酒国 特捜検事丁鈎児の冒険

酒国
特捜検事丁鈎児の冒険

莫言 作/藤井省三 訳

〈嬰児の丸焼きを食す〉というおぞましい噂の真偽を追い、〈酒国〉へ向かう特捜検事丁鈎児。果たしてそこは、溢れんばかりの酒、肉、そして物語が極彩色に入り乱れる悪夢の街であった――ノーベル賞作家による魔術的リアリズムの傑作。

2026年10月27日

蒼穹四宝

蒼穹四宝

ジェニー・ティンフイ・チャン 著/山岡万里子 訳

19世紀末、中国の港町で誘拐された少女ダイユー。『紅楼夢』の悲劇のヒロイン林黛玉にちなんで名付けられた彼女は、石炭桶に詰められてアメリカへ渡り、サンフランシスコの娼館に売られる。機転を利かせて脱出し、アイダホで中華系の食料品店に職を見つけたものの、やがてアジア人排斥の気運が高まり、町の人々は暴徒化してゆく……。素朴な文体と詩情が融合したモノローグで語られる悲劇の歴史フィクション。

2026年10月27日

中国の石仏と石経

中国の石仏と石経

道端良秀 著/倉本尚徳 解説

本書は、戦時下中国の山東省および山西省で実施された、北朝・隋唐時代の石刻経典・石仏の調査旅行の記録のうち、日本初紹介となる調査地を選定し、戦後再編集したものである。厳密な学術調査報告書ではなく、一般読者を対象とした平易な筆致で綴られた紀行ではあるが、その後失われた遺跡や文物も少なくないことから、当時の様相を今に伝える貴重な資料として、今日なお高い学術的価値を有している。

2026年10月21日

トレヴァー短編選集2

トレヴァー短編選集2

ウィリアム・トレヴァー 著/栩木伸明 訳

不倫の終わりに、老女の秘めた愛の深さを知る女を描いた「パラダイスラウンジ」、女性用下着のセールスマンが孤独の中で英雄的交響曲を夢想する物語「音楽」、土地を守る父の夢と、その代償を背負わされる娘の歳月を予見する「キャスリーンの牧草地」など、短編小説の名手が故郷アイルランドを舞台にして書いた傑作8編を収載。

2026年10月21日

トレヴァー短編選集1

トレヴァー短編選集1

ウィリアム・トレヴァー 著/栩木伸明 訳

英語圏最高の短編作家と称されるウィリアム・トレヴァーの傑作集。すれ違う言葉が織りなすおかしく切ない一日を描いた「ケーキを食べて酔っぱらった日」、幻想の自己像に囚われた男の滑稽さをグロテスクにあぶりだす「レイモンド・バンバーとミセス・フィッチ」など、新訳4編を含む全8編収載。20分の読書が、読者の世界観を静かに反転させる極上の短編の詰め合わせ。

2026年10月21日

ホワイトホース

ホワイトホース

カン・ファギル 著/小山内園子 訳

日常にひそむ女から女への抑圧。現実を鋭く見つめた先にある逆転の構図を、新たな女の物語としてスリリングに描く6篇。柚木麻子さん絶賛!

2026年10月20日

後漢書 列伝[八]

後漢書 列伝[八]

范曄 著/李賢 注/渡邉義浩 訳

大好評「後漢書」シリーズ最終巻では人びとの特徴でわけた列伝が記される。独行・方術・逸民・列女の類伝に、漢帝国が映し出される。動乱の中、潮流に乗った者もいれば、抗った者もいる。どのようにそれぞれの信念を貫いたのか。さらに異民族を描いた各伝を収録。倭国を含む東夷伝、南蛮西南夷伝、西羌伝、西域伝、南匈奴列伝、烏桓鮮卑列伝では、それぞれの様相がみえる。東夷伝は、魏志倭人伝をもとにしながらも、それとは異なる記述を含む倭国の伝があり、三世紀以前の倭国の状況を知る無二の史料となっている。

2026年10月19日

日本ではなぜ子育てがこんなにつらいのか カネと自己責任の資本論

日本ではなぜ子育てがこんなにつらいのか
カネと自己責任の資本論

藤田孝典 著

少子化が止まらない。このままでは、この国に子どもがいなくなる。今の日本で、なぜ子育ては「ぜいたく品」となってしまったのか? 背景には、教育や生活のすべてを「商品」にしてしまう資本主義の仕組みがある。何をするにもお金がかかる。家計は圧迫され、支援は現場に届かず、子どもは居場所を失う。すべてが「自己責任」に委ねられる。『下流老人』で日本を代表する論客となり、NPOで日々貧困相談を受けている著者が、格差と孤立を深める社会の現状を批判し、解決策を提示する。

2026年10月19日

心はこうして敵と味方をつくりだす 分断と争いの社会心理学

心はこうして敵と味方をつくりだす
分断と争いの社会心理学

縄田健悟 著

隣の部署、外国人、富裕層、エリート、若手とベテラン、右派と左派、男と女――人はつい「我々」と「ヤツら」に線を引き、その「敵」を容赦なく叩いてしまう。なぜ人は、ときに集団の一員として敵への攻撃に駆り立てられるのか。異なる価値観をもつ人々と共に生きるには、「敵を作りがち」な私たち自身の心のクセを知っておく必要がある。職場での摩擦や民族対立、SNS炎上、陰謀論など。身近なギスギスから社会の深刻な分断まで、その背後にある集団心理のメカニズムを読み解く。

2026年10月19日

眠りの航路

眠りの航路

呉明益 著/倉本知明 訳

睡眠に異常を来した「僕」の意識は、太平洋戦争末期に台湾人少年工として日本へ渡った父の記憶へ漕ぎ出す。鮮烈な長篇デビュー作。解説:平野啓一郎。

2026年10月14日