唇を奪われる!

満員電車。

信号機故障か人身事故でもあったのか、とにかく久々の混雑。少し前、東京で雪が降ってダイヤが乱れた日、電車に乗り切れないほどの人がホームに溢れ、ホームに入りきれないほどの人が改札の外に溢れた、あの日を思い出させるような混み方。

とりあえず、あたしは車内。苦しい体勢ではありますが、なんとか立っていられる状態。もちろん、本を読んだりスマホをいじくるような余裕はありません。とにかく体勢の維持、倒れないよう、転ばないように気をつけるのが精一杯。なにせ手が動かせないので、手すりや吊り輪に掴まることもママなりません。

そんなあたしの目の前に若い女性。若いと言っても中高生と言うほどではなく、たぶん30歳前後のOL。この混雑なので、どちらが意図したわけでもなく、向き合うような体勢になってしまっていました。たぶん、恋人同士でもこれほど密着することはあまりないのではないか、と思われるほど体が密着していて、お互いに顔をどちらへ向けていればよいのか、困ったような感じで電車に揺られています。

が、次の瞬間、電車が揺れ、社内全体が波のように大きく動き、よろけた拍子に、なんと、あたしの口とその女性の口が重なってしまったではありませんか! 「えっ、キス? しちゃった?」

慌てて顔を離すものの、相変わらずの混雑ですから、その場を立ち去ることもかなわず、気まずいムードが……

(-_-;)

(-_-;)

(-_-;)

(-_-;)

(-_-;)

(-_-;)

という夢。

あたし、欲求不満でもたまっているのでしょうか?

鳴り物入り?

どうしたら本が売れるのでしょうか?

とにかくたくさん作って、たくさん作れば安くできるから、多くの書店に並べてもらって、多くの人の目に触れる機会を作れば売れるのでしょうか?

そんなわけないことは自分が一番よくわかっています。

安いにこしたことはないけれど、安ければ売れるというわけではないのも事実です。

でも弱小出版社の哀しさというか、僻みですね、どんな書店に行っても店内の目立つ場所にドーンと積んである他社の本を見ていると、そんな気にもなってしまいます。

でも次の刹那、「あんなに積んだからと言って売れるわけじゃないんだよね」という思いがフツフツと湧いてきます。前の週に山のように積んであった書籍が、翌週にはきれいさっぱりなくなっているのは日常茶飯事です。全部売れたということもあるでしょうが、多くは「それほど売れず裏の倉庫に仕舞われた、あるいは返品された」という運命のはずです。そんなに片っ端から売れていたら「出版不況」なんて、とうの昔に終わっているはずです。

ただ、書店で本がたくさん積んである場合、頼みもしないのに勝手に入荷した、出版社の人に頼まれてちょっと多めに仕入れてみた、自分で売れると判断したから大量に仕入れた、という三通りのパターンがあると思います。最後の例であればよい結果が生まれる可能性が高いわけで、「売れる」と判断してもらうためには、やはり営業マンの営業トーク力がものを言うのではないかと思います。となると、二番目のパターンに近いかもしれませんね。

それはともかく、積めば売れるというものではないけれど、ある程度見せる場を作らないと売れるものも売れなくなってしまうというのも事実です。しかし、見せる場を作るまではなんとかできても、つまり積んでもらうところまでは営業力でできるとしても、それが実際に売れるためには、更に何をしたらよいのでしょうか?

なんで、改めてこんなことを書いているかと言うと、ネットでこんなニュースを見たからです。

広瀬すず主演『ちはやふる』、期待はずれの4位発進!

出版ではなく映画業界、芸能界の話です。当然、出版業界とはかかっているお金の桁が違うはずですが、プロモーションにしろ、市場リサーチにしろ、相当入念にやっているはずです。それでこういう結果。もちろん、一週目だけで判断するのはよくなくて、本だって刊行からしばらくたってから売れ始めるものもたくさんあります。後からの巻き返しもゼロ・パーセントということはないでしょう。

でも、過去の例から見て、初週の動きで結果はだいたい判断できてしまうのでしょう。だから、こんな風に書かれるわけですから。当然のことながら、映画会社の営業マンは、われわれ出版社の営業なんかとは比べものにならないくらい営業努力をしていると思います。それでも、こんな結果。

結局、ブームというかヒットというのって、なかなか制作サイドの思うようには作り出せないということなんですよね。確かに本だって、事前の期待を裏切るものもあれば、さほど期待していなかったのに売れに売れるものがありますから。

新聞記事に絡めていくつか……

朝日新聞の記事から気になったものをピックアップ。

まずは地政学の記事。

参考文献には挙がっていませんが、文庫クセジュにも『100の地点でわかる地政学』という一冊があります。

世界のホットな100の場所を挙げて解説しているものです。クセジュですからフランス目線、それが日本人読者には新鮮なのではないでしょうか?

