤ人の利用者に危機が訪れる。利用者のために図書館員が考え出した方策とは――。戦下のパリと1980年代のアメリカを舞台に、オディールの波瀾万丈の人生と、ナチス占領下の図書館員たちの勇気を描く感動作。

2022年4月26日

学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

学問と政治
学術会議任命拒否問題とは何か

芦名定道、宇野重規、岡田正則、小沢隆一、加藤陽子、松宮孝明 著

二〇二〇年一〇月一日、時の首相・菅義偉は、日本学術会議から新会員として推薦を受けた一〇五名のうち六名の任命を拒否した。この民主主義や法から学問のあり方にまで禍根を残した事件から一年半。しかし、いまだ問題は終わっていない。日本社会の矛盾に直面した当事者六名が、その背景と本質を問う。

2022年4月21日

すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集

すべての月、すべての年
ルシア・ベルリン作品集

ルシア・ベルリン 著/岸本佐知子 訳

魂の作家による19の短編。ロングセラー『掃除婦のための手引き書』のルシア・ベルリン、待望の新邦訳作品集。『掃除婦のための手引き書』の底本である短編集 A Manual for Cleaning Women より、同書に収録しきれなかった19編を収録、今回も傑作ぞろいの作品集です。

2022年4月21日

赤い死の舞踏会 付・覚書(マルジナリア)

赤い死の舞踏会
付・覚書(マルジナリア)

エドガー・アラン・ポー 著/吉田健一 訳

「赤い死」が蔓延するなか、千人の友達と僧院に避難したプロスペロ公は壮麗な仮装舞踏会を催した。そこへ現れたひとりの仮装した人物が、人々の間に狼狽と恐怖と嫌悪を呼び起こす――死に至る疫病に怯えおののく人々を描いた表題作のほか、処女作「メッツェンガアシュタイン」など短篇小説十篇と、蔵書の行間に書き込んだ思考の断片「覚書(マルジナリア)」を収録。巻末に解説「ポォの作品について」を所収。吉田健一の名訳で鮮やかに甦るポーの作品集。

2022年4月21日

地獄の門

地獄の門

モーリス・ルヴェル 著/中川潤 編訳

人生の残酷や悲哀、運命の皮肉を短い枚数で鮮やかに描き、ポーやヴィリエ・ド・リラダンの後継者と称されたルヴェルの残酷コントは、20世紀初めのフランスで絶大な人気を博し、本邦に紹介されて江戸川乱歩や夢野久作らも魅了した。第一短篇集『地獄の門』収録作を中心に、新発見の単行本未収録作を加えた全36篇を新訳で刊行。

2022年4月20日

運命論者ジャックとその主人[新装版]

運命論者ジャックとその主人[新装版]

ドニ・ディドロ 著/王寺賢太、田口卓臣 訳

ラブレー、セルバンテス、スターンといったヨーロッパ文学の異形の系譜につらなり、シュレーゲルらドイツ・ロマン派の思考を刺激した後、現代においても『ブーローニュの森の貴婦人たち』のブレッソン、『ジャックとその主人』のクンデラといった芸術家たちを魅了しつづけてきた、ディドロ最晩年の傑作。フランス十八世紀小説の白眉が、新たな訳でよみがえる。

2022年4月20日