Nancy Sensual World

このたび、「染井吉野ナンシーの官能世界」は引っ越しました。新しい世界はこちらになります。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 自動では新しい世界に飛びませんので悪しからず……

新着ニュース

まもなく自著も刊行予定

今日も朝日新聞です。

元フィギュアスケート選手の町田樹選手が本を紹介している記事です。

この町田選手、近々あたしの勤務先から書籍を刊行いたします。それが『アーティスティックスポーツ研究序説 フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』です。

フィギュアスケート選手時代の写真ではありません。タイトルからもわかるとおり立派な研究書です。アーティスティックスポーツというと、少し前から名称が変わったシンクロナイズドスイミングが有名など思いますが、こういった、誰にでもわかりやすい数値で順位や勝ち負けが判定されるのではなく、芸術性や表現力などを競う競技はなかなか奥深いものがありますね。

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最近のRockfield's Diary

鯨はあまりにも大きかった

』読了。ちなみに、この作品で晶文社の《韓国文学のオクリモノ》シリーズはコンプリートです。

それにしても、最後の最後に超弩級の作品が待ち構えていましたが、長さを感じさせない物語でした。そして「二組の母娘の物語」と気軽に紹介してしまうにはあまりにも壮大かつ悲しすぎました。

物語の中で流れる時間は100年にも満たないでしょう。ラストの時間はほぼ現代、現在です。つまりは韓国の現代史なわけです。伝統的な韓国に生きる女性の悲哀、しかし、それでも強く生きる女性たちの生き様、そんな風にまとめてよいものか、ちょっと躊躇ってしまいます。それほど一筋縄では言い表わせない作品でした。

母娘が二組出てくるとはいえ、よりスポットが当たっているのはクムボクとチュニの母娘ですが、成功物語でもなければ、ハッピーエンドでもありません。あえて言えば「盛者必衰」とでも言えましょうか。ただそれも、それなりの成功を収めたクムボクには当てはまると言えますが、チュニには当てはまりそうにありません。

著者はこの不幸な娘たちに安易なハッピーエンドを与えず、孤独の中で死に至らせる。それどころか生まれて間もない生命さえ死んでしまうのだが、悲惨さだけが残る感じがしないのは、チュニや一つ目を語る際にあふれ出る著者の優しさのためだろうか。

とは「訳者あとがき」にある言葉です。確かに悲惨さだけが残るわけではありませんが、だからといって希望が持てるような書きぶりかと問われれば、頷くことはできません。彼女たちの生き様は悲しすぎます。

せめてもの救いは、チュニは苦痛を感じることはできても、不幸を感じることはできなかったのではないかと思われる点でしょうか。母のクムボクは社会的な成功を収め、使い切れないほどの大金も手にし、自分の欲望に正直に生きた女性ですが、どこか幸せになりきれない影を引きずっています。

それに対して、いわゆる知的障害のあるチュニは、そういった世間の評価基準の外に生きているわけで、その人生は筆舌に尽くしがたい苦痛に何度も見舞われるのですが、幸不幸という判断基準を持っていない、理解できないことがささやかな幸せなのかも知れません。でもそれではあまりにも悲しいです。

ところで、最後にチュニは、恐らく彼女の人生で唯一の理解者であり友達だった象のジャンボの背中に乗って天高く昇っていきます。その場面は、テレビアニメ「フランダーズの犬」の最終回、ネロがパトラッシュと共に天使に導かれて昇天していく場面を彷彿とさせるものでした。そんな風に感じたのはあたしだけでしょうか?

安くならない理由の一つ?

今朝の朝日新聞にこんな記事が載っていました。

何でもかんでもろくに議論せず強引に通してしまう自民党・安倍政権。その弊害がこんなところにも現われているようです。

著作権の保護期間が延びることによって、原作者の子孫に金銭的なものが残せる、と言われますが、それなりの金額の著作権が、死後何十年にもわたって毎年発生するほどの原作者がどの程度いるのか、実際にはほとんどいないと聞きます。

その是非はともかく、あたしの勤務先のような出版社からすると海外の作品を翻訳出版する時にどうしても価格が高くなってしまう理由の一つになります。このと十数年目につく「古典・名作の新訳」も著作権が切れていればこそ各社が競って刊行できるわけで、なおかつそれほど高い価格にならずに作ることもできます。

それが延長されてしまうと、「来年には著作権が切れるから新訳を出そう」と考えていた出版社としては尻込みしてしまいますよね。寿命が延びているからというのも、延長の理由としてそれほど有効なのか、あたしは疑問を感じます。

光り輝く少女たち

前のダイアリーでは『トラペジウム』のタイトルの意味に着いてまでは筆が進みませんでしたので改めて……(汗)

ググっても構いませんが、「トラペジウム」の意味は、①不等辺四辺形、②オリオン星雲の中にある四つの重星、です。

主人公を含めた四人の少女たちを四辺形のそれぞれになぞらえつつ、光り輝く星たちというのが、キラキラ輝いている(ように見える)アイドルに重ねられているのでしょう。

ところで、主人公たちが最後に4人で見る写真のタイトルが「トラペジウム」で、そこには高校時代の4人が写っているのですが、もう一人、ボランティアで知り合った足の悪い少女も写っているはずです。そうなると4つの角を持つ四辺形ではなく五角形になってしまいます。

もしかして足の悪い少女のが写っていない、四人だけの写真だったのでしょうか? しかしストーリーを追う限り、5人で写真を撮ってもらっていたと思うのですが、あたしの勘違いでしょうか?