光のない。[三部作]
エルフリーデ・イェリネク 著/林立騎 訳
ノーベル文学賞作家イェリネクが、ポスト3・11の世界に捧げるレクイエム! 東日本大震災と原発事故がモチーフの三部作、一挙収録[訳文一新]。既刊単行本の『光のない。』に収録された四作から「雲。家。」と「レヒニッツ(皆殺しの天使)」を割愛し、「光のない。」「エピローグ」に「プロローグ」?を新しく追加して、Uブックス版としての刊行です。日本の読者のために、自作解説「よそものとしてわたしたちはやってきて、誰もが一人のままでいる。(わたしの作品『光のない。』についてのいくつかの考え)」も特別寄稿されたワールドプレミア・エディション。
ヒトラーのウィーン
中島義道 著
各界の天才が一堂に会していたウィーンで、天才とは程遠い負け犬だったヒトラーは、ユダヤ人絶滅を「善」とする主観を形成した。彼の過剰な健康志向・潔癖症の根もウィーンにある。だが現在ウィーンからヒトラーの行跡は消されている。それをあぶり出すべく、ウィーンと関係の深い哲学者が怪物の青年期を様々な視角から追う。
三国志入門
宮城谷昌光 著
中国歴史小説の第一人者が書き下ろし! 中国を代表する歴史物語『三国志』をこれから読みたい人を、雄大な世界に誘う入門書。英雄たちの足跡を物語、戦い、故事成語などにわけて易しく紹介する。
中国が宇宙を支配する日
宇宙安保の現代史
青木節子 著
2016年8月、中国は軍事・金融に不可欠な暗号通信技術を搭載した量子科学衛星「墨子」の打ち上げに成功。まだ米国も成し遂げていない快挙だった。宇宙開発技術でロシア、欧州、日本を抜き去った中国は、その実力を外交にも利用。多くの国が軍門に下る結果となっている。迎え撃つ覇者・米国の現状は? そして日本はどう動くのか?第2次大戦後の宇宙開発の歴史を紐解きながら、「宇宙安保」の最前線に迫る。
源氏将軍断絶
なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか
坂井孝一 著
日本史上初の本格的な武家政権である鎌倉幕府では、創設者頼朝の源氏の血統は三代で途絶え、継承されなかった。跡継ぎのいなかった三代将軍実朝の暗殺がこの「断絶」を招いたとされるが、その当時、二代将軍頼家の遺児、あるいは他の源氏の血を引く人々も存在した。にもかかわらず、なぜ彼らは将軍になれなかったのか。そもそも実朝の暗殺が源氏将軍の断絶を招いたのは、自明の理なのか。本書では頼朝による鎌倉幕府の樹立から三代将軍実朝の殺害に至るまで、幕府内の壮絶な権力闘争の歴史を紐解きながら、「源氏将軍断絶」の歴史的な意味を問い直す。
『論語』
孔子の言葉はいかにつくられたか
渡邉義浩 著
春秋時代の弟子たちが残した師の言行は、口承で、あるいは竹簡や木簡によって紀元後に伝えられた。それはさらに時を経て、前漢から宋、江戸時代の日本に至るまで、儒教の思想家たちの強い意志と意図とともに編纂、継承され、ついに『論語』は東アジア最大の古典としてつくりあげられた。鄭玄、何晏から朱子までの儒家、江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠らはあるべき聖賢の思想をいかに追い求めたか。『論語』テキストの系譜を、ひとつの思想史として描き出す。
オスマンvs.ヨーロッパ
〈トルコの脅威〉とは何だったのか
新井政美 著
ヨーロッパが「トルコの脅威」と力説するオスマン帝国は、決して「トルコ人の国家」だったわけではない。「イスラムの脅威」に対し十字軍が何度も組織されたが、オスマン帝国にはキリスト教徒もたくさんいた。宗教的寛容性と強力な中央集権体制をもち世界帝国を目指す先進国へのおそれ、その関わりこそが、「ヨーロッパ」をつくり、近代化を促したのだ。数百年にわたる多宗教・多言語・多文化の共生の地が、民族・宗教紛争の舞台になるまで。
劉備玄徳の素顔
島崎晋 著
「自分を慕ってくれている人を見捨てることなどできない」。「仁徳の人」劉備玄徳らしい台詞である。小説『三国志演義』で描かれた聖人君子ぶり。はたして、このキャラクターは、噓か真実か。フィクションにかき消された真実の姿を探るべく、史料を丹念に読み解いていく。『三国志演義』の主人公の正体は、けっこう人間くさいものだった。
戦争の中国古代史
佐藤信弥 著
「中国」形成史、あるいは華夷思想の形成は国内外の学会でホットなテーマである。また秦の滅亡から漢王朝成立までの過程は、近年日本で活発に研究が発表されている。本書ではこれら最新の研究の成果を随所に取り入れていく。
断絶
リン・マー 著/藤井光 訳
中国が発生源の未知の病「シェン熱」が世界を襲い、感染者はゾンビ化し、死に至る。無人のニューヨークから最後に脱出した中国移民のキャンディスは、生存者のグループに拾われる……生存をかけたその旅路の果ては? 中国系米国作家が放つ、震撼のパンデミック小説。