続いてはガンディーの記事。あたしが子どもの頃は「ガンジー」という表記だったはずですが……(汗)

それはともかく『アジア再興』はジャマールッディーン・アフガーニー、梁啓超、たごーるがメインのノンフィクションですが、実はガンディーも影の主役のように見え隠れしています。ガンディーが主人公ではないからこそ、ガンディーの存在が客観的に見えてくる、そんな本です。

そして最後に震災と書店の記事。

この記事の中の鹿島ブックセンターの鈴木さんには「人文会ニュース」の118号に寄稿していただいたことがあります。

この号には岩手・宮城・福島の書店員の方に震災後3年の現状を書いていただいた特集が掲載されていますので、是非ご覧ください。

風化させないと思いつつ……

うっかりしていましたが、昨日はあの地下鉄サリン事件の日。1995年のことですから、あれから21年になるのですね。確か阪神・淡路大震災と同じ年だったはず。

あたし自身は、その日は『白水社中国語辞典』の校正のため、今は亡き伊地智善継先生のご自宅へ向かう出張でした。場所は大阪の枚方市でしたので、事件が報道されるころには新幹線の中、社内のテロップニュースで東京の地下鉄車内で異臭騒ぎ、というのを見ていた覚えがあります。異臭騒ぎ、その程度の認識しか持たずに伊地智先生のお宅へ到着したのが昼ころでした。

玄関を開けると、まだご健在だった先生の奥様が「あなた、大丈夫だったの?」と血相を変えた様子。「何かありましたか?」という、事情を飲み込めないあたしに「東京が大変なことになっている」と告げると、しばらく三人で、先生のお宅のリビングで、テレビから流れるサリン事件のニュースを魅入ったものでした。まさか、新幹線の中で美大衆騒ぎがこんな大きな事件になっているとは……

いま考えると、東京の地下鉄のうち数路線が狙われたわけですが、あたしの勤務先でも通勤で使っている社員が複数名いる路線でした。幸いにも、あたしの勤務先の同僚で被害に遭った者はいませんでしたが、ちょっと出勤時間がずれていたら、そしてあの車両に乗り合わせていたら、間違いなく被害に遭っていたことでしょう。本当に不幸中の幸いだと思います。

そして、そんな路線。20年以上だった今では、何事もなかったよに日々乗っています。あたしは通勤では地下鉄は使いませんが、書店営業では毎日のように事件のあった路線に乗っています。ここ数年は、「社内で不審物を見かけましたら……」の車内、構内アナウンスは目立たなくなりましたが、事件以降、地下鉄や電車に乗れなくなった人も大勢いると聞きます。

後にも先にも、そして世界を見回しても、いわゆるテロ組織でも犯罪組織でもない(と思われていた)団体が、拳銃や火炎瓶などではなく、神経ガスを使った無差別大量殺人は、この地下鉄サリン事件以外は起きていませんよね? アルカイダやISがテロを起こしても、多くは拳銃や爆弾といった、ある意味古典的な武器ばかり。こういった毒ガス、それも一見したところ、ペットボトルの水がまかれただけのような殺人兵器を使った犯罪。怖いものです。二度と起こされないために、その後日本の警察はどんな対策を立てているのでしょうか?

実は既に持っていました!

岩波書店の新刊『共和の夢 膨張の野望』を購入しました。「日中の120年 文芸・評論作品選」全5巻の第1巻目になります。今後は毎月一冊ずつ刊行されるようです。

ところで購入前に、このシリーズのパンフレットを店頭で手に入れました。主な収録作品が載っています。

眺めていたら、見覚えのある書名がいくつか並んでいます。

ご覧のように、あたしが持っている本です。戴季陶『日本論』、宮崎滔天『支那革命軍談』、内藤湖南『支那論』の三冊です。

もちろん、岩波の新刊も買っています! で、パンフレットに載っている北一輝『支那革命外史』も持っているはずなのに自宅の書架を探しても見つかりません。

仕方なく三冊だけ並べて、パンフレットと一緒に上の写真を撮りましたが、もう一度書架を探していたら出てきました。

2016年3月20日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

あたしの十福神!

オフィシャルショップで購入した商品が届きました。乃木坂46の生写真、バレンタイン・バージョンです。今回はランダムではなく、自分の好きなメンバーを選んで購入することができましたので、あたしはこの10人を選びました。あたしなりの十福神です。

えっ、七福神なら知っているけど十福神って何かって? 乃木坂46ファンなら自明なのですが、シングル各曲ごとに歌唱を行なう選抜メンバーの中から、さらに中心となるメンバーを選んで「福神」と呼びます。最初は七福神だったのが、曲によって八福神になったりしつつ、最近は十福神で定着しております。

で、あたしの推しメンということで、この十人があたしにとっての十福神という位置付けです。

 

まずは若さま(若月佑美)とまなったん(秋元真夏)の二人。この二人はどちらが一位であってもおかしくない、あたしの中では不動の二人です、とりあえず。

  

