20世紀論争史
現代思想の源泉
高橋昌一郎 著
20世紀の思想がそれまでに比べて複雑なのは、コンピュータや遺伝子操作などの科学技術が飛躍的に発展した結果、そもそも人間とは何か、知性とは何か、存在とは何か……といった問いが複雑化し、本質的に深まった点にある。もはや「科学を視野に入れない哲学」も「哲学を視野に入れない科学」も成立しない時代を迎えた今、改めて世紀を代表する知の巨人たちが繰り広げた原点の論争を振り返る。この「知」の戦いの記録は、現代思想を理解するために必須のものである。コーヒーをこよなく愛する「教授」と明晰な「助手」が織り成す時にユーモラスで知的な対話、世紀を渉猟する全30話を収録する。
「自分らしさ」と日本語
中村桃子 著
ことばには内容を表現するだけではなく、〈その人らしさ〉を表現し、話している人同士の関係を作り上げる働きがある。ことばの背後にある社会の規範や価値観を解きあかす社会言語学の知見から、「名前」「呼称」「敬語」「方言」「女ことば」といった観点を通して、ことばで「自分」を表現するとはどういうことかを考える。
ヴィルヘルム2世
ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」
竹中亨 著
一八七一年普仏戦争に勝利し帝国となったドイツ。八八年に即位し「国民皇帝」たらんとしたのがヴィルヘルム2世である。労働者保護をめぐりビスマルクと対立、罷免し自ら国を率いた。海軍力を増強し、英仏との対立が激化、第一次世界大戦の主要因となる。ドイツ革命が起きるとオランダへ亡命、その地で没する。統一国民国家草創期、工業化・大衆社会化、世界大戦という激動の時代に生きた、最後のドイツ皇帝の生涯。
サハマンション
チョ・ナムジュ 著/斎藤真理子 訳
超格差社会「タウン」最下層に位置する人々が住む「サハマンション」とは? 30年前の「蝶々暴動」とは? ディストピアの底辺で助け合い、ユートピアを模索することは可能か?
中国史SF短篇集
移動迷宮
大恵和実 編/上原かおり、大恵和実、大久保洋子、立原透耶、林久之 訳
孔子は時空を越え、諸葛亮孔明はコーヒーの栽培に成功し、マカートニー伯爵は乾隆帝の迷宮に閉じ込められ、魯迅は故郷でH・G・ウェルズのタイムマシンに出くわす――悠久の中国史を舞台に、今もっとも勢いのある中国の作家7人が想像力の限りを尽くした超豪華短篇集。
東南アジア史10講
古田元夫 著
ASEANによる統合の深化、民主化の進展と葛藤。日本とも関わりの深いこの地域は、歴史的にさまざまな試練を経ながらも、近年ますます存在感を高めている。最新の研究成果にもとづき、世界史との連関もふまえつつ、多様な民族・文化が往来し東西世界の要となってきた東南アジアの通史を学ぶ。「歴史10講」シリーズ第五弾。
楚辞
小南一郎 訳
『詩経』と並ぶ中国文学の源流。現実世界からの追放、天上遊行、天に対する疑義、神々とのふれあい――南方楚の独自の自然・神話・文化を元に、戦国末の大きく変動する時代の中で生まれ、屈原伝説と結びついて伝承されてきた楚辞文芸。今なお謎に包まれたその歌謡群は、全体を流れる悲哀の中にも、強靱な精神が息づいている。
ジェンダーで見るヒットドラマ
~韓国、アメリカ、欧州、日本~
治部れんげ 著
多くの人に届くエンタメ作品のなかでも、とりわけ制作国の世相を反映するのが、視聴者やスポンサーの影響を強く受ける連続ドラマ。ジェンダー問題の識者として様々なメディアで活躍するジャーナリストで、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の著者が、韓国、アメリカ、欧州とカナダ、そして日本のドラマの魅力とヒットの理由、そして問題点をジェンダー視点で読みときます。人権意識の低い日本のテレビを見られなくなった人たちへの「おススメドラマリスト」にもなる、最新のドラマ解説書。
声をあげます
チョン・セランの本
チョン・セラン 著/斎藤真理子 訳
『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。
中国共産党、その百年
石川禎浩 著
創立百周年を迎える中国共産党。いかにして超巨大政権党となったのか、この組織の中核的属性はどのように形作られたのか、多角的に浮き彫りにした最良の通史!