新・古代史
グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権
NHKスペシャル取材班 著
卑弥呼と三国志、空白の四世紀と技術革新、倭の五王と東アジア情勢──。最新の発掘調査とAI・DNA分析などの科学的アプローチ、さらには中国や韓国の国際研究の成果から、「日本」という国の始まりを多数の写真や図版とともに描き出す。東アジアを見渡すグローバルな視点から謎に満ちた日本古代史の最前線に迫った、NHKスペシャル「古代史ミステリー」が待望の書籍化。
ファラオ
古代エジプト王権の形成
馬場匡浩 著
紀元前3100年ごろに成立し、幾度かの混乱期を経つつも、約三千年にもわたり存続したエジプト文明。そのなかでファラオは王権と神性を兼ね備えた最高権力者であり、政治、社会、経済、軍事はもとより、さまざまな象徴物も神話も、すべてファラオを中心とするかたちで展開した。本書では、最新の考古学的知見に基づき、その起源から王権・神性の背景、ファラオの果たすべき使命、さらにはミイラの作り方やピラミッドの目的までを幅広く紹介。謎に満ちたその実像に迫る。
鈴木崇志 著
現象学は、世界とかかわる私の経験の仕組みを解明し、日常の事柄に新しい視点を与え、身近な他者ともう一度出会いなおす試みだ。一生をかけて愚直に著述を重ね、認識をめぐる哲学の根本問題と対峙し、現代哲学を切り拓いたフッサール。超越論的還元、エポケー、直観、志向性、ノエシス/ノエマ、知覚、生活世界、エンパシーといったエッセンスを平易に解きほぐしながら、誰も踏み入れたことのない場所で孤独に探究しつづけたフッサールの哲学的思考を追いかける、決定版入門書。
竹下節子 著/じゃんぽ~る西 画
滞仏50年近くにおよぶ知仏家の著者が、なぜフランス人はこれほど日本好きなのか。これまでほとんど指摘されることのなかった文化の深層へ切り込んでその本質を語ります。
瀧音能之 監修
畿内で相次ぐ考古学的発見によって、ヤマト王権は誕生当初から、従来考えられてきた以上に強大な力を持っていたことがわかってきた。さらには、別モノと考えられてきた邪馬台国とヤマト王権について、卑弥呼政権もまた初期ヤマト王権だったとする説も、複数の著名研究者から出てきた。ヤマト王権の誕生について、最新の考古学成果と従来の説をくつがえす新説から真相に迫ります。
井口淳子、山本佳奈子 編
楽家や収集家、映画祭主催者、祭祀採音者、研究者など13人が集まり、自身の体験した「中国」をそれぞれが思う存分に綴ったエッセイ集を刊行。80年代の「魔都」上海と食の記憶、中国の村に出現したド派手なステージでのライブ、TikTok で見つけた瀋陽公園で溌溂と踊る人々。70年代の文革期から現代中国という時代をまたにかけ、北京の胡同から雲南省、 果てはフランスや台湾、モンゴルにまでエッセイの舞台が広がっていく。
パク・ソルメ 著/斎藤真理子 訳
ソウル、釜山、沖縄、旭川。治療としての〈冬眠〉が普及した世界の、眠る者と見守る者。やがて犬たちが、人々を外へと導いてーー。世界とはぐれた心を結び直す冬眠小説集。
落合淳思 著
3000年以上前、中国最古の王朝「殷」で発明され、部族固有のシンボルとして青銅器に鋳込まれた原初の漢字、族徽(ぞくき)。きわめて象形性の高いそのデザインには、当時の社会のありさまや宗教観が生き生きと写し取られている。祖王の慰霊のため斬首された殉葬者、天空を雄飛する巨龍、ウマやブタなどの家畜を監視する人々、酒宴を通じて神々と交歓する王侯貴族、軍旗を掲げて敵国へと進軍する兵士たち——謎に包まれた古代社会の実態と文字の起源を、徹底的な分析で鮮やかに解き明かす。
金山泰志 著
明治維新後、欧米をモデルに近代化した日本。中国はその停滞から一転し蔑視の対象となった。日清戦争、日露戦争、北清事変、満洲事変、そして日中戦争と経るなか、それは一層強くなっていく。本書は明治から昭和戦前まで民衆の対中国感情の軌跡を追う。世論調査がない時代、民衆が愛読した少年雑誌に着目。中国への赤裸々な図版を通し、古代中国への思慕とは対照的に、同時代中国への露骨な差別意識を持った剥き出しの感情を描く。図版百点収載。
伊藤聡 著
日本〈固有〉の民族宗教といわれる神道はどのように生まれ、その思想はいかに形成されたか。明治維新による神仏分離・廃仏毀釈以前、日本は千年以上にわたる神仏習合の時代だった。両部・伊勢神道を生みだした中世を中心に、古代から近世にいたる過程を丹念にたどる。近代における再編以前の神をめぐるさまざまな信仰と、仏教などとの交流から浮かび上がる新しい神道の姿。補注と補論「神道と天皇」を収録した増補版。