ここから下は結構、悩むところですが、やはり世間的にも認知の高い三人、なあちゃん(西野七瀬)、ななみん(橋本奈々未)、まいやん(白石麻衣)です。ななみんとまいやんは一般にも美人ということで通っていますが、なあちゃんは決して美人ではなく、表情とか雰囲気がカワイイというタイプでしょう。写真だけ見ると「美人じゃないじゃん」とか「ブスじゃん」とか言われるかも知れませんが、たぶん実際に逢えば、あるいはクラスにいればきっと好きになってしまうタイプだと思っています。

  

次は若手。乃木坂の至宝いくちゃん(生田絵梨花)、神に選ばれし美少女あしゅ(斎藤飛鳥)、みんなの妹みなみ(星野みなみ)の三人。この中ではいくちゃんがやはり別格かと思いますが、この一年、あしゅがかなり上がってきたと思います。

 

で、最後がキャプテン(桜井玲香)、ひめたん(中元日芽香)の二人。ひめたんは選抜メンバーではありませんが、ここ最近、テレビで見るとすごくかわいくなったと感じるのです。で、実はこのあたりのメンバーは、あたしの中でもかなりの混戦。みさ先輩、未央奈、蘭世あたりも加えたかったところです。

「だったらそれも買えばいいじゃん」と言われれば確かにその通りです。別に一人当たりの購入枚数制限があったわけではないのですから、十人に絞り込む必要性はどこにもなかったのです。たぶん熱狂的なファンは全員の写真を買っていることでしょう。しかし、しばらくたってそう思ったときには既にSOLD OUT、後の祭りでした。

ちなみに、最新シングルの十福神は、秋元真夏、生田絵梨花、衛藤美彩、齋藤飛鳥、白石麻衣、高山一実、西野七瀬、橋本奈々未、深川麻衣、星野みなみの十人です。

で、続けざまに紅白衣裳バージョンの生写真も届きましたが、これはメンバーを選べないので誰が届くかわかりません。結果は上の動画の通りです。若さま、まいやん、あしゅ、ひめたんや蘭世あたりが入っていたのは嬉しいところです。

そして今夕もまた3月の生写真、嫉妬の権利バージョンウェブショップで発売になります!

朗々と、口承文学のような、朗詠するかのような……

マナス』を読み始めました。

二段組みで402ページ、なかなかの読みごたえですが、読み始めてみると、意外とテンポよく読めます。文章は演劇のセリフというのでしょうか、会話が多いのでそう感じるだけかもしれませんが、なにやら俳優が、舞台の上で朗々と、自分のセリフに酔うかのように歌い上げるようにセリフを語っている、そんな感じです。

古事記など日本の古代神話やギリシア神話などにも似た雰囲気を感じます。こんな感じで最後まで行くのでしょうか? 愉しみです。

被害者と加害者は本当に被害者と加害者なのか?

このところ似たようなニュースというか事件を目にします。

高2の少年 元交際相手16歳の少女を刺すとか、三鷹で起きたストーカー殺人の裁判とか。

もちろん他人に危害を加えることはいけないことですし、加害男性の行為は許されないことですが、こういう事件をテレビや新聞で聞いたり見たりすると、果たして本当に加害者だけが悪いのか、そんな風に思ってしまいます。つまり、被害者の側に問題はなかったのか、ということです。

だからといって殺してもよいという理由にはなりませんし、そんなことは百も承知です。それでも、そんな風に思ってしまうのは、あたしが高校時代に、殺人までは行かなかったのですが、同級生男子が起こした事件があったからです。

当日は、ほぼすべての夕刊が社会面で一番大きく扱っていましたので、同世代の人は覚えているかもしれません。事件の概要としては、付き合っていた女の子に冷たくされたので、その子を殺して自分も死ぬために警察官から拳銃を奪おうと思い、洋弓(ボーガン)で警察官を襲撃した、というものです。その同級生はその場で警察官に取り押さえられたわけですが、新聞論調としては「フラれてやけになった男子高校生」というストーリーが基調でした。

でも、実際に同級生として、そしてその男子生徒にしろ、きっかけとなった女性との方にしろ、よく知っているあたしからすれば、果たして男子の方だけが悪いとは一方的に言えなかったのです。もちろん「バカなことをしでかした」という感想は持ちましたが、その程度で男子生徒を責めるという気は起きませんでした。

あたしが高校生の頃は、リベンジポルノなんて言葉もなければ、ストーカーなんて言葉もない時代です。石川ひとみの「まちぶせ」が数年前にヒットしたような頃です。この歌って、まるでストーカーの歌ですよね?

閑話休題。ですから、こういった犯罪に対する世間の見方、マスコミの論調も今とはかなり異なりますので、そんな尺度で現在の事件を見てはいけないのでしょう。それでも、男性の方をそんな犯行に駆り立てるまで追い込んでしまった女性の残忍さ、冷酷さ、そういうものはなかったのでしょうか?

少なくとも、あたしが高校時代に経験した上述の事件では、身近な人間ほどそういう感想を抱いていたはずです。